世の中には2種類の屋根裏があります。
一つは配線の通り道や物置きスペースになるばかりで普段はその家の人間が長く滞在しないタイプの狭い屋根裏。
もう一つはいわゆるロフトのように寝床にしたりパソコンを置いて仕事部屋にしたりと、人間がそれなりに長い時間を過ごせるスペースとしての屋根裏です。
今回は屋根裏と光回線の関係、そして壁内配線について解説します。
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光回線の屋根裏と壁内配線の事情
そもそも光回線は電信柱に架かっている光ファイバーと自宅の外壁を接続して宅内に取り込むのが基本です。
このとき既存の電話回線やエアコンの配管を利用して光ファイバーを引き込むと、外壁に新たに穴をあけずに済むというわけ。
やはり自宅の外壁に新しく穴をあけるのはイヤですから、穴をあけて引き込むのは最終手段になりやすいです。
外壁に穴をあけると宅内配線の長さは短くしやすいのですが、まあそうも言ってられないことも多いでしょう。
で、そうやって引き込んだ外壁のすぐ内側(宅内)が屋根裏だとしたら、屋根裏を経由して宅内に配線したり、屋根裏部屋に光コンセントを設置するわけです。
光ファイバーを引き込む場所で多いのは、上記のような外壁が垂直になっていて電話配管がある部分です。
ONUについて
光コンセントの近くにはONU(終端装置、ホームゲートウェイ)を設置する場合が多いです。
ONUは基本的に光回線業者から借りるモノ。
最近ではONUが無線LANルーターの機能ももっているタイプもあります。
光コンセントは家の中心に設置するのが基本
ここで重要なのは光コンセントは家の中心近くに設置する場合が多いということ。
「家の中心じゃないと絶対にダメ」というわけではないのですが、光コンセントの近くに無線LANルーターを設置してWi-Fiを飛ばすと球状に広がる以上、光コンセントは家の中心部に設置してもらうのが効率的というわけ。
光コンセントは家の中心(リビングルーム)、固定電話が設置してある部屋、デスクトップPCがある部屋、テレビがある部屋(テレビでもネット動画が見れる)などに設置する場合が多いです。
無線接続なら無線LANルーターでWi-Fiを飛ばして受信すればいいのですが、有線接続ならONUや無線LANルーターのLANポートとLANケーブルでつなぎますから、両者は距離が近いほうがつなぎやすいのです。
光コンセントの位置
一般に屋根裏部屋というのは、配線・荷物置き場タイプの屋根裏スペースにしても、長く滞在するタイプの屋根裏部屋にしても、その宅内では隅っこに位置している場合が多いでしょう。
そのため、屋根裏に光コンセントを設置する例はやや少なめだといえます。
屋根裏部屋にしても、ほかの場所にしても、そこからWi-Fiを飛ばしたときに家屋内のさまざまな場所でインターネットが使えるのが望ましいです。
賃貸物件だと屋根裏から光ファイバーを引き込むのはオーナーから断られる場合があります。
屋根裏は暑い件:熱い部屋はPCに好ましくない
冷房がない屋根裏部屋はPC動作にあまり向かない環境でもあります。
というのも夏の強い日差しは家の屋根を強く熱してしまいます。
屋根裏部屋はそんな熱い屋根の真裏にある部屋であり、窓が少なかったり小さいなど風通しが悪い場合が多いので基本的に室温は高いのです。
夏に冷房がない屋根裏部屋の室温は40〜60℃にも達します。
一般にPCを動かすなら室内の適温は5〜35℃くらい。
要するに夏に屋根裏部屋でPCをやるなら冷房が必要だといえます。
壁内・宅内配線の事情
光ファイバーを宅内へと引き込んだ後は、壁の内部あるいは壁沿いをつたって光コンセントの設置場所まで光ファイバーを引っ張っていきます。
新築一戸建て住宅の建築中や大規模なリノベーション途中であれば、LANケーブルは壁の内側に埋め込んで配線できます。これだと見た目はスッキリします。
すでに出来上がった住宅で配線するとLANケーブルが見えるので、部屋の隅っこに目立たないよう配線します。
1つの部屋内ではLANケーブルで配線できますが、そのLANケーブルをそのまま別の部屋にもっていこうとするとドア付近で引っかかるものです。
こういう場合、無線LANルーターや中継器を使ってWi-Fiを飛ばすのがいいでしょう。
ただし、最近では上記のように隙間をはって配線できるLANケーブルも売っていますから、これを使ってみるのもいいかもしれません。
※壁内の配線は断線した時の修理や、ケーブルの規格を変えるときに面倒になるため、やりすぎないほうがいいのかもしれません。光回線のLANケーブルは最大速度プランによって適切な規格が違いますから。
※光回線の工事は基本的に専門の電気工事士がやる必要がありますが、宅内のLANケーブル配線はとくに資格は必要ありません。
そのほか屋根関係の注意点
- 配線タイプの屋根裏にはいつの間にか野生動物が侵入して配線を食いちぎる可能性あり(動物が入らないようにしよう)
- 工事業者にとって屋根の上での作業は雨の日は滑りやすいため工事ができない