ホームルーターとは普通のコンセントに電源ケーブルを差し込むだけでインターネットが使えるように機械のこと。
このようなホームルーター本体機械をこの記事では「端末」と呼ぶことにします。
ホームルーターは別名「置くだけWi-Fi」とも呼ばれています。
今回はホームルーターは本当におすすめなのか、メリットとデメリット、光回線やモバイルルーターとの比較とともに解説していきます。
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ホームルーターとは?【デメリットとメリット】
ホームルーターを契約すると、わずか数日でホームルーター本体が業者から送られてきます。
ホームルーターの設置や使用に際して自宅への工事や充電器は必要ありません。
光回線は屋外では有線ですから光回線を使い始めるには引き込み工事が必要ですが、ホームルーターは屋外では無線ですから工事不要なのです。
なんの光回線設備がない住宅で光回線を申し込んでからは開通するまでには3週間〜2ヶ月半くらいかかります。
すでに光回線設備のあるマンションだと光回線は1〜3週間で使い始められますけどね。
ホームルーターは光回線と違って工事不要で手軽に使い始められるのは便利だといえます。
ホームルーターは引っ越しが多くて工事なしですぐにネットを使いたい世帯におすすめ。
ホームルーターは契約・登録した世帯内でしか使ってはいけないという規約があります(一部に例外あり)。
その登録住所を変更すれば引越し先でも使えますよ。
ホームルーターと光回線とモバイルルーターの比較表
ホームルーター | 光回線 | モバイルルーター | |
ルーター代 (レンタルあり) (割引あり) (中古あり) |
2〜7万円 | 1〜2万円 | 0.5〜2万円 |
月額通信料金 | 5000円前後 | マンションは3000~4500円 一戸建ては4500〜6500円 |
2000〜5000円 |
料金体系 | 定額・使い放題が多い | 定額・使い放題が多い | さまざま |
キャッシュバック水準 (例外あり) |
光回線>ホームルーター>モバイルルーター | ||
業者の選択肢 | 少ない | かなり多い | 多い |
屋外の状態 | 無線 | 有線 (屋内では無線化も可) |
無線 |
最初に工事 | 工事は不要 | 工事は必要 (最初から整っている物件あり) |
工事は不要 |
駆動方法 | 電源ケーブル | 電源ケーブル | 内蔵電池 |
開通までの時間 | 数日 | 2週間~2か月半 一戸建てのほうが待つ |
数日 |
通信の下り速度順序 | 光回線>ホームルーター>モバイルルーター | ||
通信の上り速度順序 | 光回線>>ホームルーター>モバイルルーター | ||
接続台数の多さ順序 | 光回線≒ホームルーター>モバイルルーター | ||
通信制限 | 少しある | ほとんどない | ある |
自宅外に持出使用 | × | × | ○ |
必要なモノ | ・ホームルーター本体のみ | ・専用のコンセント ・ONU(変換器) コンセントやONUは業者が設置 ・LANケーブル ・無線LANルーター |
・モバイルルーター本体のみ ・電池残量がないなら充電器 |
※下り速度とはダウンロード・受信のときの速さのこと。上り速度とはアップロード・送信のときの速さのこと。
※通信制限とは一定量以上にわたってデータを通信すると通信速度が制限されること。とくに高画質の動画を見すぎると通信制限がかかりやすいです。
ホームルーターや光回線の月額通信料金は基本的に定額・使い放題です(一部に例外あり)。
ホームルーターや光回線は定額・使い放題であり、原則として自宅外に持ち出して使えませんから、自宅でのネット使用時間が長い世帯に向いています。
ホームルーターのデメリットまとめ(詳しくは後述)
- ホームルーターの提供エリアはそれなりに広いが、提供エリア内の建物だとしてもビルの高層階では使えない可能性がある
- 月額の通信料金のほかに端末購入費もかかる(端末購入費は長く契約するほど割引されやすい)(中古品が使える場合もある)
- 通信制限は少しある
- 自宅外でも使えるように見えるが、基本的には契約している住所の建物内でしか使ってはいけない
- 通信速度は5Gエリア内だとしても光回線より遅い傾向がある(下り速度はそれなりだが、上り速度は遅い)
- 光回線より遅いのにホームルーターの月額料金は約5000円前後と光回線のマンションプランより高い(光回線の一戸建てプランと同水準)
※光回線のマンションプランの月額料金は2500~4000円が目安。
ホームルーターのメリットまとめ
- 契約したら数日後にはホームルーターが届き、すぐに使い始められる
- ドコモ、ソフトバンク、au、UQのスマホ料金とのセット割がある(LINEMOやpovoのような格安プランはセット割の対象外)
- 工事不要で導入できる(ホームルーター本体が届いたらすぐに使える)(工事費や撤去費もかからない)(工事がないから住宅外壁が傷つかない)
- 複雑な初期設定はなく電源ケーブルを入れたら簡単な設定だけで使える
- 光回線が提供エリア外の地域でも、ホームルーターなら提供エリア内の場合あり
- 登録住所を変えれば引っ越し先でも使える
- 同時接続の端末台数は20~30台とまあまあ多い(事業者や環境によるズレあり)(モバイルルーターの接続台数より多い)
短期契約の比較:端末代や工事費がネックになる
ホームルーターを使うには月額の通信料だけでなく、2~7万円の端末代も支払わなければなりません。
この端末代は同じホームルーターを長く契約するほど割引されやすいです。
光回線の工事費は1〜4万円くらいかかりますが、これも一定期間にわたって契約し続けると工事費は大幅割引・無料化されやすいです。
キャッシュバックも一定期間にわたって契約することが要件になっている場合があります。
要するにホームルーターは短期契約だと端末代が重しになり、光回線は短期契約だと工事費が重しになりやすいのです。
原則としてホームルーターの解約時は端末代の残債(まだ支払っていない端末代)が、光回線の解約時は工事費の残債が請求されます。
ホームルーター端末は高い新品を買わず、ヤフオクやメルカリなどで安い中古品を買って、そこに契約したSIMカードを入れる手もあります。
この方法は事業者や端末によって可否が分かれますのでご注意を。可否は各事業者にたずねてみてください。
ホームルーターの通信速度:上りが遅め
ホームルーターは通信速度が4Gエリアと5Gエリアとで違います(5Gのほうが速い)。
4Gとは第4世代移動体通信、5Gとは第5世代移動体通信のこと。
ホームルーターは契約している通信キャリアの最寄りの基地局と無線で送受信する移動体通信(モバイル回線)です。
ホームルーターの下りの通信速度の目安は15~300Mbps、上りの通信速度の目安は1~90Mbps。
ホームルーターは下り速度はそれなりに出るのですが、上り速度は遅くなりやすいです。
正直言ってホームルーターの通信速度はFPSや格闘といった通信速度が欲しいゲーム、生配信や動画投稿、大容量ファイルのやり取りには厳しい水準。
そういった種類のゲームや生配信、動画投稿をやらないのであればホームルーターを試してみてる価値はあります。
基本的に光回線とホームルーターは月額料金は近いながらも、通信の安定感と速度は光回線のほうが上ですから光回線のほうがおすすめ。やはり有線のほうが速度は高いです。
日本全体でもホームルーターより光回線のほうがシェア・人気は高いです。
とはいえ、ホームルーターの提供エリアは光回線より広いですから、光回線が提供エリア外の世帯にはまあまあおすすめ。
- 下り速度の傾向1.光回線>2.ホームルーター>3.モバイルルーター
- 上り速度の傾向1.光回線>>2.ホームルーター>3.モバイルルーター
ちなみに光回線の主流プランは1Gbpsですが、ホームルーターの主流プランは2.1~4.2Gbps。
しかし、理論値としてはホームルーターのほうが速いとしても実測値としては光回線の1Gbpsプランのほうが速いです。
ホームルーターは置き場所によって通信状態が変わる
ちなみにホームルーターの置き場所は、床から1~2mくらいは高い位置で、なおかつ窓際のほうが通信状態はよくなりやすいです。
そのすぐ近くには電子レンジや水槽を置かないようにしましょう。
ホームルーターは高層階では使えないかも
光回線もホームルーターも事業者の提供エリア内の住所でこそ事業者と契約でき、ネットに接続できます。
光回線が提供エリア外だとしてもホームルーターは提供エリア内である場合もあります。
これに関してホームルーターは携帯キャリアの基地局と無線で通信しますから、その電波は上層階には飛びにくい性質があります。
したがって、ビルの明らかな高層階(16階以上が目安)を登録住所にするようだと契約を断られる場合があります。
11〜15階くらいの高層階だと業者や地域によって判断が違ったり、数日間試してみてダメだったら返品・解約というような形になります。
高層階で使うことを検討している方は、のちほど示すリンク先で対応エリアを調べてみましょう。
ホームルーターの使い方は簡単
ホームルーターを最初に使う際は、まずSIMカードを本体に差し込みます。
次に本体の側面や底面・裏面などに記載されているSSIDとパスワードを確かめ、自分のスマホやパソコンのネット接続設定で該当するSSIDにパスワードを入力すればネットが使えるようになります。
これは簡単(端末や業者によって多少の違いあり)。
ホームルーターとモバイルルーターの比較
モバイルルーターは外出先でも携帯して使えますが、ホームルーターは外出先では基本的に使えません(例外あり)。
外出先でも使うならモバイルルーターがおすすめ。
ホームルーターがおすすめなのはこんな人
- 自宅は光回線の提供エリア外
- 工事不要ですぐにネットを使いたい人
- 引っ越しが多い世帯
- FPSのような通信速度が重要なオンラインゲームをやらない人
- 動画投稿はやらない人
おすすめのホームルーター
ホームルーターの運営元は、NTTドコモ、ソフトバンク、WiMAX(KDDI系)、楽天というおなじみの大手4キャリア。
同じ運営元に申し込む場合でも代理店によってキャンペーン内容はズレていたりしますが、その4キャリアのどれかが候補になることは変わりません。
ホームルーターを選ぶ際は、まずは各業者のリンク先で提供エリアを確認してから、スマホ料金のセット割を優先するのがいいですよ。
たとえばドコモのホームルーターを契約する場合、ドコモのスマホユーザーのほうが金額的にはお得ですが、他キャリアのスマホユーザーでも問題なく契約できます。
ただし、格安スマホはセット割が乏しいです。このようにスマホとのセット割がない場合、昨今ではauの電波に安定感がありますからカシモWiMAXがおすすめ。
各ホームルーターのレビューを探そうとする人もいるでしょうが、住んでいるエリアや使う時間帯によってホームルーターの通信速度は変わります。
昔はドコモ回線の評判が高かったのですが、動画需要が増えた割に設備の供給量は追いつかなくなったため、昨今ではKDDIとソフトバンクの評判が高いです。
ドコモや楽天は電波の改善に取り組んでいる以上、また業界の状態・評判は変わりそうです。
ドコモhome5Gホームルーター:ドコモのスマホユーザーにおすすめ
- 月額4950円
- 定額で使い放題
- 5Gエリア内なら5Gを利用できる
- 登録している住所でのみ使える
- ドコモのスマホユーザーは毎月最大1100円割引(ahamoはセット割の対象外、irumoはセット割対象)
- キャッシュバック1~2万円あり
- 端末代は71280円
- 端末代は1か月あたり約2000円の割引(=36か月間にわたる契約継続で約7.1万円の割引で端末代は実質的に無料化)
- 契約事務手数料は3850円
カシモWiMAXホームルーター:auやUQモバイルのスマホユーザーにおすすめ
- 初月のみ月額1408円
- 2か月目からは月額4818円
- 定額で使い放題
- 5Gエリア内なら5Gを利用できる
- 登録している住所以外でも使える(他社のホームルーターは登録住所以外での使用が禁止だがWiMAXは例外的に可能)
- auやUQモバイルのスマホユーザーは毎月最大1100円割引(povoはセット割の対象外)
- 契約事務手数料は3300円
- 端末代は27720円
自宅に導入したホームルーターの電波状態が気に入らない場合、届いてから8日以内であれば初期契約解除ができます。この場合、端末代27720円はかかりません。
SoftBank Air:ソフトバンクやワイモバイルのスマホユーザーにおすすめ
- 最初の6か月目までは月額1980円
- 月額5368円
- 定額で使い放題
- 登録している住所でのみ使える
- 5Gエリア内なら5Gを利用できる
- ソフトバンクのスマホユーザーは毎月最大1100円割引(LINEMOは対象外)、ワイモバイルのスマホユーザーは毎月最大1650円割引
- キャッシュバックは最大3.5万円
- 契約事務手数料は3300円
満足できなかった場合、8日間の初期契約解除期間があります。
Rakuten Turbo:楽天モバイルユーザーにおすすめ
- 最初の1年間は月額1980円
- 月額4840円
- 端末代は866円×48か月、あるいは一括払いで41580円かかる
- 定額で使い放題
- 契約期間の縛りや最低利用期間はない
- 登録している住所でのみ使える
- 5Gエリア内なら5Gを利用できる
- 楽天モバイルとセットで最大2万円相当分のポイント還元
- 契約事務手数料は3300円