2021年7月、アメリカのパソコンメーカーであるHPはRyzen5000UシリーズCPUを搭載する13.3インチノート「Pavilion Aero 13-be」を販売開始しました。
HPはもともとアメリカの大企業ですが、現在では日本法人と日本工場も構えています。
そこで今回はHPのPavilion Aero 13-beのレビューをレビューします。
結論から申し上げますと、グラフィックボード非搭載で持ち運びやすいノートパソコンを探し求めている人にはかなりおすすめできます。
逆にグラフィック性能をもとめるゲーマーや動画編集者、そして大きめのノートパソコンを求めている人にはおすすめできません。
HP Pavilion Aero 13-beのレビュー
まずはスペックの確認から。Pavilion Aero 13-beのグレードはC3~C1までの3つあります。
これによっていくつものユーザー層に対応しています。
C3 | C2 | C1 | |
OS | Windows11 Pro | Windows11 Home | Windows 11 Home |
液晶サイズ | 13.3インチ | ||
液晶解像度 | フルHD(1920 x 1080) | ||
液晶仕様 | ノングレア(非光沢処理)IPSパネル | ||
本体色 | プラチナグレーまたはピンクベージュ | ||
グラフィック | AMD Radeon グラフィックス | ||
CPU | AMD Ryzen7 5800U | AMD Ryzen5 5600U | AMD Ryzen5 5600U |
メモリ | 16GB | 16GB | 8GB |
ストレージ | SSD512GB | SSD512GB | SSD256GB |
内蔵カメラ | HP Wide Vision HD Webcam (約92万画素) | ||
光学ドライブ | なし | ||
バッテリー駆動時間 | 約10.5時間 | ||
本体重量 | 約957g | ||
税込価格 | 123000円 | 107000円 | 93000円 |
その他に目立つ特徴 | 指紋認証センサー搭載 マグネシウム合金 天面耐圧試験 300kgfクリア 45分の充電で50%回復できる急速充電機能 Wi-Fi6対応OFF Microsoft Office Home & Businessが最大50%OFF |
それぞれのスペックが向いているユーザー層
- C3のスペック
理系芸術系学生、プログラマー、ライトな動画編集者
- C2のスペック
理系芸術系学生、プログラマー、ライトなイラスト制作者
- C1のスペック
文系学生、ブロガー、ライター、ビジネスマン、長期投資家、中高生
Pavilion Aero 13-beは最も下のC1でもオンラインでの会議や授業に対応できるスペックとなっています。
ただし、最上位のC3であってもグラフィックボードは搭載されていません。そのため本格的な動画編集やゲームをする人には向いていません。
メモリは8GBまたは16GBのオンボード固定となります。オンボード固定のメモリは交換や増設ができないのが基本です。
93000円~という価格を他メーカーと比較
93000円~という価格のノートパソコンは同スペックのレノボやDELLと比べると少し高く、NECや富士通、AppleのMacBookシリーズと比べると明らかに安いです。
レノボやDELLではRyzen5の13インチパソコンは7~8万円くらいで買えます。
しかし、Pavilion Aero 13-beは指紋認証センサー搭載、マグネシウム合金、Wi-Fi6対応といった特徴もあります。
以上はレノボやDELLの7~8万円台の機種ではほとんどない特徴ですから、この点も踏まえると93000円は高くないといえます。
外観をレビュー:ベゼルは狭くてカッコいい
次はPavilion Aero 13-beの外観についてレビューします。
Pavilion Aero 13-beは上下左右のベゼル(額縁部分)が狭いためスタイリッシュに見えます。
ベゼルが狭いと耐久性に問題を感じる人もいるでしょうが、マグネシウム合金という丈夫な材質でできていますから、まあ問題ないでしょう。
ディスプレイは明るさに特徴あり
ディスプレイは13.3インチ、フルHD、ノングレア(非光沢処理)、最大400ニトの明るさ、アスペクト比16:10のIPSパネルという特徴があります。
ノングレアは長時間にわたって作業し続ける学生やビジネスマンなどに向いています。時代の主流はノングレアです。
400ニトという明るさはノートパソコンとしては明るいほう。
外でノートパソコンを操作する人にとって液晶は明るいほうが見やすいです。
もちろん明るさは調整できますから、下げたい人は下げましょう。
13.3インチは持ち運び頻度が高い人に向いている
さきほどHP Pavilion Aero 13はライトなイラスト制作者やライトな動画編集者、芸術系学生にも使えるスペックだと述べました。
しかし、13.3インチという液晶サイズはクリエイターにとってはほんのちょっと小さいかもしれません。
13.3インチは持ち運びやすいサイズではありますが、クリエイティブな作業をする人にはもうちょっと大きくてもよかったりもします。
クリエイティブな作業をする人の中でも持ち運び頻度が高い人は13.3インチ、持ち運び頻度が低い人は15.6インチの機種を選ぶのが管理人としてはおすすめ。
本機は13.3インチしかありませんから15.6インチをもとめている方はほかを探しましょう。
ピンクベージュ色のコントラストは低い:女性好みの色?

Enterキーの右側1列にもキーがある
Pavilion Aero 13-beはセラミックホワイト(上記上側)とピンクベージュ(上記下側)の2つがあります。
セラミックホワイトはキーの印字と白のコントラストがハッキリしていてキーが見やすいですね。
これなら高齢者でもキーを判別しやすいのですが、白字に黒い印字はかなりありふれている配色であるため個性をもとめる人にはちょっとつまらないかも。
一方、ピンクベージュはキーの印字とピンクベージュのコントラストがハッキリしていません。こちらは印字が見にくいのです。
しかしながら、パソコンは操作に慣れると手元を見ないでもタイピングできるため、印字のコントラストを重視しない人もいます。
ピンクベージュはiPhoneのゴールド系カラーにも似ていてなかなかオシャレですから個性をもとめる人はこちらを選びましょう。

電源ボタンはキーボードの中に紛れている
ノートパソコンの電源ボタンはキーボードの中に紛れているパターンと、キーボードから少し離れたところにポツンとある場合とがあります。
Pavilion Aero 13-beの場合はキーボードの中に紛れているパターンでございます。
個人的には少し離れたところにあるほうが好きですが、まあ大した差ではないです。
インターフェイスは普通:LANポートなし
Pavilion Aero 13-beのインターフェイスは以下のとおり。
- HDMI 2.0出力端子
- SuperSpeed USB Type-A 5Gbps
- SuperSpeed USB Type-C
- ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート
個人的にはノートパソコンにはLANポートがあるほうが好きですが、本機にはついていませんからLANポートを使う人はUSB経由で使いましょう。
耐久性はマグネシウム合金だけあって上々
Pavilion Aero 13-beの外枠はマグネシウム合金といってプラスチックよりも強度も価格も高い材質でできています。
実際、公式サイトでは耐圧試験でも300kgfをクリアしたとのこと。
これは混雑率200%の通勤電車でも普通に耐えられるレベル。
混雑率200%は日本最大クラスの混雑率。2020年以降のテレワーク進展はほぼ解消されつつあります…。
これだけの耐圧試験をクリアーしているとあれば、バッグに荷物を多く詰め込む学生やビジネスマンも圧力に臆せず使えます。
一般にマグネシウム合金は加工費も高いですが、その割にパソコン価格は高くないところは評価できます。
マグネシウム合金は軽さにも貢献する
マグネシウム合金は丈夫であるため、その分だけ本体を薄く、そして重量を軽くすることができます。
そこで実現したのが約957gという重さ。13.3インチで約957gという重さは13.3インチクラスのノートパソコンの中では軽いほうです。
指紋認証装置は自宅外でのセキュリティを高める

HPの指紋認証装置
セキュリティに力を入れるHPだけあって本機には指紋認証もついています。
自宅ばかりで使う人なら生体認証はいらないと思いますが、自宅外でも頻繁に使うのなら指紋認証か顔認証のどちらかがついているほうが安心です。
これも持ち運び重視の仕様だから。
なお本機には内蔵カメラもついていますが、こちらは顔認証には対応していないカメラです。
納期が長い場合は注意しよう
HPのパソコンは東京都でもつくられているなど日本人にとって身近ですが(東京以外で生産されるモデルもある)、納期が4週間以上かかる場合がある点には注意してください。
短い場合だと5営業日くらいで届くのですが、最近はとくに人気が高まりつつあるようです。
