そもそも日本の光回線事業者は上記のように4種類に分類できます。
業界シェアの最大手は日本で最初に光回線サービスを提供し始めた大手通信会社であるNTT東日本・西日本のフレッツ光。
次に光コラボに属する業者はどれもフレッツ光の設備を借りてサービスを提供しているため、提供エリアと通信速度はフレッツ光とほぼ同じという特徴があります。
その意味ではフレッツ光と光コラボは同種。
フレッツ光と光コラボの通信速度はプロバイダによって少しの差が生じます。
つまり、フレッツ光や光コラボに属さない光回線が独自回線なのです。
基本的に電力系回線は独自回線と同類ですから、本記事では独自回線と電力系回線は同じものと見なしてください(提供エリアはズレがある)。
電力系回線は提供エリアが限定的で(中部、関西、中国地方、九州)、対象の地方電力とセットで契約すると月額料金が少し割引になります。
今回は独自回線および電力系回線についてデメリットとメリットを解説していきます。
独自回線のデメリット
- 独自回線の提供エリアはフレッツ光や光コラボよりも狭い↓
- 光回線は引っ越し先でも同じ事業者を契約すると割引されやすいが、独自回線の提供エリアは狭いから引っ越し先では同じ独自回線を契約できないかも
- NTTドコモのスマホ料金とのセット割はない
- 工事を始めて終わるまでに3週間~2か月と時間がかかりやすい(マンションは短く、一戸建ては長めになりやすい)
- マンションプランとしての独自回線に入りたい場合、そのマンションの構造に問題なくて、なおかつマンション内の一定数の世帯が同じ独自回線に加入する必要がある
- 独自回線の撤去費はフレッツ光や光コラボよりも少し高い傾向がある
- 独自回線の中でもNURO光は工事が2回あるから開通までに時間がかかりやすい
独自回線のメリット
- 同じ速度プランなら実測値としての通信速度はフレッツ光や光コラボよりも少し速い傾向
- NURO光のマンションプランは安い(月額2090~3630円)
- 割引キャンペーンやキャッシュバックはまあまあ多い
- auひかり系列の光回線ならauやUQモバイルのスマホ料金とセット割になる(povoは対象外)
- NURO光ならソフトバンクのスマホ料金とセット割になる(LINEMOは対象外)
povoやLINEMOはそのままの価格で安いためスマホ料金とのセット割の対象外なのです。
独自回線の特徴:速いが提供エリアは大都市圏が中心
ここからは独自回線のデメリットとメリットをもう少し細かく解説していきます。
そもそも独自回線はNTT東西のダークファイバー回線を使って光回線サービスを提供しています。
ダークファイバー回線とはNTTが整備した回線のうち普段は使わない回線のこと。
独自回線はフレッツ光と光コラボよりも利用者数が少ないなど混雑しづらいため回線速度は安定して速い傾向があります。
その割に独自回線の月額料金は光コラボ各社とあまり変わらないためお得感があります。
TwitterではNURO光のような独自回線に対して「通信速度が遅い」という感想がよく見られます。これはマンションプランの可能性が高いです。
マンションプランの光回線は独自回線であろうとなかろうと、入居者数が多いマンションでみんながネットをよく使う夜だと遅くなりやすいです。
独自回線はドコモとのセット割がない
NURO光はソフトバンクのスマホと、auひかりや電力系回線はauやUQモバイルのスマホとのセット割があります。
LINEMOやpovoはそのままの料金で安いためセット割の対象外です。
しかし、独自回線の各事業者にはドコモのスマホ料金とのセット割はありません。
NTTドコモと契約しているスマホをお持ちの人はドコモ光(光コラボ)を選ぶのがおすすめ。
工事の違い:独自回線のほうが面倒
光回線は電信柱付近に架かっている有線を屋内に引き込んでくると使えるようになる回線ですから、現状の自宅に設備がないなら工事が必要です。
この工事は、すでに共用部に光回線設備があるマンションなら割と簡単に終わりますが、そうでないと開通までに時間がかかります(1か月~3か月)。
さらに独自回線は提供エリア内の住宅だとしても、マンションでは構造要件を満たし、なおかつマンション内の一定数の世帯が加入しないと独自回線を導入できません。
フレッツ光や 光コラボを導入する |
独自回線を導入する | |
光回線を新規契約する (現状は光回線設備なし) |
工事必要 | 工事必要 |
現状はフレッツ光の設備あり | 工事不要 | 工事必要 |
現状は光コラボの設備あり | 工事不要 | 工事必要 |
現状は独自回線の設備あり | 工事必要 | 別の独自回線にするなら 工事必要 |
フレッツ光と光コラボは設備が同じであるため、フレッツ光⇔光コラボの場合、工事は不要なのです。
一方、独自回線は何かと工事が必要になりやすいです。
解約料は大差ない
基本的に光回線の契約世帯は2年ごとあるいは3年ごとに契約を更新します。
解約料がかかるのはその2年契約あるいは3年契約に入っている期間内で解約するときであって、その間の期間では解約料は基本的にかかりません。
この解約料はフレッツ光、光コラボ、独自回線いずれも2000~7000円が目安になるなど大差ありません。
撤去費の特徴
引っ越し時などにおいて原状回復として業者に光回線の設備撤去を頼むなら以下のような費用がかかります。
撤去においてはその世帯の人が立ち合う必要もあります。
- フレッツ光や光コラボの撤去費原則として無料(修復工事が必要だと費用がかかる場合あり)
- NURO光の撤去費11000円
- auひかりの撤去費31680円
マンションやアパートではあとで入居する人がすぐに使えるよう、回線設備については原状回復がもとめられない場合もありますけどね。