あなたは今ノートパソコンを使ってヤフーニュースを見ているとします。
このとき他に何も起動せず、また短時間の使用であればノートパソコンの音は静かであるはず。
しかし、負荷の高いゲームやソフトを起動させるとノートパソコンは「ウォーン」と大きめの音を発するでしょう。
要するにパソコンに負荷の高い動作をかけるとパソコン内部では大きな熱が発生し、冷却ファンはその熱気を外に排出しようと回転するため大きめの音が聞こえるのです。
今回はノートパソコンの熱の害と原因と対策を解説します。
デスクトップパソコンでもそういった熱や音は発生します。
ちなみにパソコン内部で高い熱を生みやすいパーツはCPU、HDD・SSD、バッテリー。内部ではありませんが、ACケーブルのアダプターも熱くなりやすいです。
もしパソコンが負荷の高い動作をし続けていないのに普段とは違う大きな音が発生したら、それは故障の可能性もあります。
目次
ノートパソコンの熱と音の原因【音がうるさい?】
ノートパソコンの熱の原因
- CPUのグレードの高さ
- ゲームや動画のような負荷の高い動作
- 4Kのような解像度の高いモニター
- 同時起動の多さ
- 長時間にわたる使用
パソコンの熱が害である理由
- 冷却ファンの高速回転は耳障り(うるさい)
- 熱はバッテリーやコンデンサを劣化させる
- 部屋が暑くなる
- パソコン(とくにCPU)の動きが悪くなる
- 動きが悪くなるどころか、画面がフリーズしたり勝手に再起動したりする場合さえある
- 最悪の条件が重なると発火事故にもつながる
一般にノートパソコンの熱はCPUが高性能であるほど、さらにモニターの解像度が高いほど高温に達します。
そうやってCPUを使いすぎると、CPUは一定以上は熱を出したがらないため活動を控えてしまう場合があるのです。これが画面のフリーズや電源落ちにつながっています。
YouTubeではインテルのCPUの高性能モデルであるCore i9の直上で焼き肉をするネタ動画も上がっているくらい温度は高まります(よい子はマネしないでね)。
こういった害があるからにはユーザーとしても熱に気を配らなければならないわけです。

ノートパソコンのほうが熱対策は重要
パソコンの熱対策はノートパソコンとデスクトップでは重要度が違います。
というのも現代におけるノートパソコンは基本的には本体の厚さが薄い機種ばかり。あなたのノートパソコンもそれなりに薄いでしょう。
現代のノートパソコンでは薄い部分に精密パーツが密集して詰め込まれていますから熱はこもりやすく、冷却ファンも小型になってしまいます。
冷却ファンが小型だと冷却性能も弱くなってしまいます。
ノートパソコンの生命線であるバッテリーは熱によって劣化しますから、寿命を伸ばすためには熱対策するしかないのです。


デスクトップパソコンのCPU冷却ファン
一方、デスクトップパソコンは本体のサイズが大きいですから、部品と部品の間隔にかなり余裕がありますし冷却ファンも大きいです。
そのためデスクトップで熱対策は、高度なグラフィックのゲームをする人以外は積極的にしない傾向があります。
当サイト記事:各メーカーのパソコンを安く買う方法【セール情報】 |
ノートパソコンの熱対策
- 長時間にわたって使い続けない
- ソフトやブラウザ(タブ)は余計に起動させない
- CPUやモニター解像度のグレードを落とす
- 省エネ設定にする(消費電力を下げる)
- ホコリや汚れを掃除する
- 室温を下げる
- ノートパソコンに扇風機をあてる
- パソコンスタンドを使う
- ノートパソコンの下に冷却ファンを敷く
- デスクトップパソコンを買う
パソコン内部の熱は高い負荷がかかる動作や長時間にわたる使用が主因です。
そのため負荷の高い作業を行っている人は、たまにスリープさせるなどしてノートパソコンを休ませましょう。
また、ソフトウェアやブラウザは大量かつ同時に起動しているとCPUに負担がかかってしまいます。
そのため使っていないソフトウェアはできる限り終了させるべきです。
ブラウザとは、Google Chrome、Firefox、インターネット・エクスプローラーなどインターネットを見るための媒体のこと。
ブラウザは動画やゲームを起動していると負荷が高まります。
CPUのグレードを落とす
2018年に英語圏で有名なパソコン系YouTuberが15インチMacBook ProのCore i9モデルには排熱に難があるため、高い負荷をかけたときのパフォーマンスはi7にも劣るという実証データを示しました。
参考記事(全文英語):Tested: Thermal conditions in the 2018 i9 MacBook Pro dramatically hampering performance

東海大学のノートパソコンの注意書き
また東海大学が示しているノートパソコンの注意書きにおいてもi9は推奨されていません。
理論上のパフォーマンスはi9>i7ですが、排熱に難があるとi7>i9になってしまうのです。
Core i9は大型デスクトップパソコンのような排熱環境が優れた機種で使うべきであって、ノートパソコンには向かないといえます。
そのためノートパソコンでCore i9を使っている人はCPU i7に変えるべきかもしれません。

CPUや解像度のグレードを落とすと消費電力は下がります。同じようにパソコンを省電力設定にしても消費電力は下がります。
消費電力が下がれば、それだけ発熱量も下がります。もちろん、たまにスリープするのも効果的。
ホコリを掃除しよう
他に考えられる理由はパソコン内部のホコリや汚れが排熱を妨げているという可能性です。
この場合、パソコンを分解してホコリや汚れを取り除くべき。基本的にホコリは冷却ファン付近に集まっています。
しかし、デスクトップパソコンは分解しての掃除が簡単にできるものの、ノートパソコンの多くは手軽に分解・掃除できないような構造になっています。
裏面のフタを開けるくらいなら簡単ですが、そこから部品をいくつも取り外して掃除するのは困難です。
ここで下手をするとノートパソコンは故障してしまいますから、メーカーのマニュアルに沿ってあまり無理はしないことをおすすめします。

分解するのが困難な人は、排気口に掃除機をあてて吸い込めば多少のホコリはとれます。このとき、ついでにキーボード付近のホコリも吸い取るべき。
掃除機を使っている最中はパソコンの電源は切り、掃除機の先にはハボキをつけるなどして優しく扱いましょう。
部屋の温度を下げる
パソコンを動作する際の室温は5℃~35℃が適正です。
しかし、パソコンを起動させている場合、室温とパソコン内部の温度は一致しません。
具体的には室温に対してパソコンの内部はプラス8℃くらいは高いといわれています。たとえば室温が30℃だと内部は38℃にも達していることになります。
このまま使い続けているとノートパソコンに異常が生じてしまいますから、部屋にエアコンを設置して室温をもう少し下げるべきです。
この理論だと真夏にエアコンのない環境でノートパソコンを長時間にわたって動かすのは無理があることになります。
逆に冬場はちょっとしたヒーターになりますが、結露が生じないようにご注意を。
扇風機の風をあてる
室温を下げるのは間接的な対策です。
その一方でノートパソコンに扇風機の風をあてて冷やすという対策もあります。
このとき、袋に入れた氷などをノートパソコンに直接あてて冷やすのやめておきましょう。
水分がノートパソコン内に入って故障する可能性があるからです。
パソコンスタンドを使う
上の画像のようにパソコンスタンドを使うとノートパソコンと机との間に空間ができて風通しがよくなります。
またパソコンスタンドの材質としてよく使われているアルミは多少の放熱効果があります。
パソコンスタンドはノートパソコンの高さや角度を変えて作業しやすくなる効果もあります。
値段は2000~4000円くらいが主流であるなど買いやすいですからかなりおすすめ。
冷却ファンを敷く
それからノートパソコンの下に冷却ファンを敷けば冷却効率は高まります。
この台自体は角度調整もできるなどパソコンスタンドを兼ねているところもあります。
一般的には1台につきプロペラは2つついていますが、中には5つもついている製品もあります。
自宅ではデスクトップパソコンを使う
対策とはちょっと違いますが、自宅で作業する場合はデスクトップパソコンを使うという手もあります。
デスクトップなら冷却性能は優れていますから、わざわざ起動させているソフトウェアを減らしたり、スリープをかける必要も薄れてきます。
とくに高度なオンラインゲームや動画・画像編集ソフトは大きな熱が発生しますから、ゲーマーや動画・画像編集者にはデスクトップをおすすめします。
