
インターネットには善と悪があり、それは表裏一体
今回はインターネットの問題点・デメリットとメリットについて事例を交えながらわかりやすく解説します。
インターネットは大きな便利さと問題をもたらしたように、その功罪は現代人にとって見過ごせないものがあります。
私は政治経済本の著者であり日本のインターネット普及に大きく貢献した村井純教授のもとで学んでいました。
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インターネットの問題点【デメリットとメリット】
まずはインターネットの問題点・デメリットについて。
インターネットの問題点・デメリット
- 情報弱者は窮地に追い込まれる(デジタルディバイド)
- 業種によっては実店舗の経営は厳しくなったり人員削減を迫られる(独学・DIYも広まる)
- オンラインでお手軽に入手するのは危険なものもある
- 合理化されすぎた買い物はワクワク感に乏しい
- 年齢認証に実効性はあるか疑問
- 格差が拡大する
- 途上国・破綻国家から脱出しようとする人が増える
- よくも悪くも個別化がすすむ
- おすすめ機能によって偏見が進行する
- 会話が減る
- 非婚化や少子化につながる?
- 無礼な人、ネット弁慶の出現
- 見た目重視、見栄っ張りになる(ルッキズム)
- 記事タイトルや動画は過激なほうが即効性がある(中身はスカスカ)
- 主張や世論が極端な方向へ行く場合がある
- 陰謀論のような怪しい情報も出回る
- 文法や語法のミスが広がりやすい
- ウイルスや詐欺
- しょうもない広告がたくさん届く
- 疑り深くなる
- ランキング1位はあまりあてにならない
- 実際に会わないがゆえの詐欺
- よくも悪くもデータや情報の価値が上がるから情報の漏えいも起きる
- 著作権侵害の危険性
- デジタルタトゥーが残る場合あり
- 情報過多⇒依存症になる⇒現実逃避
- 自分と他人を比べて劣等感をもったり、下の人を見て蔑んだりする(気になることが無駄に増えた)
- 考える力が下がる?
- せっかちになる:切り取り問題
参考:インターネットのメリット・利点
- 日本語圏だけでも莫大な情報量
GoogleやBingのような検索エンジンによって便利に選り分けられる
- 各人の好みに合った多様なコンテンツが生まれる
テレビ中心の時代ではSMAPのような国民的アイドルが生まれたが、現代では人気者はYouTubeやSNSにも現れるなど人気は分散している
- 日本にいながらも世界中の情報がわかる
海外の人ともつながれる
- 24時間いつでも好きなときに見られる
メンテナンスやサーバー落ちの時間以外は見放題
- GAFAMのようにIT産業は寡占化しやすい
日本でも経済圏をめぐった勝者となるべく大企業はプラットフォーマーになりたがる(たとえば楽天は通販、金融、スマホ、エンタメなど広範囲に勢力を伸ばしたがる)
- リンクがたくさんあるからユーザーは数珠つなぎに見ていける
たとえばWikipediaでは6クリック以内でどんなページにも内部リンクだけでたどりつける
- 自宅の家電類は出先からでもスマホでコントロールできる
前もって空調を利かせると、それだけ電力消費は大きくなる
- 電話・通話に出るのが億劫なタイプでもコミュニケーションがとりやすい
メールやLINEは便利だし、年功序列にとらわれない議論もできる(匿名のメールや掲示板投稿なら内部告発もしやすい)
- 無駄足を省ける
公式サイトを調べれば実店舗の閉店や営業時間の情報がわかるし、確定申告もオンラインで済ませられる(在庫情報がオンライン化されていればなお便利)
- 遠隔地との通信を利用して能力を向上できる
たとえば将棋はプロの弟子にならないと強くなれなかったが、今ではオンライン対局やAIによって将棋が強くなれる(オンライン英会話とかもそう)
- 登録端末の位置がわかる
それをもっている家族や徘徊者の位置もわかる(アメリカでは特定の犯罪者の住所までもオンライン公開)
- 音楽や動画はオンライン化のほうが便利
CDやDVDといった実体あるディスクよりも資源を節約しやすい
- ダイナミックプライシングを導入しやすい
価格をそのときの需給に合わせて変更しやすい
- 販売店にとって人数の割に多くの商品を扱える
書店の商品数は実店舗だと従業員数に比例するが、電子書籍なら従業員数の割にかなり多くの本を扱える
- 情報獲得のコストは下がった
光回線の月額料金は新聞1紙の月額購読料と変わらない(高いと言っている人はスマホの高額プランが基準になっているのかも)
- 人気の動画やブログは各専門分野の解説がわかりやすい
間違いも多少あるが…
- テレビは不要になった家庭もある
NHKの受信料を支払わなくても済む
- テレビよりまともな情報、テレビが隠してきた情報もある
テレビよりひどい情報もある
- ネット空間の発信者はテレビほど広告主に忖度しない
テレビ番組より自由な表現がしやすいから視聴者にとっても面白い
- 金融業の手数料は下がった
短期売買がしやすくなった
- 個人ごとに情報を簡単に発信できる(個人でもかなり稼げる)
ブログ、SNS、YouTubeは弱気な個人でも発信できるし、それによって新たな文化も生まれるし、マスコミが隠したがっていた情報にも触れられる
- 遊びと仕事の境界線が曖昧な分野がある
SNSやYouTube配信で稼いでいる人にとって、SNSやYouTubeは遊びとも仕事ともいえる(遊びっぽい仕事のほうがストレスは少ない)
- 個人単位で売買できる
ヤフオク、メルカリ、minne、ココナラはその典型(Uberのような評判メカニズムにも注目)
- クラウドファンディングや投げ銭など個人が出資を得やすくなった
新たな起業につながる
- 刻々と更新される情報
株価、天気予報、スポーツの途中経過は刻々と更新される(紙書物は出版したらそれっきりだが、ネット情報は発信後に間違いを訂正できる)(Googleマップも緩やかな速度で更新される)
- 自分が欲しい商品について最安値がわかる(これも刻々と更新)
生鮮食品は産地によって価値が違うし、管理や出荷が面倒であるため発展途上
- 最新ニュースについて人々の反応がすぐに見られる(これも刻々と現れる)
たとえば音楽家が亡くなったニュースが流れたとき、その故人の曲は自分所有のCDで聴くよりもYouTubeでみんなのコメントを見ながら聴いたりする
- 集合知としての情報・情報の民主化
Wikipediaやピクシブ百科事典はみんなで編集していく(みんなの専門分野を活かせるし、みんなで間違いを発見して訂正できる)
- オンラインで診療や確定申告、物件内見
出かけなくても済む
- オンラインの指導で能力向上
とくに外国語の会話能力向上に使える
- 翻訳、文章生成、オンラインストレージなど多様なツールが格安で利用できる
仕事を効率化できる
- 著作権フリーの素材、無料ソフト、AI生成
それらを組み合わせた新たなクリエイター作品が生まれる(たとえば漫画を描くスキルのない人が漫画を描ける無料ソフトがある)
功罪:リアル販売店や情報弱者は窮地に追い込まれる
インターネットの発達によって費用が下がった業種といえば以下が挙げられます。
ネットが使える消費者にはメリットだが…
- 金融商品の取引手数料
ネット証券のほうが安い(日本株の現物取引なら無料の会社もある)
- お金の振込手数料
ネットバンクは安いが実店舗の手数料は昔より上がっているところもある
- スマホ料金
オンラインで契約できるプランのほうが安い
- ビデオ視聴
YouTubeは基本的に無料だし、ネットフリックスのような有料見放題は安い
- 本
ネットなら著作権切れの本はすぐに無料で読めるし、電子書籍の読み放題サービスも安くて便利
- 新聞
ネットでさまざまなメディアを読むほうが安いし情報や意見も偏らない
- 音楽
AmazonやSpotifyのサブスク、YouTubeで無料化されている音楽のほうが安い
- ゲームソフト
ゲーム自体はそれなりに売れているが、ダウンロード販売が多いように実店舗はいらなくなっている(ダウンロード販売なら売り切れも発生しない)
あなたの身の回りでも、店頭証券、銀行の支店(実店舗)、携帯ショップ、レンタルビデオ店、書店、新聞販売店、CD販売店、ゲームソフト販売店の数はかなり減ったはず。

役所関係の手続きもオンラインで済ませられることは増えています。
パソコンの購入も実店舗よりネット通販のほうが基本的に安いです。
これはインターネットを使いこなせるユーザーにとってはメリットになるとしても、ネットを使いこなせない高齢者・情報弱者にとっては暮らしにくくなります。
やはり生まれた時点ですでにインターネットが活性化していた世代と、そうではない世代と、その中間の世代とではインターネットや端末(スマホ、PC、タブレット)への習熟度が違います。
実店舗の経営は厳しくなる
今まで携帯ショップ代理店を経営していたフランチャイズオーナーは収益低下や廃業に追いやられたり、銀行は社員や支店の削減に取り組んだりします。
そしてリストラ対象の社員は転職を余儀なくされるわけです。
テレワークが広まれば通勤電車の乗客も減ることから鉄道会社の経営なんかも圧迫する場合があります。
都市部の駅前ではそういった店が閉店していることから、商業系の土地を住宅地向けに転用できる例もありますけどね。
これは都市部の土地利用としては合理的ともいえます。
※本や新聞紙より電子版、DVDよりネット動画、実体あるゲームソフトやCDよりダウンロード販売のほうが資源の使い方としては節約できるのかも。
※昨今ではChatGPTのような生成AIによって事務職やイラスト制作者の人数がいらなくなってきていることも問題点かも。でも、これは人材不足の分野に人材を回せるように効率化にもなります。
独学やDIYといった合理化によって職人の世界が変わる
たとえば寿司職人になるには「飯炊き3年、握り8年」といわれるなど数年にわたって修行することが常識とされていました。
しかし、そういう古いお店では無駄な下積み作業も多いとのこと。
それよりもYouTubeや学校で料理法だけを合理的に学べば、数か月で寿司職人としての技術は身につけられます。
あるいはたとえば家の外壁塗装や植木剪定なんかも職人の専門領域とされていましたが、ネット(YouTube、SNS、ブログ)での影響によってDIY(自分でやる)が広まりつつあります。
外壁塗装や植木剪定には危険な面もあるとはいえ(とくに高所)、DIYが広まると業者の売り上げは下がるでしょう。
消費者としては支出が減りますし、参入しやすくなりますけどね。
薬の通販は大丈夫?
国によって規制の度合いは違いますがネット通販を通じて薬が手に入る国も世界にはあります。
確かにこれは便利ですし調剤薬局よりコストも減りそうですが、薬のお手軽な入手は危険でもあります。


実店舗に偽物を置くと摘発されやすいように売りにくいですが、インターネットならまだ偽物販売の抜け道があります。
オンライン販売だと画像のすり替えや加工によってごまかせますから、高級品はメーカー公式サイト以外では買いにくいでしょう。
実際、偽物ばかりの高級腕時計の販売サイトは消えてはまた新しいのが生まれてきます(日本語対応のもある)。メルカリやヤフオクの個人販売も怪しいですね。
合理化されすぎた買い物はつまらない:リアル体験の欠如
今の時代の買い物はAmazonで眺めてからボタンを「ポチる」だけで手続きはすぐに終わります。
慣れれば実に便利で簡単。
今の時代、誕生日プレゼントには上記のようなオンラインで使うギフトカードを欲しがる子もいます。
これだと現物だけでなくオンラインのゲーム課金に投じることもできますからね。
マクドナルドのような外食店でも前もってスマホで注文しておけば店内では受け取るだけです。
でも、これって味気ないことなのかも。
たとえば、あなたが子どものころのプレゼントは実店舗のおもちゃコーナーで自分でおもちゃを選んだでしょう。それをレジにもっていったときは妙に興奮したはず。
ネット通販ばかり浸透すると、こういうリアルな買い物体験や店員との会話も薄れていくんですよ。
客が店員と近くで会話をしないのは、あの病との関係上はいいことですし、注文を間違えにくいかもしれませんけど…。
YouTubeで旅行動画を見ると、それに満足してしまって旅行に行かなくなる場合もあります。



年齢認証に実効性はあるか?
大人向けのサイトでは上記のような年齢認証が出現することがあります。
でも、「年齢認証ボタンは意味ない」「こんなのザル」と感じる人は多いでしょう。
つまり、インターネットでは子どもも大人向けのコンテンツが見れてしまうわけです。
親がフィルターをかけることで防御できますけどね。
インターネットによって格差は広がる
たとえばスマホの料金プランは実店舗で契約するよりオンラインのほうが安いです。こういう格差はほかにもあります。
たとえばウェブサイト運営者・ブロガーにとって「転職エージェント、おすすめ」でGoogle検索したときに1位になる記事をもっていると1か月につき数千万円~億単位のお金が稼げます。
しかし、検索順位は下位や圏外だと雀の涙ほどしか稼げません。
YouTuberにしても最上位クラスは1年間につき億単位のお金を稼いでいますが、下位クラスはかなり少ないです。
ブログやYouTubeを副業にする人は結構いますが、収入格差はかなり大きいのが現状です。


企業レベルのITビジネスにおいてもGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)の5社はめちゃくちゃ強くて、ほかのIT企業に大きな差をつけています。
日本でも経済圏の覇権をめぐって、楽天、ドコモ、KDDI、ソフトバンク、イオンなどが競争しているのは経済圏の覇権をにぎると(=プラットフォーマー)大きな利益が得られるから。

途上国・破綻国家から脱出しようとする人が増える
スマホおよびインターネットは途上国にもぼちぼち普及しています。
で、途上国の人が他国の生活ぶりをネットで見ると「こっちの国のほうが母国よりよさそう」と考えて移民が増えます。
基本的に途上国のテレビや新聞は他国のよいところを伝えたがりませんが、インターネットなら見れてしまいますから。
まあインターネットの利用が大幅制限されている独裁国もありますけどね。
さらに動画投稿サイトでも成功した移民が「各地の移民よ、こっちへ来い、いいところだぞ」とアピールする動画があります。
移民が治安を乱すとすれば、移民がうらやましがるような恵まれた国にとってはデメリットだといえます。

たとえば戦争の報道は日本のテレビだとギリギリ見られるレベルの死傷者が映りますが、インターネットだともっともっとひどい死傷者が閲覧できてしまいます。
とくに海外サイトはそういう情報があふれています。
ひどい死傷者を見ると戦争の当事国への怒り・悲しさが増幅することもしばしば。

問題点:よくも悪くも個別化がすすむ
昭和~平成初期の家庭では家族そろって同じテレビ番組を見ることが定着しており、同じような話題を共有していました。
しかし、今の時代はよくも悪くも個別化・多様化しています。
たとえばYouTubeは家族の各自がアカウントを開設することで、各自の端末(スマホ、PC、タブレット、テレビ)で自分の好きなチャンネルを見やすいです。


かつてのSMAPはテレビが強い時代に全盛期を迎えたがゆえに国民的アイドルになれた感じがします。
でも、今の時代は国民の好み・価値観が多様化しています。これはYouTubeにさまざまな人気者がいることからも明らか。したがって、テレビや芸能事務所の力が弱まっていますからSMAP級の国民的アイドルが現れるのか疑問です。
日本のスポーツ人気もかつては地上波ではかならずといっていいほど巨人戦が中継されていたように野球に偏っていましたがが、現在では分散しつつあります
情報収集バイアス:自分の好きなものばかり見てしまう危険性

Amazonのおすすめ機能と再び購入機能
YouTube側としても、その個人の好みや視聴履歴に合った動画ばかりを自動的におすすめしてきます。これもYouTubeはユーザーにたくさんの動画を見てもらいたがるから。
各種のSNSやネット通販もその登録個人の好みに合わせたものばかりをおすすめしてきます。
ネットフリックスのような動画見放題も便利。
かつて日本の19時~21時といえばプロ野球の巨人戦がかならずといっていいほど地上波で中継されていましたが、現在ではDAZNやスカパーといった有料コンテンツとして選択的に見る分野になっています。
娯楽コンテンツは自分の好きなものばかり見てもあまり問題ないでしょうが、政治コンテンツは自分の好きなものばかり見ていると意見が偏る可能性があります。
これを「バイアス(偏見)」といいます。中国では共産党政権がネット検閲を行うことで国民の思想が偏っている面もありますけどね。
会話が減る場合あり
インターネットと端末によって個別化がすすむと家族間や恋人感で会話が減るとも指摘されます。
実際、日本のレストランや電車内を見渡すと、せっかく恋人や家族として複数名で外出しているのに、たがいの会話は少なくて、自分のスマホにばかり静かに集中している人をよく見かけます。
平和な環境があって恋人や家族がいて一緒に外出できるって結構幸せなことなんですけどね…。
リアルでの会話よりも、SNSや掲示板での発言文字量のほうが多いという人も結構いるのでは?
個別化は悪いとは限りませんが、だからといってリアルの会話が少ないのも問題でしょう。


SNSや動画コメントなどで感動を共有していると、それはそれでコミュニケーションともいえます。
たとえば『未来少年コナン』というアニメに感動したのに身近に共感してくれる人がいないと寂しいですが、ネットなら感動した人ばかりが集うこともできます。
私は『未来少年コナン』のDVDセットをもっていましたが、見るときはYouTubeで公式サイトが無料放送してくれる『未来少年コナン』が多いです。これだとみんなのコメントが見れるから。
オンラインゲームでもマイクで会話をしながらプレイするものもあります。
ネットの娯楽によって少子化がすすむ?
インターネットの世界では娯楽コンテンツが充実しています。当然あっち系も。
これはいいこともありますが、現実の異性に興味がなくなってしまい、非婚化⇒少子化という流れになってしまうことも考えられます。
無礼な人、ネット弁慶:年齢にとらわれない議論
インターネットはだれでも手軽に発信できるがゆえに、SNSや掲示板では「リアルではそんな無礼に会話しないだろ」というレベルで無礼な人もいます。
リアルの会話が少ないから、そんなに無礼になるんでしょうかね。
日本のリアル社会の議論だと年功序列や役職配慮になりがちですが、オンラインの掲示板やTwitterなら年功や役職に配慮しすぎない自由な議論もできます。
それでも一定のマナーは必要でしょうけど。




見た目重視、見栄っ張りになる:ルッキズムに至る
インターネットの中でもネット通販やSNSは見た目がとても重要です。YouTubeみたいな動画分野だと聴覚も重要ですけどね。
やはりインターネットの世界では触覚・嗅覚・味覚が使えませんし、画像は加工や照明によってごまかせますから視覚が圧倒的に重要になるわけです。
実際、今の日本は全体的に少子高齢化・人口減少状態なのに美容整形や筋トレの市場規模は伸びています。
ピアノ演奏のYouTuberなんかも若い美人がコスプレしていると、それだけでかなりの人気が出ます。
しかしというか当然というべきか、いざ通販商品を開封してみたり、SNSの有名人物と対面するとガッカリすることもあります。
マッチングアプリのプロフィール写真、美容整形のビフォーアフター写真、通販商品の写真などについて加工すると違法になる可能性もあります。
人間は見た目も大事ですが、内面も大事ですから、見た目ばかりを磨くのは問題があるかもしれません。「顔面偏差値」とかいう罪な言葉が誕生・拡散したのもインターネットのせいでしょう。
美容整形は、本来やる必要もない人が手を出してしまって改悪の繰り返しに陥っているパターンもあります。



一部のネット通販や品目(とくに靴や服)では少し使ってからの返品が可能。返品を前提にしているサービスもあります。

料理の本質は味だが、最近ではSNS映えやYouTubeで人気者になったシェフのキャラによって売れる店もある
記事タイトルや動画は過激なほうが即効性がある

YouTubeのサムネイル(モザイクあり)
参考:ありがちな記事タイトル詐欺
- 【悲報】【朗報】
大した悲報や朗報じゃない場合が多い
- ○○芸能人再婚
最新事情として再婚するのではなく、何年も前の再婚を今になって持ち出してくる(ウソではないが紛らわしいので腹立たしい)
- 美人すぎる
美人すぎるとは限らない
- ○○の死因がヤバい
まだ存命中の人物について死因を探る記事執筆者のほうがヤバい(同姓同名の一般人を持ち出している場合もある)
- YouTubeだと必要以上に派手なサムネイルで釣るのも常套手段。
世間的に無名の個人にとって自分の動画に注目してもらうのに手っ取り早いのは過激になること。
いや、MrBeast(ミスタービースト)のような超人気YouTuberでさえも過激さは以前より上がっているかもしれません。
過激なだけで違法ではないのならまだいいのですが、いわゆるバイトテロやバカッターは犯罪に相当する行為も結構あります。
文字の記事についてもタイトルは派手なのに内容・中身はスカスカなんていうパターンはよくあります。


主張や世論が極端な方向へ行く場合がある

これが本当の炎上
匿名にしても実名にしてもインターネットで自分の意見を発信したがる人は基本的に目立ちたがる傾向があります。
より大きく目立ち、さらに熱心なファンを獲得するために偏った意見を示すのです。
あなたもどこかの匿名掲示板やヤフコメ、YouTubeコメントなどで極端な意見を目にしたことがあるはず。

それが政治思想だと、中道的で穏健な意見よりも、極右か、極左が目立ちます。やはり中道の政治思想って熱狂的なファンがつきにくいんですよ。
ネトウヨ(ネット右翼)は普遍的に存在します。
日本では政治的に最も支持数が多いのは中道だと思いますが、偏った意見はよくも悪くも目立ちます。
問題:陰謀論のような怪しい情報も出回る
インターネットでは従来のようなテレビ局や新聞社だけでなく一般個人も情報を発信できます。
ここで、この世界の情報のレベルは1~10あるとします。
レベル1は粗悪で嘘っぱち、レベル10は正しくて良質とします。
テレビが流す情報レベルは3~8くらい。テレビは自分たちの利権保持や思想のために真実を意図的に報道しないところがマイナス点です(=報道しない自由)。
一方、インターネットにある情報は1~10と幅広いです。
インターネットにはテレビが報道しない社会の真実もあれば、丸っきりデタラメのフェイク情報もあります。

テレビや新聞は特定の人間が一方的に流すが、Wikipediaはみんなで編集する(よくも悪くも訂正しやすいから編集合戦になることがある)
「課金」は間違いだが広まってもいい?
インターネットが普及する前、発信者といえばテレビ局や新聞社といった組織的なマスコミでした。
マスコミには専門的な校正担当者もいますから、漢字の語法や日本語の文法は正しいものが多いです。
しかし、インターネット時代の今では普通の個人も発信できます。そのため、語法や文法がおかしいのに広まった日本語もあります。
- 課金
本来は「○○会社が消費者に課金する」という形で使うが、今では「ユーザーが課金した(お金を使った)」という意味で使われている(この記事では誤用のほうも使用)
- 「ディズニーランドに行ったけど楽しかった」
「ディズニーランドに行ったら楽しかった」「ディズニーランドに行ったけどつまらなかった」のように使うのが正しい順接・逆接
- 「ず」「づ」を区別しない
ほかにもYouTubeを見ているとテロップについてミスが多いと感じます。

ウイルスや詐欺広告
さて、ここに人生で初めてインターネットに触れる高齢者がいるとします。
今までテレビや新聞が報じるようなニュースしか知らなかった高齢者にとって、インターネットで流れる情報の中にはカルチャーショック級のインパクトをもっているものもあります。
本当はそれがフェイクだとしても、あまりの新鮮さに信じ込んでしまう場合があります。
あるいは過激な広告が出てきたので気になって押してみたら、コンピュータウイルスだったなんてこともあります。
このあたりは情報を自分なりに見極める眼がもとめられています。



しょうもない詐欺メールは件名を見るだけですぐに怪しいとわかるはずだが…
広告主との関係性が違う
テレビもインターネットも運営者は広告主のことをある程度気づかうのが普通。やはり運営者は広告主がいないとやっていけませんから。
でも、テレビ番組の広告主はある程度固定的であるのに対して、インターネットの広告主はテレビよりは流動的な傾向があります。
実際、YouTubeを見ていると表示される広告はさまざまだと気づくでしょう。
つまり、テレビのほうが広告主への忖度(そんたく、気づかうこと)が強いのです。
テレビの広告は基本的に合法かつ穏健ですが、インターネットの広告はまとなものもあれば詐欺もあります。

評判メカニズムはメリットでもデメリットでもある
ネット通販やUber Eats、医療機関などを利用した時に利用者の一部はそのお店や商品の評判・レビューをネットに書き込むものです。
評判がよければ客はますます増え、評判が悪ければ客は減るため改善に向けて努力するという形です。これを評判メカニズムといいます。
インターネットの発達とともに評判の類は大きく増えましたから、消費者はほかの消費者が残した評判をもとに行動しがち。
しかし、このような評判は売買できる部分もありますし、評価者や競合他社が意図的にデタラメを示すこともあるため、あてにならないこともあります。
とくに医療系は、おもに不満が残る人が書き込んでいるからかGoogleクチコミの平均点が低い傾向があります。


実際に会わないがゆえの詐欺が成立する
インターネットでは実際に会わないからこそ成立する詐欺もあります。ロマンス詐欺はその典型。
ロマンス詐欺とは、SNSや交流サイトなどを通じて他人と知り合い、恋人のような関係になり、甘い言葉とともにお金を貢がせる詐欺です。
実際に会ったらまず恋愛に発展しないような人が加害者である場合が多い模様。


ランキング1位はあまりあてにならない
インターネット広告ではよく「1位」「NO.1」という表示が目に入るもの。
商品宣伝に「1位」「NO.1」と書くには日本の法律では明確な根拠が必要です。
しかし、たとえばAmazonの本売上ランキングでは競合の新刊本が弱いタイミングで自著を発売し、自腹で数十万円分の自著を購入すればランキング1位を短期的にはとれます。
ほかにも顧客満足度の調査をする会社は乱立しているため、A社調査の光回線満足度1位、B社調査の光回線満足度1位、C社調査の光回線満足度1位みたいな感じで光回線満足度1位も量産できます。
インターネットの発達によって顧客満足度アンケートはとりやすくなったのですが、その信頼度はあまりあてになりません。
いじめ:著作権侵害の危険性、情報の漏えい
インターネット上のデタラメ情報の中には人を精神的に傷つけるなど匿名いじめが結構あります。
著作権を侵害しているような情報もたくさんあります。
著作権侵害の情報はツールによって共有されることしばしば。
漫画村という海賊版漫画の巨大な閲覧サイト閉鎖と管理人の有罪判決も話題になりました。
企業レベルでも企業秘密や顧客情報が流出したりサイバー攻撃を受けることもあります。

GAFAMはとてつもない量の情報をデータセンターで保管しており、それをビジネスに役立てているようにネット時代ではデータや情報に価値があります。
ちなみに巷では情報商材なるインチキめいた商品も氾濫していますが、普通の一般人にそんなに美味しい情報は流れてきません。
デジタルタトゥーが残るかも
デジタルタトゥーとは、インターネットに投稿した書き込みや情報はひとたび拡散すると完全に消するのはかなり困難であることを意味します。
タトゥーとは入れ墨のこと。
たとえば、ある日本人が大人向け映像を撮ってインターネットに公開して人気になったら海外にも広がり、海外サーバーというところにも保存されてしまいます。
こうなると本人は完全に削除したくなったとしても、完全削除はほとんど不可能になってしまいます。
日本人でも魚拓やスクリーンショットによって恥ずかしい画像や不祥事を記録している人がいますからね。

情報過多⇒依存症になる⇒現実逃避
インターネットの世界では日々、莫大な量の情報が生み出されています。
そういう情報を日々チェックしまくる習慣がついているとネット依存症、現実逃避、頭でっかち(知識は豊富だが行動力がない人)といった精神的な問題に発展する場合があります。
ドライアイや肩こり、運動不足、寝不足といった身体的な問題に発展するのもよく指摘されています。



考える力が下がる?
基本的にインターネット掲示板やTwitterでは長文は好かれません。
当サイト・PC選びんのようなブログでも一文は長くなりすぎないように注意しています。
たとえば「東京はオシャレな街」と述べたら、なぜか「田舎はダサい」と読解する人がいます。
しかし、短文ばかり読んだり、インターネットのわかりやすくて面白い動画ばかりを見ていると、難しい書物の読解や論文の作成が困難になるという指摘もあります。
実際、長い文章だと文章全体の意味が読解できていなくて的外れなコメントが相次いだりもします。
※ネット動画配信者が派手なパフォーマンスをしたがるのも、視聴者はせっかちでつまらなくなるとすぐに離脱するからでもあります。
※現代の知識は専門分化がかなりすすんでいます。たとえば医学はさまざまな分野があるため、A分野の専門医師がB分野を解説する動画ではウソが含まれていたりします(悪気はなく単なる不勉強かも)。
せっかちになる:切り取り問題
インターネットをやっていると「次の画面にすぐ移れ」「ダウンロードやアップロードは早く終わって」「ネット動画は1.5倍速で見たい」という感じでせっかちになります。
さらにユーザーの中には「動画は切り取り動画で要点だけすぐに知りたい」「文章記事は要点だけまとめてほしい」みたいな速度向上を要求します。
でも、動画は特定部分だけ切り取ると配信者が本来主張したこととは意味がズレた動画になってしまうことがあります。
文章記事にしても要点だけまとめたり特定部分だけを切り取ると、もともとの文章全体とは意味がズレたりします。
動画や記事がズレた形で理解されると的外れな批評が相次ぐため配信者は腹を立てます。


インターネットを活かす能力が必要
さらに、たとえばGoogleの翻訳機能は精度が上がっていますが、それでも変な訳になることは結構あります。
ChatGPTのような生成AIもよくできていますが、それでも変な文章生成はよくあります。
これに関して人間は「機械の翻訳機能+自分の能力で修正」「生成AI+自分の能力で修正」で乗り切ることが必要でしょう。
たとえば日本語の同音異義語の変換ミスを直すといった具合です。
つまり、現代人にはインターネットの便利な機能を修正しながら活かす能力が必要になるというわけ。