ネット環境

光回線の地域差【速度やPing値とともに解説】

2024年3月15日

光回線は以下の条件が揃うほど速いが地域差もある

  • 独自回線や電力系回線
  • 速度プランが高い(1Gbpsプランより10Gbpsプランのほうが速い)
  • 人口密度が低い地域のほうが速い
  • 周辺住民がネットをあまり使っていない時間帯のほうが速い
  • 世帯内でネット接続している端末台数が少ない(端末台数が多すぎると遅くなる)
  • マンションより一戸建て住宅のほうが速い
  • マンションではVDSL方式より光配線方式のほうが速い
  • IPv4・PPoE方式よりIPv6・IPoE方式のほうが速い
  • 無線LANルーターの性能や置き場所に問題がない(1Gbpsプランと10Gbpsプランとでは合うルーターやケーブルは違う)
  • Ping値は東京に近いほうがよい数値が出やすい(わかりにくいので後述)

以上の中で地域差が直接的に関係する項目は、事業者の種類、速度プラン、人口密度、マンションか否か、混雑する時間帯、Ping値です。

今回はこのような光回線の地域差やPing値について解説していきます。

光回線の地域差【速度とPing値】

まずは事業者の提供エリアの地域差について。

光回線の種類

光回線事業の中でもフレッツ光や光コラボは提供エリアが全国的に広いですが、独自回線や電力系回線は提供エリアが狭いです。

※光コラボとはNTT東西以外の事業者がNTT東西のフレッツ光回線を借りて、そこに独自サービスを組み込んだ光回線事業のこと。

フレッツ光と光コラボの提供エリア・通信速度がほぼ同じなのはこのため(正確に言うとプロバイダの違いによる速度差はある)。

※プロバイダとはネット回線をインターネットにつなげる事業者のこと。

このプロバイダの設備水準によっても通信速度に少しの差がつきます。

光回線の中でもとくに電力系回線の提供エリアは、中部地方のコミュファ光、関西地方のeo光、中国地方のメガ・エッグ光、四国地方のピカラ光、九州地方のBBIQ光とそれぞれ狭いです。

独自回線や電力系回線はユーザー数が多いフレッツ光や光コラボとは別系統の回線であり混雑しにくいですから、速度重視の世帯に合っています。

速度プランの地域差がある

光回線の通信速度は速度プランによっても差が出ます。

たとえば1Gbpsプランと10Gbpsプランでは10Gbpsプランのほうが速いですが、10Gbpsプランは月額料金はもちろん、必要な設備水準も高いです。

設備水準とは、無線LANルーター、LANケーブル、LANカードのこと。

さらに10Gbpsプランは人口が多い地域で供給する傾向があるように1Gbpsプランよりも提供している地域が狭いです。

究極的にはNURO光の20Gbpsプランは東京の港区と豊島区でしか提供していません。

人口密度と使用時間帯も地域差がある

光回線はその地域の人口(ネット使用人口)が少ないほど通信速度は速いです。

とくにマンションは設備を共有部に集約してから各戸に供給している構造ですから、一戸建て住宅よりも通信速度は遅いです。

一般に住宅地ではネット使用が多い時間帯は外出先からの帰宅者が多くなった夜に集まる傾向があります。

オフィス街では平日昼に混雑しやすいです。

ただし、最近ではテレワークもぼちぼち普及しているので例外的な地域もあります。

通信速度とPing値:一部ゲーマーに重要

Ping値(レイテンシ)とは、データが送信元(ユーザーの端末)から目的地(業者のサーバー)までを往復する時間のこと。

これは光回線の評価・測定でよく出てくる事項であり、地域差があります。

Pingは「ピング」または「ピン」と読みます。Ping値の単位はms(ミリセカンド=ミリ秒)。

データの往復時間は短いほうがユーザーにとって望ましいですから、Ping値もまた小さいほうが望ましいです。

Ping値をわかりやすく

ネットの閲覧、メール、SNS、動画視聴、オンライン会議については光回線でありさえすればPing値は気にしなくて大丈夫。Ping値がちょっと大きくてもまずストレスになりません。

問題はFPS、格闘、レーシングといったオンラインゲームをするとき。これらはゲームの中でも通信速度やPing値が重要です。

このときの理想的なPing値は0~10msですが、10~20msでもまあ許容範囲でしょう。

地域性の考慮:Ping値と回線速度

人口過密の東京

東京23区の人口過密地帯

一般にネット回線の通信速度は東京23区のような過密地域では地方(東京から遠い地域)より遅くなりやすいです。

ただし、Ping値は送受信者とサーバーとの物理的な距離が近いほど低い値が出ます。

サーバーは東京近辺の設置が多いですから、東京から離れた地域ほどPing値は高めに出やすいです。

光コラボは北海道から沖縄まで提供エリアとしているため地域によってPing値もさまざまですが、電力系回線はいずれの業者も東京から離れた地域を提供エリアとしているためPing値は高めに出やすいです。

海外サーバー経由だとPing値はもっと高い。
地域性や住宅構造の違いに配慮されていない速度ランキングとか他サイトにあるよな。

具体的なPing値の目安

  • NURO光2Gbpsプランの平均Ping値は11~13ms
  • 光コラボの1Gbpsプランの平均Ping値は16~24ms
  • 光コラボの最大速度10Gbpsプランの平均Ping値は10~13ms

地域ごとの料金差はほとんどない

現在、日本では東京都や大阪府のような大都会地域が大きい都道府県ほど賃金も物価も高い傾向があります。

それでは光回線の月額料金や工事費はというと、地域差はほとんどありません。田舎だから光回線の月額料金が安いとかはほとんどないのです。

したがって、光回線の月額料金は賃金が低い地域ほど割高感があります。

これには以下のような理由があります。

  • 田舎や離島は不動産費用が安いが、田舎や離島だと世帯が少ないため事業者にとって収益率が悪いから値引きしにくい
  • 全国を提供エリアとする光回線業者にとって地域ごとに細かく料金を分けるのは難しいし面倒だから

ただ、人口密度が高い地域だと混雑対策として光回線の速度プランは10Gbpsにすることがありますが、田舎だとそういう必要性がなくなってくる分については出費が抑えられます。

地方のケーブルテレビは光回線も提供しているが大きな価格差はない

たとえば岩手県の花巻エリアには花巻ケーブルテレビという事業者があります。

こういう「地域名+ケーブルテレビ」という名称の事業者は全国各地にあり、光回線も提供している場合がよくあります。

光回線はNTTやKDDIから設備を借りれば地方の事業者でも提供できるからです。

地域密着の事業者でも全国区の事業者でも料金に大きな地域差はありません。

ただし、地域密着のケーブルテレビ事業者のほうがサポートは丁寧だという可能性はありえます。

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