光回線はなぜ高い?【安くならない理由は以下が大きい】
- 日本各地に光ファイバーを張り巡らせているように設備や土地にお金がかかっている(天災時はダメージあり)
- 通信速度が高速で安定しているから(速いほど料金が高いのは乗り物や運送業でも同じ)
- 通信制限がほぼないうえに端末の接続台数が多い(世帯ごとに契約するから1人暮らしだと高いと感じるが、多人数の世帯だとむしろ割安感がある)
- 光回線事業者とプロバイダの両方を契約する必要があるから(最近ではセット化されている事業者が多い)
- もし有料オプションを多くつけていればそれだけ料金は上がってしまう
- 工事費は無料だったり高額キャッシュバックがあるから(その分、通常の月額料金が高くなる)
- NTTフレッツ光は業界最大手だが料金はプロバイダと別であり高め(フレッツ光以外の光回線のほうが安いし、フレッツ光と回線品質はほとんど変わらない)
※光回線のマンションプランは共用設備から各世帯に供給するなど共有する仕組みになっているため一戸建てよりも安いです。
※通信制限とはデータ通信量(いわゆるギガ)が一定量を超えると、当月内では通信速度が大きく下がること。
※光回線料金は地域差がほとんどありません。そのため、賃金が安い地域ほど「光回線の料金は高い」と感じやすいです。
光回線はなぜ無制限が可能?【通信制限がほぼない理由】
- 光ファイバーは高品質の有線であり、宙をただよう無線よりも通信容量が大きいから
- 回線設備に余裕があるから
無制限とはインターネットが定額で使い放題であること。
マンションは各世帯が光回線を共有しているだけあって、みんながネットをよく使う時間帯は通信速度が遅くなりやすいですけどね。
なお一戸建ての光回線であっても、異常なまでに通信量が高まると通信制限がかかったり、業者から警告文が届く場合があります。
光回線はなぜ無制限が必要とされるのか
- 従量制課金だといちいち使用量を確認するなど面倒だが、無制限・定額制なら確認する手間が省けるから
- 現代は動画視聴やゲーム、オンライン会議が人気であり、それはデータ通信量も大きいから無制限のほうが対応しやすい
光回線はなぜ速い?【速い理由】
- 光ファイバーの光信号(光の明滅信号)は電気信号よりも速い
- 高品質の有線だから外部からノイズ・電磁波を受けにくい(無線のほうが不安定)(昔のADSLは有線だが電話回線系なので遅かった)
- 減衰率が低い(長距離の通信でも衰えにくくて速いから世界中の海底には光ファイバーが100万km以上も敷設されている)
最も速い光回線は?
- 時間帯にもよるが、NURO光20G(東京都の港区と豊島区でのみ提供)
光回線の月額料金はマンションプランなら4000円前後、一戸建てなら5000円前後が相場。
今の時代、格安スマホなら月額料金は1000円前後なのに光回線ってスマホに比べると高いですよね。
そこで今回は光回線が高い理由、無制限・定額制が多い理由、速い理由をわかりやすく解説します。
以上の理由はスマホと比べるとわかりやすいですよ。
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光回線はなぜ高い?【無制限で速いことが影響している】
まずは光回線が高いことの理由の1つである有線について。
そもそも光回線は光ファイバーという有線を自宅に取り込むことで使えるようになります。
この光ファイバーは日本各地はもちろん、世界中のおもな海底にも整備されています。
しかも、この光ファイバーは単なる銅線とかではなく高い通信速度を実現するように高品質の有線です。
以上の研究開発費・素材費・工費・土地代は日本国内だけでもこれまでに少なく見積もっても10兆円はかかっています。
つまり、光回線は原価が結構高いですから消費者にもそれなりの費用負担がもとめられるというわけ。
それは日本の新幹線が建設時に莫大なお金がかかっているため消費者にも高い負担をもとめるのと同じような論理です(ドル箱路線の収益は赤字路線の補填にも使われている)。
※2024年の能登半島地震でNTTの被害総額は約100億円とのこと。これは光回線や携帯基地局などといったNTTグループの総被害額。
※一昔前は光回線といえばNTT東西のフレッツ光しかありませんでした。
しかし、2015年からは光コラボといってNTTの設備を他事業者が借りて行う光回線事業が始まって競争が活発化したために光回線の料金は少し下がりました。
参考記事
有線より無線のほうがまだ安い
スマホを自宅外で使う場合、携帯キャリアの基地局を経由した無線通信を行います。
基地局の整備にもそれなりの費用がかかりますが、スマホユーザーと基地局の間は無線であるため光回線整備ほどの費用はかかっていません。
速いほうが価値があるから料金も高い
- スポーツカー>大衆車
- 新幹線>特急列車>普通列車
- 飛行機による貨物便>船による貨物便
- 速達>普通郵便
- Core i9>Celeron(インテルのパソコン向けCPU)
- 光回線>携帯基地局経由の無線回線(モバイルデータ通信)
※上記は左側にあるほど速いうえに価格が高いです。
※モバイルデータ通信とは携帯電話会社の基地局を経由した通信のこと。モバイルデータ通信を行うとデータ通信量(ギガ)を消費します。
世の中には「時は金なり(Time is Money.)」という格言があるように速いことには高い価値があります。
光回線のプランは最大速度1Gbpsが主流ですが、最大速度3~10Gbpsのプランだともう少し料金と設備費は上がります。
意外と割安?:光回線は世帯ごとに支払う無制限回線
たとえばドコモのスマホの格安プランであるahamoは1か月あたりデータ通信量20GBまでで2970円となっています。
当然、スマホ料金は1人1人支払いますから、3人世帯で3人ともahamoなら1か月につき約9000円を支払うわけです(通話料とかオプションはまた別)。
しかし、光回線は世帯ごとに3000~6000円くらいの料金を支払います。世帯人員が1人でも10人でも料金は変わりません
しかも光回線はスマホのような通信制限はほぼありません。
さらに光回線は端末を同時に10台以上は接続できます。
つまり、光回線は世帯内の人員が少ないほど高いと感じやすいのです。
スマホを光回線経由で使うとデータ通信量(ギガ)を消費しません。
つまり自宅に光回線を導入すると、自宅でのスマホのデータ通信量・通信費を節約できるのです。
光回線は無制限ばかり:スマホの無制限は高い理由
スマホにも無制限プランはありますが、光回線と違って1人1人支払う料金体系なのに1か月あたり5000円はかかります。
楽天の無制限プランだけは例外的に安いですけど。
そう考えると、むしろスマホの無制限プランのほうが高いともいえます。
ここで重要なのは無線は光ファイバーという有線に比べると伝送できる情報量が小さいこと。
空中を行き交う無線と、光回線のような高品質な有線とでは物理的に有線のほうが容量が大きいのです。
たとえば端末Aから端末Bに動画データを手元で送信する場合、Bluetoothよりも有線であるUSBケーブルのほうが速いです。
無線は混信防止のための制約がある
ほかにも無線には社会的な制約があります。
無線を受信し、無線で操作できる機械の例
- 携帯電話(スマホ、ガラケー)
- タブレット
- ノートパソコン
- テレビ
- ラジオ
- トランシーバー
- テレメーター(遠隔地の測定器)
- タクシーの無線機
- 船や飛行機のレーダー
- アマチュア無線機
- おもちゃ(ラジコン)
ちなみに電子レンジの近くに電波受信器を置くと干渉するように、電子レンジは電波を放出しています。
当たり前ですが、以上のような無線機器は世界中のすべての国々で使われています。
無線が混信したら人々は大混乱しますから、それぞれの無線は混信しないように国際的に周波数が割り当てられています。
無線は国と国の関係で見ても好き勝手に使えないのです。
無線は周波数の割り当てがあるうえに、無線は有線に比べて伝送できる情報量が少ないですから通信制限がかかりやすいというわけ。
最近は5Gといって無線通信も水準が上がっていますが、スマホの使い方は動画視聴やゲームなどデータ通信量が大きいものが多いですから通信制限は避けられません。
※日本で無線(電波類)を管理しているのはおもに総務省です。
光回線の料金体系は「転嫁」が多い
光回線の料金は1か月あたり3500~6500円くらいで、最初に数万円のキャッシュバックや工事費無料キャンペーンがある、というパターンが多いです。
しかし、よく考えてみると工事費が完全に無料だなんてことはありえず工事費の実質的な負担は月額料金の一部として支払っています。
キャッシュバックについても消費者が負担している月額料金から一部が払い戻されているようなもの。
要するに各種キャンペーンの負担が月額料金に転嫁されているため光回線は高く感じるのです。
新聞購読料との比較なら光回線のほうが安い
4大新聞(読売、朝日、日経、毎日)の朝夕セットの購読料は1ヶ月あたり約4500円です。
一方、光回線の料金は3500〜6500円といったところ。
自宅に光回線を引くと自宅のインターネットは使い放題になるので、さまざまなマスコミの無料コンテンツも見放題になります。
新聞の折込チラシに相当するコンテンツもShooo!というサイトに行けば無料で利用できます。
そう考えると、新聞をとるよりインターネット使い放題の光回線のほうが圧倒的にコスパは高いといえます。