パソコンメーカーの診断:
このページではパソコンメーカーの違い、あなたに合うパソコンメーカーの診断、そして大手メーカー各社の特徴をわかりやすく説明します。
パソコンメーカーの特徴を大まかに知ってあなたに合ったメーカーを選びましょう。
パソコンメーカーの違いを比較【特徴をつかんで選ぼう】
本体価格 | 有名機種 | 本国 | 工場 | サポート | カッコよさ | 種類 | カスタマイズ |
|
Lenovo (レノボ) |
安い | ThinkPad IdeaPad YOGA Legion |
中国 | 中国 山形 |
○ | ○ | ◎ | ▲~○ |
DELL (デル) |
安い | Inspiron XPS Alienware |
アメリカ | 中国 | ▲ | ○~◎ | ◎ | ○ |
HP (エイチピー) |
やや安い | Pavilion ENVY OMEN |
アメリカ | 東京 中国 |
▲ | ○~◎ | ◎ | ▲~○ |
ドスパラ | やや安い | GALLERIA | 日本 | 神奈川 | ○ | ▲~○ | ○ | ○~◎ |
マウスコンピューター | やや安い | mouse DAIV G-Tune |
日本 | 長野 | ◎ | ▲~○ | ◎ | ◎ |
ASUS (エイスース) |
やや安い | ZenBook | 台湾 | 中国 | ▲ | ○ | ◎ | ▲ |
Microsoft (マイクロソフト) |
やや高い | Surface | アメリカ | 中国 | ○ | ◎ | ○ | ▲~○ |
Apple (アップル) |
やや高い | MacBook iMac |
アメリカ | 中国 アメリカ |
○ | ◎ | ○ | ▲~○ |
NEC (エヌイーシー) |
やや高い | LAVIE | 日本 | 山形 | ○ | ▲~○ | ○ | ○ |
富士通 | やや高い | FMV ESPRIMO |
日本 | 島根 福島 |
○ | ▲~○ | ○ | ○ |
DynaBook (ダイナブック) |
やや高い | DynaBook | 日本 台湾 |
中国 | ○ | ▲~○ | ○ | ▲~○ |
VAIO (バイオ) |
高い | VAIO | 日本 | 長野 | ◎ | ○~◎ | ▲ | ○ |
Panasonic (パナソニック) |
高い | Let's note | 日本 | 兵庫 | ◎ | ▲ | ▲ | ○ |
※たとえばHPはアメリカ企業ですが日本法人を設立しており、日本市場向けPC工場は東京と中国にあります。こういう体制は他メーカーでもあります。
※工場とは日本市場向けのパソコンを生産している工場とお考えください。表中の記載カ所以外にも工場はあります。
※設計や研究みたいな製造前の重要業務はそのメーカーの本国で行っている場合が多いです。
※本体価格は性能を考慮しています。たとえばApple製品の価格は高いですが、性能も買取価格も高いため上記比較の中では真ん中くらいの水準としています。
※価格競争力は海外市場で売上上位にあるDELLとLenovoとHPが強いです。売上が多いとメーカーは部品を一度に大量に安く購入できますし、工場の稼働も効率的になるからです。
※プリインストールが少ないのはDELLとマウスコンピューターで、逆にプリインストールが多いのは富士通とNECです。ほかのメーカーはその中間くらいの水準である場合が多いです(その他外資は少なめ、その他国産は多め)。
※表中の種類(ラインナップの豊富さ)は、ノート、デスクトップ、ゲーミング、2in1パソコンのすべてを現在も生産していれば◎、そこから種類が欠けていると〇、▲となります。
やはりラインナップの分野でも世界規模で売上が上位にあるHPとDELLとLenovoが強いです。
※カッコよさは、世評、ロゴにあこがれるか(ブランド感があるか)、色が美しいかを総合的に評価しました。
※耐久性をメーカーごとに評価するのはかなり難しいため表の項目には入れませんでした。
パソコンメーカーの原則
- 大手メーカーのPCは販売数が多いから好評と悪評どちらも多数存在する(中小メーカーは好評も悪評も少ない)
- パソコンの使いやすさはメーカー単位で決まるのではなく、それぞれの機種に搭載されているCPUやグラフィックスといった部品スペックで決まる
- PC部品の規格は世界的に共通化しており、国産PCでさえも中身は米中韓・台湾メーカーの部品が多い(各PCメーカーは組立屋)
- 数あるPCメーカーの中でもAppleだけは部品もソフトも独自規格で価格も高いなどいろいろな意味で別格
- 初心者にとってはサポートが手厚いメーカーのほうが使いやすいが、サポートが手厚いメーカーのほうが新品価格は高い
パソコンメーカーのサポートは比較しにくい
さきほどの表でサポートは、対応する時間帯が長い、対応スタッフが日本人、Twitterでの評判がいいを満たしているほど高評価としています。
サポートは国産メーカーや日本国内拠点が優れている傾向があります。まあ対応スタッフが日本人だとしても不満をもつ日本人はいますけどね。
なおパソコンメーカーのサポートは以下のような要素もあるため比較しにくいです。
- 買った機種や場所によってサポート拠点が違うメーカーもある
- 購入後最初の数か月は日本拠点の対応で、そのあとの対応は海外というメーカーもある
- サポートは無料プランか有料プランかで内容が違う
- ユーザーによって感じ方が違う
- 電話応対、引き取り修理、訪問修理とで評価が違う
パソコンメーカーの優位性
パソコンメーカーの中でたとえばDELL製品は安くて有名ですが、すべての製品が安いわけではなくゲーミングデスクトップの価格はちょっと高めです。
このような傾向をまとめたのが以下の箇条書き。矢印の右側が他メーカーより相対的に優れている分野です。
- Lenovo標準スペックノート、ゲーミングノート
- DELL標準スペックのノートとデスクトップ、ゲーミングノート
- HP標準スペックのノートとデスクトップ、ゲーミングノート、ゲーミングデスクトップ
- ドスパラゲーミングノート、ゲーミングデスクトップ
- マウスコンピューターゲーミングデスクトップ、日本人が24時間サポート
- ASUSゲーミングノート
- Microsoft2in1PC(ノート⇔タブレットにも変形するPC)
- ApplemacOSを搭載できる唯一のメーカー、Apple製品同士の連携、高級ブランド感
- NEC、富士通日本だけに限定すると知名度と普及率は高い
- Dynabook
- VAIO高級感
- Panasonic耐久性、VGA端子や光学ドライブ搭載
- ドン・キホーテ、アイリスオーヤマOEM品(PCは他社に委託して生産してもらう)
パソコンメーカーの人気ランキングを整理
↑これは日本における中古市場のランキングであり個人取引が多いですから、あまり参考にならないかも。
現在ではSonyはVAIOになりましたが、中古市場ならSony製も手に入ります。
DELLやHPの人気が高いのは価格の安さが評価されているからでしょう。もしApple(Mac)やVAIOの価格が低かったら人気はもっと高いはず。
つまり、実際に売れている人気ランキングと、潜在的に欲しい人気ランキングは違うわけです。
- 世界的に有名かつ売上が多いレノボ、DELL、HP、Apple
- 世界一売れているノートパソコン機種AppleのMacBookシリーズ(トータルの売上台数ならレノボが世界一)
- 日本市場限定で有名かつ売上が多いNEC、富士通
- 日本の初心者や高齢者、公的機関に人気のメーカーNEC、富士通(日本の初心者や高齢者はパソコンメーカーはNECや富士通くらいしか知らない)(日本の公的機関は税金で運営されているから国産を買いたがる)
- 中級者~上級者に人気のメーカーレノボ、DELL、HP、Apple
- 本体価格が安いレノボ、DELL、マウスコンピューター、HP
- 現在、スマホも生産Apple、レノボ、ASUS、富士通(HPやDELLなどはスマホから撤退)
- 中古市場での流通量が多いNEC、富士通(日本の法人PCはNECや富士通が多く、それは壊れる前に一括更新するため中古市場に流通しやすい)
- 耐久性も価格も高いPanasonic、VAIO
- カッコよくてブランド感があるApple、Microsoft、VAIO
- スマホも生産Apple、ASUS、FCNT(富士通系)
- グレア液晶ばかりApple、Microsoft
- ゲーミングPC(ノートもデスクトップも)も発売しているメーカーレノボ、DELL、マウスコンピューター、HP、ASUS
- ChromeBookを発売しているメーカー(ChromeBookは要注意の機種)レノボ、HP、ASUS、acer、富士通
- 初心者向けプリインストールソフトがある(少し後で解説)NEC、富士通、Dynabook
- (番外編)すでにPC事業から撤退したおもなメーカー三菱電機、日立、東芝、シャープ、キヤノン、オンキヨー、三洋電機、カシオ、ソニー(VAIOへ)、コンパック、IBM
NEC、富士通、Dynabookは初心者向けメーカーか
ここで初心者向けプリインストールソフトについて補足をします。
NEC、富士通、Dynabookの個人向け新品パソコンには、上記のような初心者向け操作マニュアルソフトがプリインストールされています。
初心者向け操作マニュアルソフトは法人向けパソコンには入っていないのが普通。
初心者向け操作マニュアルソフトではユーザーがやりたいことに合わせて使うべきサービス・ソフトを教えてくれるのです。
これは自転車でいうと補助輪、スマホでいうと「らくらくホン」みたいな存在です。
でも、初心者向けマニュアルソフトは「PCなんて1ミリもわからない」という初心者には役立っても「スマホ操作はできるけどPCは初めて」という初心者には不要。
もし「初心者向け」という観点でパソコンメーカーを選ぶのなら、日本人がサポートしてくれるメーカーにするのがおすすめです。
国産メーカーやレノボはサポート拠点が日本国内です。
パソコンメーカーの診断チャートと選び方のコツ
上記診断およびパソコンメーカーの選び方の中で最も気をつけるべきはAppleを選ぶか否か。
Appleがつくるパソコン(Mac)は部品も操作性も独自性がかなり高いからです。
それもそのはず、MacのOS(基本ソフト)だけはmacOSという独自のものだから。
そしてApple以外のメーカーのパソコンのOSはほぼすべてWindows。
OSが違うと基本的な操作性やキーボードも変わってきます。これはスマホでいうiPhoneとAndroidの違いに近いです。
世界中にあるパソコンメーカーの中でAppleだけはいろんな意味で別格だと覚えておきましょう。
たとえば富士通のWindowsパソコンとNECのWindowsパソコンなら、OSが同じである以上、操作性は大して変わりありません。
Appleのパソコン(=Mac)の特徴:独自性とスペックが高い
本国 | 工場 | 価格 | サポート | カッコよさ | 種類 | カスタマイズ |
アメリカ | 中国 アメリカ |
やや高い | ○ | ◎ | ○ | ▲~○ |
Appleのパソコンの特徴
- 世界的な大企業だが、ラインナップはさほど多くない(Appleが自信をもっておすすめできる少品種に絞っている)
- 中国工場が主力だが、アメリカ本土にも工場がある
- 日本の企業や役所ではMacは少ない
- OSやCPUも自社で設計しているように独自性が高い
- 価格も性能も高い
- パソコンの見た目とフォントがカッコイイ
- 熱狂的なファンがいる
- ゲームやフリーソフトへの対応数が少ない(Appleはゲーミングパソコンをつくっていない)
- Apple製品同士の連携が強い
- デザイナー、音楽家、プログラマーなどに向いている
- 基本的にボディ(外枠・筐体)の材質はアルミ
- 画面の解像度とスピーカーの音質が高い
Macはクリエイター(デザイナー、音楽家、プログラマー)に向いているため、クリエイターではない人はMac以外を選ぶのがおすすめ。
↑はWindows系パソコンのスペックの序列。
しかし、Macの性能は標準より少し高い~高性能にあてはまるものばかりであってWindows系パソコンでいう低性能~標準性能にあたるパソコンは発売していません。
Macは基準が高いのです。
Macの特徴、WindowsとMacの違いは長文になるため詳しくは下の記事で紹介しています。
Windows系パソコンは安いメーカーがおすすめ
次にWindows系のパソコンを選ぶ際は、価格が安い~やや安いメーカーのうち、スペックやデザインがあなたに合ったところを選ぶのがおすすめ。
「国産メーカーと外資系メーカーじゃ国産のほうがよさそう」と考える人もいるでしょう。
しかし、Windows系のパソコンは主要部品(CPU、メモリ、ストレージ、マザーボード)がどれも同じ部品メーカーの同じような部品でできています。
パソコンメーカーは違ってもパソコン内部の部品メーカーは同じなのですから、ある程度安いメーカーを選んだほうがお得なのです。
レノボの特徴:価格の安さで世界中に浸透
ここから先はWindows系のパソコンメーカーを個別に紹介していきます。
まずは中国(香港)のLenovo(レノボ、聯想集団)について。
もともとレノボは中国の研究員が設立した企業で、2004年にIBM(米国のIT系大企業)のPC部門を買収したことで世界市場のシェアでトップクラスに上り詰めました。
本国 | 工場 | 価格 | サポート | カッコよさ | 種類 | カスタマイズ |
中国 | 中国・山形 | 安い | ○ | ○ | ◎ | ▲~○ |
- 近年における世界でのパソコン売上はトップクラス
- 価格が安くて有名
- NECや富士通のパソコン事業はレノボ傘下
- 在庫が売り切れたと思ったら数日で復活する場合があるなど在庫を過大にもちたがらない(ほかのメーカーでも同じ現象はあるがレノボはとくに顕著)
- レノボの一部モデルはNECの米沢事業場(山形県米沢市)でも生産されている
- 日本法人と日本語サイトをもっており、サポートはNECと共同で日本国内で対応
- レノボのパソコンはNECとの共通部品がある
- デザインは普通よりちょっといいくらいだが、色の選択肢がグレー系やブラック系に偏っているのが残念
- 機種ラインナップの幅は広い
- カスタマイズの項目数は普通
- 納期は即納モデルなら早いが、そうでないならやや遅い
パソコンメーカーの大型セールといえば決算期や夏冬のボーナス期に行うのが普通ですが、レノボのパソコンはいつもセール価格と言っていいくらい安いです。
- ThinkPadIBMというアメリカの大企業から受け継がれた超有名機種で中年にとってはブランド感があるし、キーストロークの深さに定評がある
- YOGA軽さと薄さと耐久性に力を入れたシリーズ
- IdeaPadコスパの高さに定評あるシリーズ
- LegionゲーミングPCシリーズ
中国企業で価格が安いと不安になる人もいるでしょうが、レノボのパソコンは中国以外でも売れまくっています。
そのうえ日本のNECと富士通のパソコン事業はレノボ傘下となっていて、山形県米沢市にあるNEC工場ではレノボの一部モデルが生産されています。
NECや富士通のパソコンは日本の役所や金融機関でも多く使われていますが、レノボが怪しいとNECや富士通のパソコンまでも怪しいことになってしまいます。
そのため、レノボがNECと富士通のパソコン事業を傘下にしていることは大きな信頼指標になります。
DELLの特徴:高いコスパとラインナップで世界上位
本国 | 工場 | 価格 | サポート | カッコよさ | 種類 | カスタマイズ |
アメリカ | 中国 | 安い | ▲ | ○~◎ | ◎ | ○ |
- 価格が安くて有名(とくにノートパソコンが安いが、ゲーミングデスクトップは普通価格)
- 家電量販店での取り扱いを増やしつつある
- 納期は即納モデルなら約1~3日、受注生産モデルなら約2~4週間が目安
- 商品のラインナップの幅が広い
- カスタマイズ性が高い
- デザインは良化している(とくにXPSはかっこいい)
- デスクトップモニターの評判はなかなかいい
- 個人へのサポート拠点は基本的に中国だが、別料金を支払うと日本拠点でも対応してくれる
- AI事業やサーバー事業にも進出する総合テクノロジー企業でもある
DELLはもともとアメリカの大企業ですが、日本法人としてデル・テクノロジーズ株式会社も設立しています。
そして日本市場向けのパソコンはおもに中国で受注生産しています。受注生産品は中国で生産しているだけに納期は長くなりがち。
販路としてはDELLのパソコンは家電量販店では売っている数は少なくメーカー直販が主体となっています。
DELLは価格が安いことで有名ですが、高性能・高価格のゲーミングパソコンも生産しています。
- Inspironコスパに優れる大衆向けシリーズ(ノートは安いだけあって少したわみます)
- XPSベゼルや本体厚が薄くてかっこいい、標準スペックより少し上のシリーズ
- DELL G、ALIENWAREゲーミングPC
- Latitude法人向けノートパソコン
- Vostro法人向けシリーズ
- OptiPlex法人向けデスクトップ
- Precisionワークステーション
有名なYouTuberであるHIKAKINさんはDELLのALIENWARE(デスクトップとノート)の最高級スペックを使ってゲームをしています。
ちなみにHIKAKINさんの動画編集用パソコンはMac Proですが。
昔のDELLのパソコンのデザインは無骨で魅力に欠けましたが、最近ではデザインの魅力もかなり上がりました。
とくにノートパソコンのカラーは以下のように多様です。
- スノーフレーク(白とグレーの中間)
- アクセントブラック(淡い黒)
- クオリーブルー(淡い青)
- ソフトミント(白に近いミント色)
- ピーチダスト(赤と黒の中間)
ハッキリとした青や赤ではなく、淡い色に抑えているところにセンスがあると感じます。
DELLの日本人向けサポートは基本的には中国と宮崎県にあるカスタマーセンターが対応しています。
普通の個人ユーザーには中国人が対応しますが、個人でも別料金を支払うと日本拠点が対応してくれます。
DELLのパソコンには上のようなサービスタグ(製品識別タグ)がついており、それをもとにして素早く対処するという仕組みになっています。
サポートの満足度はサポートのプランによって違うため一概にいえませんが、近年では上昇傾向にあります。
HPの特徴:ビジネス向けに定評のある世界大手
本国 | 工場 | 価格 | サポート | カッコよさ | 種類 | カスタマイズ |
アメリカ | 東京・中国 | やや安い | ▲ | 〇~◎ | ◎ | ▲~○ |
- 売上は世界トップクラス
- 価格はDELLやレノボに準ずるレベルの安さ(ゲーミングPCが安い)
- 週末限定セールや不定期開催セールが安い
- 東京都日野市や中国に工場がある
- 外観のかっこよさと音響に定評あり
- 14インチ以下のノートPCのキー配列は好みがわかれる
- 生産品目はかなり多い
- LTE対応ノートがまあまあ多い
- サポート対応は中国と日本
- ハード面でもソフト面でもセキュリティ対策に力を入れている
- 独自のプリインストールソフトには賛否両論あり
- ブライトビュー(グレア、光沢液晶)製品もそれなりに生産している
もともとHP(ヒューレットパッカード)はアメリカ企業ですが、日本市場向けのパソコン製造・販売は日本HP(にほんエイチピー)が担っています。
日本HPのパソコンはおもに東京都と中国で生産しています。
東京は賃金が高い地域ですからHPのパソコンもさぞかし高いと思いきや、HPはDELLやレノボに準ずるレベルの価格を実現しています。
現在HPのパソコンは世界170カ国以上で使われているように売上ランキングは世界トップクラスです。
HPは世界的な大企業だけにゲーミングPCや2in1モデルに加えてプリンターやモニターも発売するなど幅広いラインナップです。
昔の日本企業はNECか富士通のパソコンを使う率が高かったのですが、最近ではHPやDELLのパソコンを使う企業も増えてきました。
HPの個人向けパソコン
- Pavilionコスパに優れるスタンダードPC
- ENVYクリエイター向け
- Spectre個人向け最上位モデル、薄型・軽量・上質なデザインを軸とするかっこいいシリーズ
- OMENガチゲーマー向け
- Victusライトゲーマー向け
HPの法人向けパソコン(個人購入も可)
- Zシリーズワークステーション(研究やアニメ制作)
- Eliteシリーズとくにセキュリティが高くて高価なシリーズ
- ProシリーズEliteシリーズとHPシリーズの中間に位置付けられる
- HPシリーズ低価格のシリーズ
HPはWindows系のパソコンの中では見た目がカッコよくて有名。中には期間限定カラーもあります。
たとえば木目調やピンクといった珍しい色のノートパソコンを発売したように攻めの姿勢が感じられます。
マウスコンピューターの特徴:国産メーカーの中では安くてシェア上昇中
本国 | 工場 | 価格 | サポート | カッコよさ | 種類 | カスタマイズ |
日本 | 長野 | やや安い | ◎ | ▲~〇 | ◎ | ◎ |
- 社名は人間とPCの接点になってきたマウス(周辺機器)にちなんだもの
- 親会社はMCJという日本の東証スタンダード上場企業
- MCJの子会社としてマウスコンピューター、モニターで有名なiiyama、実店舗も構えるパソコン工房などがある
- MicrosoftからOEM認定を受けている
- サポートは日本国内のスタッフが24時間365日にわたって丁寧に対応
- 修理を受け付けてからの返送が早い
- 直営の実店舗も少しあり価格は同じ(たまに実店舗独自のセール品もある)
- ネット通販による受注生産が主体
- 受注生産主体の割に納期はあまり長くない(通常では4営業日で出荷が目安だが、デスクトップはそれより待つ)
- デスクトップのカスタマイズが豊富
- 価格はレノボやDELLに準ずるレベルの安さ
- ノートパソコンの色やサイズの選択肢は少し物足りない
- ノートパソコンのバッテリーは取り外しやすい着脱タイプがある
- マツコ・デラックスさん、ホラン千秋さん、乃木坂46が宣伝していたことでも有名
- 「ある程度安いPCがいいけれども、外資系メーカーのサポートは不安」という人におすすめ
マウスコンピューターの本社は東京都、組立は長野県飯山市、コールセンターは埼玉県と鳥取県、修理は埼玉県。部品製造以外はほぼ日本拠点です。
サポートは24時間365日にわたって対応しており丁寧さに定評がありますが、電話がつながりにくい時間帯もある点にはご注意を。
ゲーミングパソコンやクリエイター向けのハイスペックモデルも生産していますが、外観色の選択肢が少ないのがちょっと残念です。
- mouse(マウス)一般向け
- MousePro(マウスプロ)ビジネス向け
- DAIV(ダイブ)クリエイター向け
- G-TUNE(ジーチューン)、NEXTGEAR(ネクストギア)おもにゲーマー向け
マウスコンピューターは価格はまあまあ安くて品質とサポートが安定しているため、私がおすすめしているメーカーの一つです。
マウスコンピューターをもっと知りたい人は、メーカー公式サイトを見る前にメーカーによるプロモーションビデオを見るといいですよ。
信州(長野県)で丁寧に生産していることがわかります。
ASUSの特徴:台湾発の成長途上メーカー
本国 | 工場 | 価格 | サポート | カッコよさ | 種類 | カスタマイズ |
台湾 | 中国 | やや安い | ▲ | ○ | ◎ | ▲ |
- 台湾企業であり主力工場は中国本土
- PC完成品の売上シェアは世界では6番手くらい
- マザーボードのシェアおよび評価が世界的に高い
- 価格はDELLやレノボに準ずるレベルの安さ
- ラインナップの幅は広いが、カスタマイズは色くらいしか選べない
- デュアルディスプレイのノートPC、折り曲げディスプレイのノートPCなど変わった機種も発売している
- 『新世紀エヴァンゲリオン』『ガンダム』とコラボした限定モデルを発売したことがある
- 日本ではサポートの評判はいま一つ
ASUS(エイスース)は台湾企業であり、日本法人としてASUS JAPAN株式会社も設立しています。
ASUSはパソコン本体だけでなくマザーボードに強みをもっていることでも知られています。
ASUS以外のメーカーのパソコンにASUS製マザーボードが組み込まれていることも多くあります。
AmazonではASUS製のベアボーンが売られているのも見かけます。
ベアボーンとは半完成品としてのパソコンのこと。OS、メモリ、ストレージなどはユーザー自身で取り付けます。
ASUSのサポートはまだ成長途上。
価格はまあまあ安いのですが、品質やサポートも考えるとレノボやマウスコンピューターのほうがおすすめです。
Microsoftの特徴:若い男性に人気あり
本国 | 工場 | 価格 | サポート | カッコよさ | 種類 | カスタマイズ |
アメリカ | 中国 | やや高い | ○ | ◎ | ○ | ▲~○ |
- もともとソフトウェアに強みをもつ会社だったが21世紀ではハードウェアにも力を入れている
- PCに搭載するCPUについて従来はインテル主体だったが、2024年からはクアルコムのSnapdragonシリーズを主体にしている
- 見た目も梱包もAppleのMacBookへの対抗意識が随所に見られる
- 男子大学生~若手男性ビジネスパーソンに人気がある
- デスクトップは高級スペックばかり
- とくに2in1パソコンが有名
- 本体の厚さが薄いノートパソコンや2in1パソコンはカッコイイが、排熱はあまりよくない
- モニターはグレア(光沢処理)ばかり
- タッチパネルとペンの精度の高さに定評がある
- Microsoftはキーボード、マウス、ペンも積極的に供給するなど周辺機器も含めて「Microsoft純正」にこだわる
- 返品期限が60日というのは他メーカーよりもかなり長い
- MicrosoftだけにMicrosoft Officeが標準搭載されている
- 実店舗での取り扱いが増えている
MicrosoftといえばWindowsやOfficeというソフトで有名。
21世紀では「Surface」というブランド名でパソコン(ハードウェア)の開発・販売も行っています。
その意味ではMicrosoftがつくるPCはWindowsの純正PCともいえますが、CPU、メモリ、ストレージなど主要部品は他メーカーから調達しています。これは他メーカーと同じ。
Windows系のパソコンで外資系メーカーといえば安いのが普通ですが、例外的にMicrosoftがつくるパソコンは高くて有名。
価格が高い理由としては、Microsoft Office搭載、タッチパネル対応、高いブランド感、音質や解像度も高いなどが挙げられます。
一体型デスクトップは高級スペックであり、プロ級の絵を描く人に向いています。
NECと富士通の共通した特徴:レノボ傘下の割に高くて有名
NECと富士通は別の企業ですが、パソコンの特徴に関してはかなり似ているのでまとめて記します。
※富士通のパソコンはFMV(富士通・マイコン・V)、NECのパソコンはLAVIE(生命)というブランド名でもおなじみです。
本国 | 工場 | 価格 | サポート | カッコよさ | 種類 | カスタマイズ |
|
NEC | 日本 | 山形 | やや高い | ○ | ▲~〇 | ○ | ○ |
富士通 | 日本 | 島根・福島 | やや高い | ○ | ▲~〇 | ○ | ○ |
- 両社とも母体は日本の東証プライム上場企業だが、パソコン製造はその中の分社・合弁会社が担っている
- パソコン事業は中国レノボ傘下
- パソコンの中身はレノボと大して変わらないのに(共通部品あり)レノボより明らかに価格が高い
- グループ全体としては、個人向けハードウェアよりもインフラや業務用システムなどに力を入れている
- 家電量販店での取り扱い率がかなり高い
- 日本では売れているが、海外では売れていない(昔は海外でも売れていた)
- 日本では知名度が高く、それを武器にPC知識のない日本の初心者や高齢者、そして役所や公立学校にPCを売ることが得意
- PC中級~上級者からは人気がない
- サイズの割に軽いモデルが多い(日本人向けマーケティング)
- 中古市場に法人モデルが大量に出回っている
- プリインストールが多い
- 個人向けPCには初心者向け操作マニュアルソフトが入っている場合が多い(法人向けには入っていない)
- 紙製説明書が厚くて丁寧
- 系列企業とともにITシステムも手掛けている
- Core i7とメモリ4GBとHDDを組み合わせたモデルを発売している(スペックのバランスが疑問)
(↑パソコン業界の普通の感覚ではCore i7ならメモリ16GB以上とSSDを組み合わせる)
NECと富士通のパソコンは日本国内ではパソコン知識のない人にも知名度が高いため、初心者が買いたがる傾向にあります。
中古市場においては富士通とNECの法人モデルが大量に売られており、その中にはお買い得なのもあります。
法人モデルはプリインストールが少ないです。
NECや富士通のパソコンが日本国内のお硬い企業や役所から人気があります。
やはり法人のコンピュータは数十~数百台単位での安定稼働が命であり、彼らは法人向けの保守やサポートに定評があるからです。
また昔のNECのパソコンは世界的に輝いていたため、中高年の法人幹部は未だにそれを信頼しているのだと思います。
それに日本の役所や公立校が海外メーカーのパソコンを導入しようとすると「日本の税金を使ってパソコンを買うなら日本企業のパソコンを買え」と反発されます。
そのため、日本の役所や公立学校は国産メーカーのパソコンばかり買っています。国産パソコンであっても中の部品やソフトは海外製だらけなんですけどね。
Dynabookの特徴:多くの項目で普通感が強い
本国 | 工場 | 価格 | サポート | カッコよさ | 種類 | カスタマイズ |
日本 | 中国 | やや高い | ○ | ▲~○ | ○ | ▲~○ |
- もともとは東芝系の会社だったが現在はシャープの子会社(そのシャープは台湾の鴻海傘下)
- 中国の杭州で生産
- ビジネス系高級機が中心だがVAIOほどのブランド感はない
- サイズの割に重量が軽めのノートパソコンが多い
- 指紋認証の搭載率が高め
- プリインストールはやや多い
- デスクトップのラインナップは少ない
- ゲーミングPCの生産はない
Dynabookはビジネス向けノートパソコンに力を入れています。サイズの割に重量は軽いタイプが多いです。
基本的にDynabookは価格が高め。
それでVAIOのような高級感があったり、レッツノートのような特殊感があるならいいですが、そういう高級感や特殊感には欠けます。
私がPC購入について潤沢な予算をもっているなら他メーカーを選びます。
VAIOの特徴:Sonyを源流とする高級メーカー
本国 | 工場 | 価格 | サポート | カッコよさ | 種類 | カスタマイズ |
日本 | 長野 | 高い | ◎ | 〇~◎ | ▲ | ○ |
- もともとはソニーのパソコンブランドだったが再編された会社
- ソニー時代から熱心なファンがいる
- 価格は高いのが基本だが、約8万円から買えるシリーズも一部にある
- 筐体(ケース)に対する耐久性テストの厳しさが有名
- ノートパソコン本体の厚さは薄め
- 光学ドライブやVGA端子がついている機種もある
- LTE対応ノートが多い
- パソコンの見た目はかっこいい
- 現在はデスクトップやゲーミングパソコンを生産していない
VAIOの方針もPanasonicと似ていて国産高級志向です。
高い耐久性を維持する品質管理に定評がありますが、そうはいっても値段の高さが目立ちます。
VAIOはソニー時代から受け継がれたロゴと本体のカッコよさにも定評があります。
耐久性の高いビジネス向けノートパソコンはもとめている方はどうぞ。
Panasonicの特徴:耐久性と価格の高さで有名な高級メーカー
本国 | 工場 | 価格 | サポート | カッコよさ | 種類 | カスタマイズ |
日本 | 兵庫 | 高い | ◎ | ▲ | ▲ | ○ |
- 価格はかなり高い
- ノートパソコン本体が厚くて耐久性が高く、その割には重くない
- パソコンの見た目はあまりかっこよくない
- 現在はデスクトップやゲーミングパソコンを生産していない
- 12~12.1インチという他社があまり力を入れていないサイズに力を入れている
- バッテリーの駆動時間が長い
- キーストロークが深い
- 光学ドライブがついている(ついていないモデルもある)
- 端子が多い(とくにVGA端子がついている)
- バッテリーが簡単に交換できる構造になっている
- ビジネス向けだからか、スピーカー経由の音量は小さいし音質はあまりよくない
Panasonicのノートパソコンであるレッツノートは厚みがあるように耐久性が高くて有名です。現代のノートパソコンのトレンドは薄型なのに。
レッツノートはパナソニック自ら公式サイトで「高額」と宣伝・表現しているほど価格が高くて有名です。
レッツノートはVGA端子があったり、バッテリーは駆動時間が長くて着脱式になっているなど珍しい特徴があります。
古い設備にはHDMI端子はついていませんから、そこをまわる営業マンや教育関係者にとってはVGA端子がついているノートパソコンのほうが都合がいいのです。
基本的にビジネス向きのノートパソコンであるため音質やカッコよさは軽視されている感じです。
一部の中古店は法人から買い取ったレッツノートを安く販売しています。
新品だと20~35万とかなり高いため、個人は中古に賭けてみるべきかも。
国産メーカーと海外メーカーの違いは別記事
パソコンメーカーの紹介はここまでです。
なお国産メーカーと海外メーカーの違いは別記事で解説しています。
国産メーカーのパソコンには海外産の部品やソフトが多く搭載されているんですよ。