光ハイブリッドとは通信会社の設備から自宅の手前までは光ファイバーで、自宅の手前から自宅内は同軸ケーブルを組み合わせた有線インターネット回線のこと。
光ファイバーとは内部が高性能のガラスやプラスチックできた通信ケーブルのこと。光ファイバーは長距離の高速・大量データ伝送に適しています。
同軸ケーブルとは内部が銅線主体のケーブルのこと。同軸ケーブルは耐久性があり屋内配線に適しています。同軸ケーブルの通信速度は光ファイバーより劣ります。
- FTTH(Fiber To The Home)自宅内まですべて光回線(純粋な光回線)
- FTTN(Fiber To The Node)ノードという自宅手前までは光回線で、そこから自宅内は同軸ケーブル(光ハイブリッド、CATV回線)
光回線にしても光ハイブリッドにしても屋外から有線を自宅内に引き込む工事をすると使えるようになります(有線は地下埋設の場合あり)。
光ハイブリッドはおもにケーブルテレビ会社が提供しているように、ケーブルテレビ回線(CATV回線)というのが本来の名称です。
※ハイブリッド(hybrid)とは雑種、交雑した方式という意味。
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光ハイブリッドは遅い?【デメリットを感じにくいパターンあり】
光ハイブリッドは光ファイバーと同軸ケーブルを合わせたものであるため、純粋な光回線(同軸ケーブルの部分も光ファイバー)よりは通信速度が遅いです。
なおケーブルテレビ会社のインターネット回線=光ハイブリッドだけとは限らず、ケーブルテレビ会社が光回線も提供している場合もよくあります。
今の時代、光回線はNTTやKDDIから設備を借りれば地方の中小事業者でも提供できますから。
JCOM(ジェイコム)はこのパターンで大きくなった企業であり、今ではKDDIの連結子会社として大企業級の規模があります。
最大速度プランはいくつもある
通信速度に関してややこしいのは光回線や光ハイブリッドの最大速度プランは次のようにいくつもあること。
- 光回線の最大速度プランの選択肢10Mbps〜100Mbps(マンションのVDSL方式に多い)、1Gbps、2Gbps、5Gbps、6Gbps、10Gbps、20Gbps
- 光ハイブリッドの最大速度プランの選択肢10Mbps~100Mbps、320Mbps、1Gbps
※1000Mbps=1Gbps
※VDSLとは光回線と電話回線が混じったネット回線とお考えください。VDSL回線の通信速度は遅いです。
bpsとは通信速度を意味しますから、bpsが大きいほど通信速度が速いのです。
当然、bpsが大きいプランほど月額料金も高い傾向があります。
とくに大都市圏でしか契約できない5Gbps~20Gbpsプランは、その速度に対応している無線LANルーター、LANケーブル、工事などの価格が高めです。
たとえば1Gbpsプランの光回線を契約している人が自宅で通信速度を実測すると300〜500Mbpsという数値が出るように、実測値は理論上の最大速度より遅くなります。
これはどんな回線・プランでもあてはまります。
光回線の主流最大速度は1Gbps
光回線を契約している人で多い最大速度プランは1Gbpsプラン、光ハイブリッドを契約している人で多いのは最大速度プランは100〜300Mbpsです。
光ハイブリッドは雑種ケーブルであることに加えて最大速度プランも違いますから、光回線のほうが速いと感じる人が多いのは当たり前かに見えます。
しかし、通信速度は地域や使い方によって感じ方も異なります。
通信速度はその地域の人口密度にも影響される
大都市圏では光回線のほうがシェアは圧倒的に優位ですが、地方都市や田舎では地元のケーブルテレビが供給している光ハイブリッドもちょっとしたシェアをもっています。
なぜならネット回線の通信速度はその地域の人口密度が低いほど速くなる性質がありますから、人口密度の低い地方民は光ハイブリッドでも満足できる場合があるのです。
逆に大都会の入居率が高い大型マンションで、みんながネットをよく使う夜の時間帯に自分のところも光回線経由でネットを使おうとすると「光回線なのになんで遅いねん!」とストレスをもったりします。
基本的にネット回線の通信速度はマンションより一戸建てのほうが速いですし、地方のほうが一戸建て住宅の割合が多いですから、地方ではケーブルテレビでも満足しやすいというわけ。
スーパーマーケットでレジ行列に並んでいる人を観察すると、都会のほうがイラ立つ人の割合が多いです。
要するに都会民は何事もせっかちだということ。列車の運行間隔とかも結構違いますからね。
光回線は速いはずだが、遅くなるパターンあり↓
- 人口密度が高い地域
- 入居率の高いマンション
- マンションで同じ系統の光回線を使っている世帯が多い(たとえばみんなNURO光を使う)
- VDSL方式
- 最大速度プランが低い
- 世帯内でネット接続している端末台数がやたら多い
- 夜に使う
- IPv4・PPPoE方式(IPv6・IPoE方式のほうが速い)
- LANケーブルのスペックが低い
- 無線LANルーターの性能や置き場所が悪い(有線接続のほうが速い)
逆に人口密度が低い、一戸建て、最大速度プランが高い、端末台数は多すぎないといった条件が重なると速度低下は大きくありません。
もっと言うと、NTTフレッツ光や光コラボといった分類に属する光回線事業者より、独自回線や電力系回線に属する事業者の速い傾向があります。
光ハイブリッドは上り速度が遅い
地方民であってもゲームや動画投稿をよくやる人は光回線を選ぶべき。
同じ最大速度プランについて光回線と光ハイブリッドの通信速度を実測・比較した場合、下り速度は大差ありませんが、上り速度はそれよりも差が出やすいからです。
下り速度とはデータをダウンロード(受信)する速度のこと。上り速度とはデータをアップロード(送信)する速度のこと。
ゲームや動画投稿をやらない人は下り速度がそれなりの速度であれば満足できますが、ゲーマーや動画投稿をよくやる人は上り速度にも敏感です。
それにどこの地域でも光回線と光ハイブリッドの月額料金の差は大きくありませんから、総合的に言うと光回線のほうが満足度は高いでしょう。
ケーブルテレビ会社は変わりつつある
最近では光ハイブリッドの新規受付を停止して光回線のみを新規受付・提供しているケーブルテレビ会社もあります。
ケーブルテレビ会社はちょっとマイナーで地域密着の放送局をもっている場合があり、これはケーブルテレビ回線で見れます。
しかし、今では光回線経由のオプションでも見れます。
この記事のまとめ・要点
- 基本的に光ハイブリッドの通信速度が光回線よりも遅いのは事実だが、実は許容できるパターンもある
- 最大速度が同じプラン同士を比較した場合、光回線は光ハイブリッドよりも上り速度に大きな優位性をもっている
- 一戸建て住宅とマンションとでは事情がちょっと違う
- どんなネット回線でも通信速度はその地域の人口密度にも影響される
- 光回線と光ハイブリッドの月額料金差は小さい
- 各地域のケーブルテレビ会社はCATV回線と光回線の両方を供給している場合が多い
- 光回線の速度プランは選べる場合が多い
- ケーブルテレビが見たい世帯は一考の余地あり
- 家でオンラインゲームをやる人や動画投稿をよく行う人は速度重視で選ぶべき