そもそも光回線は自宅近くの有線(光ファイバーという線)を自宅内に引き込む工事をすると使えるようになるネット回線です。
この工事費は本来、業者の人件費や設備費など2~4万円くらいかかります(マンションなら安い)。
光回線は使い始めるのに手間がかかる回線なのです(マンションなら工事済みの場合あり)。
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光回線の契約期間【短期解約もできるが…】
工事費は一括払いの場合もあれば、長期間の分割払いも選べたり、または業者のキャンペーンによって大幅割引や無料化される場合もあります。
光回線業者から見ると、消費者が長く契約してくれれば割引やキャッシュバックの分は取り戻せるため、さまざまなキャンペーンを打ち出して魅力をアピールをするのです。
言い換えると、それだけ費用がかかっているからこそ、光回線業者にとって消費者が短い期間で解約する事態は好ましくないのです。
光回線の契約期間と解約金事情
そこで光回線業者としては、短期(2年契約なら2年未満、3年契約なら3年未満)で解約したユーザーに対して違約金を請求する場合があります。
こういうのは俗に「解約縛り」とも呼ばれており日本の法律でも認められています。
具体的には上記のように多くの光回線ユーザーは契約してから2年後(2年プラン)、あるいは3年後(3年プラン)に契約を更新するか選択を迫られます。
それぞれの契約期間の合間にある更新期間での解約なら違約金はかかりません(業者によって少しのズレあり)。
2年ごとの更新プランと3年ごとの更新プランを設けている光回線事業者の場合、3年プランのように契約期間は長いほうが月額料金は少し安いですよ(月額100円くらいの差)。
光回線の違約金は2022年6月30日以前に契約した場合だと5000円~3万円と少し高いです。
しかし、2022年7月1日以降に契約した場合だと電気通信事業法改正によって違約金は2000~7000円と安くなっています(違約金の最大額は月額料金以下と定められた)。
短期契約世帯には違約金がない業者がおすすめ
光回線は長期契約のほうが1か月あたりの負担は軽くなる傾向があります。
でも光回線を契約するときって、
- 数年以内に転勤がありそうだが具体的なタイミングまではまだわからない
- いずれ建て替え工事をするかも
- 家族の構成員数が変わることで光回線が不要になるかも
といった事情があるため、結果として契約を途中で打ち切りたい場合がありますよね。
そういう短期で解約したい世帯に合っているのが違約金が発生しない光回線業者です。
短期契約者が見るべきポイント
短期契約者にとって光回線業者は違約金さえなければ、あとはどうでもいいかといえばそうではありません。
具体的には以下も考慮する必要があります。
- プロバイダとセットになっている事業者か
- 撤去費が発生しにくい業者がおすすめ
- 安いとしても開通工事に時間がかかる業者は微妙
- 工事費残債の支払いが請求される
- マンションは契約業者の選択肢が狭い
- キャッシュバックはもらえないかも
- スマホのセット割との比較するとどちらお得か
ちなみに解約時の日割り計算はない業者が圧倒的に多いです。解約月の月額料金は1ヶ月分まるまる支払う必要があるということですね。
プロバイダと一体料金の事業者
光回線事業者はプロバイダ(接続事業者)との関係では2パターンあります。
- 光回線事業者とプロバイダについて契約や料金がセットになっているタイプ光回線事業者の多数派であり解約時もセットで行う
- 光回線業者とプロバイダについて契約や料金が別々になっているタイプフレッツ光はこのパターンであり解約は別々で行う
基本的には契約するときも解約するときも光回線はプロバイダとセットになっているほうがわかりやすいですし、料金も安めになりやすいです。
上記表のうちフレッツ光以外のほとんどは、光回線事業者とプロバイダについて契約や料金がセットになっているタイプです。
撤去工事費がかからない業者
光回線を解約してその家を退去するときは、光回線の設備撤去を業者にお願いする場合があります。
とくに賃貸住宅は解約時に原状回復義務がありますから、光回線の設備についても撤去しなければならないのが原則。
この撤去費用はフレッツ光や光コラボは安いor無料で、独自回線や電力系回線に属する業者の場合、1万~3.5万円かかります。
要するに、退去時に設備を撤去しなければならない境遇にある短期契約者に独自回線や電力系回線はおすすめできないのです。
独自回線や電力系回線は開通工事に時間がかかりやすい
独自回線の中でもNURO光という事業者は最初の1年間の月額料金は1か月につき980円とかなり安いです。
しかしながら、NURO光は申し込んでから開通するまでに工事2回で1~3か月かかりますし、撤去工事費も高いというデメリットがあります。
長期契約者なら1~3か月の間、待ってもいいのですが、短期契約者にとってはロスが大きいでしょう。
1年目の月額料金が980円はかなり魅力的とはいえ、開通に時間がかかる点は微妙だといえます。
工事費の残債分支払いが請求される
冒頭で述べたように光回線の工事費は4万円くらいかかります(マンションならもっと安い)。
もし解約時に工事費をまだ支払い終わっていなかったら、工事費の残債分(工事費のうち未払い部分)の支払いが請求されます。
光回線を長く契約していると工事費分は割引・無料化してくれる業者もあるのですが、基本的に短期で解約すると工事費の残債分は支払う必要が出てきます。
工事費を支払いたくないのであれば、モバイルルーターやホームルーターのような工事不要ですぐに使えるネット回線を選びましょう。
モバイルルーターやホームルーターの通信速度は光回線より低いのはどうにもなりませんけどね。
ホームルーターについては下記ページでも紹介しています。
マンションは契約業者の選択肢が狭い
一般にマンションの光回線は共有部に設備を集約してから各家に配線するという方式をとっています。
そのため、マンションの大家さんや管理会社は「一括契約している○○光回線を使うほうが安い」「他社は設備面で対応できない」と主張します。
これは基本的に従うしかありません。
一戸建て住宅は各家が独立的ですから、そういった制約はないんですけどね。
キャッシュバックがもらえる条件を確認しよう
キャッシュバックとは現金がもどってくること。
たとえば「光回線を契約すると〇万円キャッシュバック」という宣伝を見たことがあるでしょう。
このキャッシュバックは、契約後に条件を満たしていればもらえます。
単純にその時点まで契約さえしていればキャッシュバックが出る業者もあれば、有料オプションの契約が条件になっている事業者もあります。
契約を継続してきた年月によって減額もありえます。
またキャッシュバックが振り込まれる前に解約すると、キャッシュバックの対象外になりやすいです。
要するに短期で解約するとキャッシュバックを満額もらうのは難しいですが、条件は確認すべきだということ。
スマホとのセット割:違約金込みでも安い場合あり
短期契約者にとって総合的におすすめな光回線事業者はGMOとくとくBBです。
- 違約金がない(2022年7月以降に契約した場合)
- 工事費は36か月の契約で実質無料になる
- 無線LANルーターがプレゼントされる
- 提供エリアは広い
- キャッシュバックは2~7万円が目安
もし長期で利用することになったとしてもGMOとくとくBBは安いです。
ただし、GMOとくとくBBにはスマホ料金とのセット割はありません。
もし以下のスマホユーザーが数か月間にわたって光回線を契約するのであれば、違約金を支払ってでもスマホとのセット割を優先するほうが安いです。
スマホキャリア | ←のスマホとセット割のある光回線 |
ドコモのahamo | ahamo光 |
ドコモ irumo |
ドコモ光 |
ソフトバンク | ソフトバンク光 |
ワイモバイル | ソフトバンク光 |
au UQモバイル |
auひかり 電力系光回線(関西はeo光,東海はコミュファ光,四国はピカラ光,九州はBBIQ) ビッグローブ光 |
NUROモバイル | NURO光 |
LINEMOやpovo、その他格安SIMはそのままの料金で安いためスマホ料金とのセット割はほとんどありません。
もしセット割があるとしても小さいです。