LTE内蔵のノートパソコンとはSIMカードを契約すればWi-Fiがない環境でもノートパソコン単体でモバイルデータ通信としてインターネットに接続できる機種のこと。
ここでの一番の注目点はインターネット接続の方法にあります。
でも「SIMカードやモバイルデータ通信って何?」と思う人も多いでしょう。
そこで今回はLTE対応のノートパソコンの意味とメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
ポイントはLTEだけでなく、テザリング、モバイルデータ通信、SIMカード、Wi-Fi、タブレットのセルラーモデルと合わせて覚えること。
このほうがスマホや通信料金の知識までも深まるからです。

※今回の解説は厳密にいうと例外や不正確なところがありますが、厳密な記述だとわかりにくくなるため、わかりやすさを優先します。
※LTEとは携帯電話向けの通信規格のこと。Long Term Evolutionの略です。
目次
LTE内蔵ノートPC【モバイルデータ通信やテザリングの意味】
スマホ、ノートパソコン、タブレットのインターネット接続方法は以下のとおり。
モバイルデータ通信 | Wi-Fi | |
一般的なスマホ(SIMカードあり) | ○ | ○ |
スマホ(SIMカードなし) | × | ○ |
一般的なノートパソコン | × | ○ |
LTE内蔵ノートパソコン(SIMカードあり) | ○ | ○ |
Wi-Fiのみのタブレット | × | ○ |
セルラーモデルのタブレット(SIMカードあり) | ○ | ○ |
モバイルデータ通信もWi-Fiもインターネットの接続方式みたいなもの。
どの端末もWi-Fiには対応していますが、モバイルデータ通信に対応しているのは一般的なスマホ、LTE対応のノートパソコン、セルラーモデルのタブレットだけなのです。

モバイルデータ通信の意味をおさえよう
モバイルデータ通信とは携帯電話会社の基地局・回線を使ってインターネットに接続すること。
モバイル(mobile)とは「持ち運びできる」という意味であるように、モバイルデータ通信は携帯できる機器向けの通信です。
スマホでモバイルデータ通信を使うほど、いわゆるギガ(GB、データ容量)を消費します。
あなたが1か月ごとに携帯電話会社に支払っているスマホ料金は、基地局およびモバイルデータ通信を使わせてもらった対価だと考えてください。

携帯キャリアの基地局
モバイルデータ通信を使うにはSIMカードが必要
携帯電話会社の基地局・回線を使うにはSIMカードが必要ですから、SIMカードなしのスマホはモバイルデータ通信が使えません。

SIMカード
SIMカードとは契約者個人を識別するカードのこと。
SIMカードによって個人は専用の電話番号をもち、SIMカードをスマホに入れるとモバイルデータ通信が使えるようになり、その使用状況は通信事業者に捕捉され、スマホ料金を支払うのです。
スマホを契約するときに個人情報やクレジットカード情報を提出する必要があるのは、モバイルデータ通信使用の対価として料金を毎月支払う必要があるからです。

モバイルデータ通信は基地局経由だから屋外でも使える

モバイルデータ通信の仕組み
携帯電話会社の基地局は半径数百m~数キロごとに屋外に設置されています。
屋外や自動車内のようなWi-Fiがない環境でもスマホでインターネットに無線接続できるのは、基地局とそのモバイルデータ通信のおかげです。
※Wi-Fiとはモバイルデータ通信ではない無線でのインターネット接続とお考えください(Wi-Fiの正確な意味は違いますが正確な意味はややこしいので省略)。
Wi-Fiは屋内で使うのが基本
しかし、多くのノートパソコンはWi-Fiでしかインターネットに接続できないのであって、モバイルデータ通信は使えません。
ノートパソコンには基本的にSIMカードが入っていないからです。
ノートパソコンを通販で買うときは届け先の住所入力は必要ですが、本人確認書類やクレカが必要ではないのはパソコンにSIMカードは入っていないから。
ノートパソコンそのものには月額の通信料金が発生しないのです。
多くのノートパソコンはモバイルデータ通信には対応してないため、Wi-Fiがない環境(乗り物の車内や海岸など)ではインターネットに接続できないのです。


※Wi-Fiはおもに光回線という通信手段によって提供されています。
※光回線の利用箇所は個人宅、ビルのオフィス、コンビニ、大学構内、大都会の駅など特定の場所(とくに建物内部)ごとが基本です。光回線の通信料金はその建物の主が支払います。これはスマホが個人ごとに支払うのとは対照的。
Wi-Fiがない環境でネット接続する場合の手段の一つがLTE対応ノート
スマホはモバイルデータ通信とWi-Fiの両方に対応していて便利ですが、ノートパソコンの多くはWi-Fiにしか対応していません。
そのためノートパソコンユーザーの中には「Wi-Fiがない環境でもスマホのようにインターネットに接続したい」と思っているユーザーがいます。
このときに使う手段として、テザリング、モバイルルーター、LTE内蔵のノートパソコンがあります。
テザリングの意味
テザリングとはスマホのモバイルデータ通信機能を使って単体ではWi-Fiでしかインターネット接続できないパソコンやタブレットなどをインターネットに接続すること。
もちろん、このときスマホのギガ(データ容量)を消費してしまいますけどね。
テザリングにおけるスマホとパソコンの接続方法としてはWi-Fi、USBケーブル、Bluetoothがあります。

テザリングの仕組み

テザリングのメリット
- モバイルルーターがなくても、Wi-Fiにしか対応していないノートパソコンやタブレットをモバイルデータ通信経由でインターネットに接続できる
テザリングのデメリット
- スマホのギガやバッテリーを大きめに消費する
- スマホの通話中は利用不可
- 通信速度はあまり速くない
- 携帯電話会社によっては有料オプションとして申し込む必要がある(申し込みの必要がない会社もある)
携帯ゲーム機やカーナビの中にもテザリングに対応した端末が結構あります。
テザリング、LTE内蔵ノートPC、セルラーモデルの使用場面
しかし、ノートパソコン単体やタブレット単体でもセルラーモデル(LTE内蔵)でSIMカードを契約すればモバイルデータ通信としてインターネットに接続できます。
この場合、スマホのテザリングやモバイルルーターは必要ありません。
テザリングやLTE内蔵ノートパソコンの使用場面は以下のとおり。
- 自宅に光回線やホームルーターがない大学生が自宅のパソコンでレポートを作成していて、それを大学に行かずオンラインで提出したいとき
- カフェ、レストラン、図書館、キャンプ場、海水浴場などでノートパソコン経由でインターネットを使いたいけど、そこにWi-Fiがないとき
- 近くにWi-Fiは一応あるが、フリーWi-FiであるためWi-Fi使用をためらう人
- 電車やタクシーといった移動中でもノートパソコンやタブレットからインターネットにアクセスしたい人(新幹線や一部の特急ならWi-Fiあり)
- Wi-Fiはあるけどその速度が遅い場合、テザリングのほうが速い場合もあるからテザリングを使う(一般的にはWi-Fiのほうが速い)


一般論としてフリーWi-Fiのセキュリティは十分とはいえません。
しかしフリーWi-Fiでも、信頼できる施設で提供されている正規のWi-Fi、URLが「https」から始まるサイトのみを見る、個人情報のやり取りはしない、といったことを守れば、安全性は上がります。
まあそれでも100%の安全性ではありませんが。
ノートパソコンやタブレットのLTE内蔵モデル
ここでノートパソコンとタブレットのインターネット接続を整理してみます。
- 一般的なノートパソコン、タブレットのWi-Fiのみモデル
Wi-Fiやテザリングによるインターネット接続は可能だが、モバイルデータ通信は使えない
- ノートパソコンのLTE内蔵モデル、タブレットのセルラーモデル
携帯電話会社と契約してSIMカードを入れればパソコン単体やタブレット単体でもモバイルデータ通信が使える
タブレットやノートパソコンはWi-Fiがない環境ではインターネット接続できなくてもいいという人はWi-Fiのみというモデルを買うのがおすすめ。
Wi-Fiがない環境でもタブレット単体やノートパソコン単体でインターネットに接続したい人はWi-Fi+セルラー(LTE内蔵)を買ってSIM契約するのがおすすめ。
※Cellular(セルラー)とは携帯という意味であり、タブレットもパソコンもCellularモデルのほうが本体価格は高いです。
※SIMカードを搭載したノートパソコンやタブレットは、盗まれたり紛失した場合であっても遠隔操作によるデータ消去やロックなどができます。ビジネスマンがLTE対応のノートパソコンを買うのはこのためでもあります。
LTE内蔵ノートPCのメリットとデメリット
LTE内蔵ノートPCのメリット
- Wi-Fiがない環境でもインターネットに接続できる(接続エリアはスマホと同じ)
- モバイルルーターを持ち歩くよりは持ち物が少なくて済む
- セキュリティの危ないフリーWi-Fiを避けられる
- 紛失時は遠隔操作でデータ消去やロックができる
LTE内蔵ノートPCのデメリット
- 通常のWi-Fi接続のみのモデルよりも本体価格は高い
- スマホと同じように有料でSIMカード契約しないとモバイルデータ通信は使えない
- LTE対応機種は少ない
まとめ
LTE対応のノートパソコンならHPというメーカーがラインナップが多くて、なおかつLTE対応モデルとしては安くておすすめ。
ただし、Chromebookという機種は特殊であるため、Chromebookの特性がよくわからないのならChromebook以外の機種を選びましょう。