そもそも光回線は有線型のインターネット回線(自宅内では無線にできる)。
したがって、光回線経由でインターネットを使い始めるには光ファイバーという有線と、それを支える電信柱が必要です。
自宅のすぐそばに光ファイバーが敷設されていないと光ファイバーを自宅に引き込んで利用開始できません(大都市や一部の地域では地下埋設の場合あり)。
そのため、光回線の契約を検討している人はまずNTT東日本・NTT西日本などの公式サイトで自宅が提供エリア内に入っているかを確認します。
参考記事
言い換えると光ファイバーが敷設されていない地域では光回線を使えないのです。
今回は光回線の普及率と光回線がない場合の対処法について解説します。
タップできるもくじ
光回線が来ない?【アメリカの普及率も解説】
光回線が普及しやすい国の条件
- 経済力が高い(光ファイバーの整備にはお金がかかるから)
- 国土が広くない(国土が広いと人口過疎地域に光ファイバーを整備するのは割に合わない)
- パソコンも普及している(スマホは基地局だけでもネット接続できるが、パソコンには光回線が欲しいところ)
- 国民が光回線の普及要望を出している
日本は基本的に以上4つの条件についておおむね当てはまっている国ですから、光回線の普及率は高いです。
アジアの中では韓国や台湾も光回線の普及率が高め。シンガポールや香港のような経済力の高い小国はとくに普及率が高いです。
日本で光回線が普及していないのは離島、山間部、平野部で家と家の距離が広い地域です。
光回線が来ない(整備されない)理由
- 田舎に光回線を整備するのは経済効率がよくないから(とくに山奥や離島は効率が悪い)
- あまり田舎度は高くない地域なのに運悪く空白地帯になってしまった(そのエリアの何世帯もが申し出れば整備される可能性あり)
- 基本的に都会の人はせっかちだが、田舎の人はのんびりしている傾向があるため高速のネット回線をもとめない
- ネット回線は混雑している地域や時間帯ほど通信速度が遅くなるが、田舎は人口が少ないためいつどこでもそれなりに速いから、そこまで速さをもとめない
参考:光回線が契約できない理由の候補
- 提供エリア外である
- 建物や周辺環境に問題がある
- 集合住宅の場合、大家さんや管理会社が許可しない
参考:独裁国でネット回線が整備されない理由の候補
- お金がない
- 国民に海外の情報が知られると不都合だから独裁政権としてはネット回線を整備したくない
田舎の光回線普及率が低い理由
光回線の整備事業者としては一軒一軒の住宅・法人ビルの密度が狭い地域のほうが収益率が高いですから、都会を中心に積極的に整備したくなるのです。
逆に田舎は一軒あたりの面積が広いうえに、となりの建物との間隔が広いですから収益率は悪いです。
光回線の整備には公益性があるとはいえ、それでも山奥とか人口の少ない離島は光回線の整備率は厳しいといえます。
とくに離島だと海底ケーブルで本土とつなぐ必要がありますし、離島は基本的に人口密度が低いですから未整備率が高め。
具体的に総務省統計によると光回線の世帯カバー率(人口カバー率、整備率)は2020年3月末で99.1%ですが、離島が多くて有名な長崎県のカバー率は約92%と日本の中では低いです。
まあ、それは光回線の整備率であって光回線の利用率は40~65%ですけど(地域差がある)。
アメリカの光回線普及率が低い理由
アメリカは経済力が高くてパソコンも普及しているものの、人口の割に国土面積がかなり広いため大都市圏以外に光ファイバーを普及させるのは難しいといえます。
アメリカは世界で初めてインターネットやパソコンを本格的に実用化し始め、現在ではインターネットやパソコンの分野で世界的な大企業が集中しているというのに。
アメリカのインターネット回線は今でもADSL(電話回線系)やケーブルテレビなど日本では廃れつつあるネット回線も使っているのが現状なのです。
アメリカの国土面積は日本の約25倍(アラスカやハワイをのぞく)。
アメリカの総人口は約3.4億人、日本の総人口は約1.2億人。アメリカの人口密度はかなり低いのです。
都会の密度は通信速度の遅さにつながる
田舎は田舎でも日本では村・町役場や大きめの商店がある地帯では光回線が意外と整備されています。
ちなみに私はかつて四国や北海道の田舎に少し住んでいた時期があり、そこの人々はのんびりとしていたことが記憶に残っています。
一方、東京、神奈川、大阪の人は歩く速度が速いという統計もあるように基本的にせっかち。
田舎の人たちはスーパーでレジを待つ際はのんびりしていますが、都会だと少しでも待っている人数が少ないレジ列に並ぼうとする人が多いです。
田舎と都会の気質の違いに加えて、そもそもインターネット回線は混んでいる地域や時間帯ほど通信速度が遅くなる性質があります。
田舎は閑散としていますからネット回線の混雑はほぼ無縁ですが、都会では(とくにマンションでは)ネット回線の混雑は切実な問題です。
光回線がエリア内なのに開通工事ができない理由
光回線は提供エリア内なのに、河川や国道をまたぐ工事が必要な場合は導入できない場合もあります。
ほかにもマンションやアパートだと管理会社や大家さんが許可しないために導入できないもあります。
集合住宅の光回線は共有設備にまず集約して、そこから各部屋に配線するという仕組みになっていますから、おおもとの許可が必要なのです。
エリア拡大の予定・要望
人口や建物がある割にたまたまエリア外になってしまった地域も一部にあるでしょう。
そういう場合、役所とともにNTTに申し出れば光回線が整備される可能性もあります。
山奥や離島でなくて人口が一定数いれば整備される見込みはあります。
まあ仮に承諾されたとしても敷設までには時間がかかりそうですが。
光回線がエリア外の人はどうすればいいのか
それでも光回線がエリア外なら以下の手段を検討しましょう。
- モバイルルーター
- ホームルーター
- スマホのテザリング
- 人工衛星(スターリンク)
以上は携帯キャリアの基地局を使用しますから、光回線とはエリアがズレています。
光回線がエリア内のところへ引っ越すという手もありますけどね。
スターリンクという特殊な無線回線
スターリンク(Starlink)とはアメリカの民間企業スペースX社が運用している人工衛星のこと。
スターリンクは世界トップクラスの金持ちでもあるイーロン・マスク氏が経営していることでも有名。
このスターリンクが地上へと電波を飛ばし、それを地上のアンテナで受けることでインターネットに接続できます。
基地局がない山奥や大海原、離島、そして天災や戦争が起きて既存インフラが壊れたエリアでもネットが使えるのは大きいですね(一部エリア外あり)。
スターリンクの月額料金は7000~10000円くらいで、初期費用は4万円くらい。
通信速度はモバイルデータ通信の4Gくらいが目安ですが、人工衛星の特性上、よくも悪くも使うエリアや時間帯によって速度の幅が大きいです。
スターリンクは日本ではKDDI経由で契約できます。全世界のスターリンク契約者数は100万人に達したというニュースもありました。