今回は光回線に関連する費用と寿命(耐用年数)を解説します。
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光回線の寿命と費用の相場
この記事では光回線関連の機器やケーブル類について寿命も記していますが、それは正しい方法で使ったときの寿命です。
無茶な使い方をすると寿命は縮まりますのでご注意ください。
月額料金は戸建てとマンションで違う
一戸建て住宅 | マンションプラン | |
VDSLプラン (マンションの遅いプラン) |
- | 4000円前後 |
1Gbpsプラン | 5000〜6000円 | 2500〜5000円 |
10Gbpsプラン | 5700〜7500円 | 3500〜6000円 |
NURO光20Gbpsプラン (東京の港区・豊島区のみ) |
8517円 |
※上記表は税込、有料オプションなし、スマホのセット割恩恵なし、初年度割なし、プロバイダ料金込み、といった条件での月額料金です。
※NTT東西のフレッツ光の料金はプロバイダ料金も加えると上記表よりも550~1050円ほど高くなります。
※現在、光回線の通信速度プランの主流は1Gbpsですが、最近ではNURO光の2Gbpsプランにも人気があります。
光回線の有料オプションの目安
- ひかり電話月額550円
- 24時間出張修理オプション月額2000~3300円
- ネットフリックス、U-NEXTといった有料ネット動画サイトそれぞれ月額1000~2200円
- 光回線経由で地上波テレビを見る月額1000円前後(総費用はアンテナ経由で見るより高い)
- クラウドカメラ(自宅をカメラで監視し、それを外出先のスマホなどからチェック)月額1500円~
有料オプションはユーザーが任意で契約してこそ発生する追加的な料金です。
たとえばソフトバンク光の有料オプションとしてネットフリックスを契約すると本来の料金より毎月100円だけ割引してくれます。
初回契約時の事務手数料
初回契約時の事務手数料は1000〜4000円が目安。
多いのは3300円くらい。
違約金は2022年7月から変わった
多くの光回線サービスは2年ごと、あるいは3年ごとに契約を更新します。
これに関して、たとえば2年契約をしているのに2年未満で解約すると違約金が発生する場合が多いです。
2022年6月30日以前に契約した世帯は4000〜3万円が違約金の目安になります。
2022年7月1日以降に契約した世帯は月額料金以下、すなわち3000〜7500円が違約金の目安になります。
一部には違約金がない業者もありますよ。
工事費は割引キャンペーンが適用されやすい
光回線の工事費は一戸建てプランで2〜3万円、マンションプランで1.5〜2万円が目安。
例外的にNURO光の20Gbpsプランの工事費はマンションでも4.4万円かかります。
基本的に工事費はフレッツ光や光コラボより、独自回線や電力系回線のほうが少し高いです。
光回線の工事費は割引キャンペーンが多いのですが、割引の適用は一定期間にわたって契約し続けないと受けられない場合が多いです。
光回線は短期間で解約すると工事費について支払っていない部分が一括請求されるなど割引は少なくなりやすいのです。
参考記事
撤去を依頼すると撤去費がかかる
光回線の設備撤去費は、その契約ユーザーが業者に対して「撤去して」と依頼したときに発生する費用。
光回線の工事や撤去は電気工事士の資格をもった業者が行う必要があります。宅内の配線は自分でやるのもOKですけどね。
撤去費は0〜1.5万円が目安であり、独自回線や電力系回線のほうが撤去費は高い傾向があります。
撤去費は賃貸物件の原状回復において発生しやすいです。
無線LANルーターはレンタルあり:寿命は約5年
光回線は有線のインターネット回線ですが、屋内では無線LANルーターという機器を使うと無線化できます。
無線LANルーターは標準レベルの製品を買うとすれば7000〜15000円が目安。
ゲーミングルーターといって高性能の無線LANルーターが欲しいのであれば2〜8万円が目安。
無線LANルーターは光回線事業者によってはレンタルもあります。
無線LANルーターの月額レンタル料は0〜600円が目安(無料レンタルの場合もある)。
もし月額レンタル料が600円だと1年で7200円かかりますから、それなりのレンタル料がかかるのであれば買うほうがお得。
ちなみに無線LANルーターの寿命は5年といわれていますが、私の無線LANルーターはずっとつけっぱなしで購入から7年が経過しています。まあ誤差の範囲でしょうか。
ONU・モデムはレンタルが基本:寿命は8〜10年
基本的にONUは光回線業者からレンタルする終端装置。
したがって、光回線の解約時はONUを返却する必要があります。
ONUは新品としてはほとんど販売されていませんが、ヤフオクでは中古品が数千円で買えます。
モデムはアナログ信号をデジタル信号に変換する装置であり、電話回線やケーブルテレビ回線で使われます。
LANケーブルの寿命は15〜20年
LANケーブルは5mで1000円が目安。
1Gbpsプランの人はカテゴリ5e〜6を、10Gbpsプランの人はカテゴリ6A ・7・7Aのどれかを選びましょう。
LANケーブルは机の下に敷くなど強い圧力をかけたり折り曲げると故障したり寿命が縮まりますからご注意を。
LANケーブルのツメ部分は軟質プラスチックでできているため折れにくいですが、それでも何度も抜き差しすると折れることもあります。
光回線の費用の相場と寿命【間接部門】
次は個人宅では直接的に見えにくい費用を見ていきましょう。
光ファイバーの寿命は20〜28年
より正確に言うと光ファイバーの寿命は以下が目安になります。
- 屋外で空中に架かっている光ファイバーは20年
- 地下埋設の光ファイバーは28年
- 海底の光ファイバーは21年
- 自宅内の光ファイバーは25年
光ファイバーは光回線の核ともいえる線材であり、高性能のガラスやプラスチックでできています。当然、ガラスやプラスチックは経年劣化します。
光ファイバーの価格は1mあたり400~5000円くらいと幅があります。
光ファイバーの価格は長さだけでなく、コネクタの数と形状、プラスチック線維かガラス繊維か、コアの直径、芯数、被覆の質と厚さで価格は変わります。
基本的に個人宅内の配線にちょっと使うだけなら安いので大丈夫ですけどね。
光ファイバーは長距離向けのシングルモードと短距離向けのマルチモードがあり、前者のほうが価格は高いです。
光ファイバーを融着接合する工具は数十万円します。
参考記事
海底ケーブルの寿命は20〜25年
海底ケーブルは光ファイバーを深海の水圧にも耐えられるよう直径2~6センチにまで分厚くコーティングした高性能ケーブルです。
海底ケーブルは太平洋横断レベルのもので500億円くらいの敷設費用がかかります。
これは海底ケーブルの素材価格だけでなく、輸送船や人件費も含めた総費用。
海底ケーブルへのテロ可能性は低い?
海底ケーブルが断線するとしたら、漁船の漁具や船のイカリ、自然災害による偶発的な破損が原因として多いです。
海底ケーブルを意図的に切るテロの可能性もありえますが、今までの歴史でわざと海底ケーブルを切断した事例は少ないと見られています。
海底ケーブルは予備もありますから、1本だけ切れたくらいではすぐに被害が判明しないこともしばしば。
東京湾からアメリカ西海岸の直線距離は約8800km。
電信柱の寿命は40〜50年:私設タイプもある
電信柱は私人が自分の敷地内に自分の判断で建てる私設タイプと、企業が道路に建てる公共タイプとがあります。
私設タイプはやや小型であり、電信柱の配送費と建設費も含めて10〜40万円が目安。
私設の電信柱は、広い敷地の世帯が敷地の途中でケーブル類が垂れ下がらないようにしたり、ケーブル類が空中で他人の家に入らないように方向を変えるのに使ったりします。
私設の電信柱の中には内部が空洞になっていて、それを通じて地中配線できるタイプもあります。
公共タイプの電信柱は私設タイプより大きいですから30〜90万円が目安。
以上の費用からは土地代をのぞいてあります。
ケーブル類の地中化費用
ケーブル類の地中化費用は1kmあたり2〜5億円かかります。
地中化すると大規模災害のときに復旧しにくいという説がありますが、これには異論もあり、条件や環境によって変わるという見方が強まっています。
基本的に台風は空中のケーブルにダメージを与えますが、地中のケーブルにはダメージを与えないように、災害の種類や頻度は違うからです。