この記事ではインターネットを始めるにあたってどのような回線契約や端末(PCのような機器)が必要なのか解説します。

端末と使い方と回線の相性例
インターネットの使い方と端末の種類とインターネット回線には相性のよしあしもあるように、回線選びは料金の安さを優先すればいいとは限りません。
インターネットの始め方
- ユーザーがインターネットに接続できる端末を用意(端末の種類は使い方を考慮しよう)
- 「居住地が提供エリアに入っている」を最低条件にしてユーザーはインターネット回線を選ぶ
- ユーザーがインターネット回線を申し込む(回線によっては工事が必要だから開通までに少し時間がかかる)
- 回線業者からインターネット利用に必要なルーター(中継器)やID・パスワードが渡される
- ルーターや端末の電源をONにする
- 端末のインターネット接続画面にID・パスワードを入力するとインターネットに接続できる
インターネット回線の支払いはクレジットカードが基本ですが、中には口座振替に対応している業者もあります。
タップできるもくじ
モバイルルーターとホームルーターと光回線の違い【インターネットの始め方】
そもそもインターネット回線とはインターネットに接続するための回線全般を意味します。それは固定電話でいうところの電話線みたいなもの。
これに関して、たとえばスマートフォンを買ってNTTドコモと契約すると通話やインターネットが使えるようになります。

携帯キャリアの基地局
スマホの場合、スマホユーザーに共通の設備である基地局を使って通信するため、スマホ本体以外は何もなくても基地局の圏内であれば無線でインターネットを利用できるのです。
これをモバイルデータ通信といいます。



上記には例外あり
しかし、スマホ以外の端末がインターネットに接続するには、端末に加えて何らかのインターネット回線を契約する必要があります。
現状の自宅にインターネット回線がなくて自宅でスマホ以外でもインターネットがしたいのなら、インターネット回線を導入しましょう。
インターネットを始めるのに必要なモノは大して多くありません。開通手続きはちょっと面倒な回線もありますけど。
※図書館やカフェなどに端末を持ち込むとインターネットに接続できるのは、その施設がインターネット回線をもっていて無料で使わせてくれるから。
※厳密にいうと今回の記事は例外や間違いもありますが、厳密な記述にするとわかりにくくなるため、わかりやすさを優先します。
参考記事
モバイルルーターとホームルーターと固定回線の違い【ネットを始めるには】
インターネットを始めるのにまず必要なモノは、パソコン、タブレット、スマートフォン、スマートスピーカーなどインターネットに接続できる端末です。
最近では「スマート家電」といって普通っぽく見える家電製品の中にもネットに接続して遠隔操作できるモノが増えています。
たとえば一人暮らしの人がタイマーを使わず外出先から家電のON/OFFを操作できるのは便利です。
まあインターネット接続時の端末の主体はパソコン、タブレット、スマホ、テレビですけど。
参考:ネットに接続できる製品もあれば接続できない製品もある(新しい製品は接続できる傾向あり)
- テレビ
- ゲーム機
- カーナビ
- ドライブレコーダー
- エアコン
- 冷蔵庫
- オーブン
- LED電球
- 鍵(スマートロック)
- 監視カメラ
- カーテン
- ルンバ(ロボット掃除機)
- 加湿器
商品説明のところに「スマート~」とか「Wi-Fi」といった表記があれば、それはインターネットに接続できる製品であるはず。

テレビのLANポート(LANケーブルの差込口)
※LANケーブルとはインターネットに有線で接続するためのケーブルのこと。
※最近のテレビはどれも基本的にインターネットに接続できます。具体的にはテレビのどこかにLANポートがついていればインターネット対応のテレビです。
以上の端末やケーブルは家電量販店にも売っていますが、そういう実店舗よりネット通販のほうが安いうえに選択肢が多いためネット通販で買うほうがおすすめ。
端末をネットに接続するためには回線が必要
スマホ以外の端末をインターネットに接続するには以下のどれかのインターネット回線が必要。
- ホームルーター、モバイルルーター、モバイルデータ通信
自宅外では無線であり、携帯電話会社の基地局を経由する
- 光回線、CATV回線
自宅外では有線であり(自宅内では無線化も可能)、携帯電話会社の基地局を経由しない
ネット回線の種類 | 特徴 | 必要なモノ | 月額料金の目安 | 通信速度 | 自宅外で使用 | 通信制限 |
光回線 | ・高速大容量通信 ・契約世帯内のみ使える ・スマホとのセット割あり ・定額制が多い ・同時接続台数が多い ・最低でも2年契約が向く |
・専用のコンセント ・ONU、モデム ・ルーター |
3000~6500円 | かなり速い | 不可 | ほぼなし |
CATV回線 (ケーブルテレビ回線) |
・速度は光回線より遅い ・契約世帯内のみ使える ・定額制が多い |
・専用のコンセント ・モデム ・ルーター |
3000~6000円 | 普通 | 不可 | ほぼなし |
↑有線を建物内に引き込む工事が必要だから集合住宅の場合は大家さんや管理会社の許可が必要 ↓建物外では無線であり工事は不要だからすぐに開通する |
||||||
ホームルーター | ・工事不要 ・契約世帯内のみ使える |
・ホームルーター本体 ・ごく普通のコンセント |
3000~6000円 | 普通~やや遅い | 不可 | あり なし |
モバイルルーター (ポケットWiFi) |
・工事不要 ・外部でも使える ・短期契約に向いている |
・モバイルルーター本体 ・残量がないときは充電器 |
2000~4000円 | やや遅い※ | 可能 | あり |
上記表の内容は盛りだくさんでわかりにくいところもありますから、このあと順番に解説していきます。
※それぞれのインターネット回線は新規契約時に1000~5000円くらいの事務手数料がかかります。
※インターネット回線にはほかにADSLやISDNもありますが、この2つはあと1年ちょっとでサービス終了になるため省略しました。
※契約解除料や工事費はキャンペーンによって実質無料になる場合があります。
※ホームルーターやモバイルルーターの提供エリアはスマホと同じで(スマホが圏内なら使える)、光回線の提供エリアはそれより少し狭いです。
※光回線は一戸建てよりもマンションプランのほうが安いですが、通信速度は一戸建てのほうが速い傾向があります。アパートは一戸建てプランとマンションプランのどちらも適用の可能性があります(アパートの構造によって変わる)。
端末と使い方とネット回線には相性がある
たとえば最近のテレビはインターネットに接続できますから、テレビにはパソコンと同じ画面を表示できます。
最近のテレビ画面はおよそ27~50インチが主流とまあまあ大きいですから、インターネットの使い方としてはメールやSNSより動画視聴が適しています。

PCモニターの主流サイズはノートなら14インチ前後、デスクトップなら23~27インチ。
そして動画はデータ通信量が大きいですから、いくつもの動画を快適に見るには高速で大容量、そして定額制(一定料金で使い放題)のネット回線が適しています。それが光回線というわけ。
オンラインでの会議や授業も動画の一種ですから、それらの利用が多い人にも光回線がいいですよ。


スマートテレビ(ネット接続が可能なテレビ)のリモコン
テレビを自宅に置かず、またPCモニターやスマホはテレビチューナーなしにすればNHKへ受信料を払う義務はなくなります。
端末と使い方とネット回線の相性表
端末の種類と使い方と回線の相性を表にすると以下のようになります。
端末の種類 | 向いている使い方 | ←の使い方と相性のいいインターネット回線 |
パソコン (物事を生産するのに適した端末) |
(↓大画面でなくても大丈夫) ・メールの作成と送受信 ・文章、資料、表計算をつくる ・プログラミング |
なんでもいい |
パソコン | (↓大画面や複数画面が適す) ・動画を見る ・絵、音楽、動画をつくる ・本格的なゲームをやる ・短期投資をやる ・動画のアップやダウンロード ・いくつかの作業を同時に行う ・複数名で見る |
・自宅なら光回線 (それ以外の回線だと遅延しやすいし通信制限がかかる) ・工事がイヤだったり光回線がエリア外ならホームルーター ・自宅外では各施設のWi-Fiかモバイルルーターかテザリング ・フリーWi-FiがイヤならLTEノートでモバイルデータ通信 |
スマホ (物事を消費するのに適した端末) |
(↓小さな画面でも大丈夫) ・1人で使う ・メールの作成と送受信 ・SNS ・簡単なゲーム ・カメラ撮影 ・決済 ・通話 |
・自宅外ならモバイルデータ通信か各施設のWi-Fi ・自宅だと選択肢はいろいろ |
テレビ (物事を消費するのに適した端末) |
・動画を迫力ある大画面で見る ・大人数で見る |
・光回線 |
タブレット (物事を消費するのに適した端末) |
・現業職で作業内容の共有と確認 ・動画や電子書籍を見る ・簡単なお絵描き ・音ゲー ・カーナビ ・自宅外でも使う ・寝ながら使う |
・自宅で動画をよく見るなら光回線 ・自宅外でよく使うならセルラーモデルでモバイルデータ通信 |

スマホやタブレットにキーボードはないから寝ながらでも見やすい



デスクトップPCは居間に置いて家族で共有するのもいい
ノートパソコン、タブレット、スマホ、テレビは無線でのインターネット接続が可能。

無線LAN子機
しかし、デスクトップパソコンだけは無線LAN子機という装置をつけないと有線でしかインターネットに接続できません。
固定回線を導入するには工事が必要
光回線やCATV回線を導入する際は、電信柱にかかっている線を自宅内に引き込む工事が必要です。これを固定回線といいます。
固定回線の開通工事では壁に少しの穴をあけるのが基本であるため、集合住宅だと大家さんや管理会社の許可も必要なのです。
住宅構造によっては特定の光回線を工事・導入できない場合があります。
固定回線のルーターやコンセントは業者が設置してくれる

ネットに接続できるコンセント

ルーター(中継器)の例
光回線やCATV回線を使う際に必要なコンセント類は、その工事をしたときに業者が設置してくれます。
最近の新築住宅(とくにマンション)では最初から光回線が工事済みで専用コンセントがついている例も結構あります。
またONU(変換装置)は事業者から無料で貸し出され、ルーターは無料で貸し出されるか自分で買うかがほとんどです。
光回線とCATV回線で迷う場合、光回線のほうがおすすめ。光回線のほうが通信速度が速くて安定しているからです。
世間一般でもCATV回線より光回線のほうが人気があります。
参考記事
有線で接続するならLANケーブルが必要
光回線やCATV回線は自宅外では有線ですが、自宅内では無線にもできます。
建物内で有線でインターネットに接続する場合、LANケーブルが必要です。LANケーブルの価格は400~1000円であるように安いです。
無線よりも有線でインターネットに接続するほうが通信速度は安定します。
自宅に光回線やCATV回線を導入するとスマホ料金を安くできる
冒頭でスマホは単体でもインターネットに接続できると述べました(=基地局経由の通信=モバイルデータ通信)。
しかし、たとえば自宅に光回線を導入するとスマホは光回線経由でインターネットに接続できます。
スマホはモバイルデータ通信だといわゆるギガ(データ通信量)を消費しますが、光回線経由での接続ならギガを消費しません。
これによってスマホの契約ギガは低くできますからスマホ料金は安くできるのです。
しかも一部の光回線事業者はスマホ料金とのセット割も実施していますよ。
ホームルーターは工事なしでお手軽

ホームルーターの例
ホームルーターは契約すると上記のようなホームルーター本体が業者から送られてきます。工事や充電器は必要ありません。
このホームルーターについている電源ケーブルを普通のコンセントに差し込むだけでインターネットが使えるようになります。
ホームルーターは契約・登録した世帯内でしか使っていけないという規約があります。
ホームルーターはお手軽にインターネットに接続できるだけあって、インターネット接続の速度や安定感は光回線に比べると低いです。
ホームルーターは通信速度が4Gと5Gとで違います(5Gのほうが速い)。
ホームルーターは、光回線の工事や解約に関する費用を避けたい世帯におすすめ。
光回線の工事費や解約料を安くするには、2年くらいは契約し続ける必要があります。つまり光回線は短期契約に向いていないのです。
ホームルーターの中でもドコモhome5Gは、5Gエリア内なら5Gの高速通信も利用できますしデータ通信量も無制限です。
月額料金は税込み4950円ですが、ドコモのスマホユーザーはスマホ料金が毎月最大1100円割引されます(ahamoは適用対象外)。
モバイルルーターは自宅外に持ち運べて使用できる
ホームルーターはコンセントさえ挿せば物理的にはどこでも使用できます。
しかし、ホームルーターは契約した建物内以外では使ってはいけないという規定があります。
光回線やCATV回線にしても工事や専用コンセントが必要であるように契約世帯内でしか使えません。
この点、モバイルルーターは通信速度が遅めですが自宅外にも自由に持ち運んで使えます。工事も必要ありません。
日本と海外の両方で使えるモバイルルーターも中にはありますよ。

モバイルルーターの例
モバイルルーターは持ち運びながら使えるように内蔵のバッテリーで駆動しますから、残量がないときは充電(充電器)が必要です。
モバイルルーターは自宅でのインターネット使用が少ない人におすすめ。
モバイルルーターの機器本体はレンタル扱いの場合が多いです(解約時は返却)。そのため機器を紛失したり盗まれたりすると1.5万円くらいの負担が請求される場合もあります。
通信制限の有無が違う
スマホのモバイルデータ通信、モバイルルーターには通信制限があります(ホームルーターは通信制限がある場合もない場合もある)。通信速度も光回線に比べると遅いですし安定感にも欠けます。
通信制限とはデータ通信量が契約していた内容を超えると通信速度が大きく下がること。
やはり無線系のインターネット回線はデータ通信量が限定的ですから、動画のアップロードやオンラインゲームのようなデータ通信量が大きいことをやる人には向いていません。
しかし、光回線やCATV回線といった固定回線(有線)はどれだけ使っても月額料金は一定という業者が多く、通信制限はほぼかかりません。

ゲームや動画のアップロードに適した高速ルーター
それぞれのインターネット回線が向いているユーザー層のまとめ
インターネット回線の種類 | 向いているユーザー層 |
光回線 | ・世帯人員が多い ・インターネットを自宅で長くやる ・端末の接続台数が多い ・引越しが少ない ・入居時点ですでに光回線設備がある ・オンラインで動画、会議、授業をよく見る ・動画のアップやダウンロードをよくする人 ・オンラインゲームをよくやる ・短期投資をやる人 |
CATV回線 (ケーブルテレビ回線) |
CATV回線を選ぶなら光回線がいい (光回線はCATV回線の上位互換) |
ホームルーター | ・光回線導入に伴う工事がイヤ ・引っ越しが多い ・自宅外ではスマホで十分 |
モバイルルーター | ・光回線導入に伴う工事がイヤ ・引っ越しが多い ・世帯人員が少ない ・自宅ではネットをあまりやらない ・ゲームはやらない(やるとしてもスマホで十分) ・自宅外でPCやタブレットをよく使う ・海外でも使いたい |
最後にパスワードを入力しよう
インターネットに接続できる端末とインターネット回線を用意すれば、それはインターネットに接続できる目前です。
そこまで来たら、それぞれのインターネット回線には業者から渡されたパスワードがついていますから、そのパスワードを端末に入力すればインターネットに接続できます。
インターネット回線の初期パスワードは大文字と小文字と数字が混じった複雑なモノが多いですから慎重に入力しましょう。
光回線の契約を迷う人へ
インターネット回線は自宅で使うなら光回線が最強です(光回線は高速・大容量・使い放題)。
しかし、光回線は月額料金が高めで工事費や契約解除料もかかる場合がありますから迷う人がいるのです。
光回線の契約に迷う人はまずはモバイルルーターを試してみるのがおすすめ。モバイルルーターで
モバイルルーターは工事不要であり、契約解除料が安い業者もありますから試すには適当だといえます。