今回はパソコン価格(値段)の相場について紹介します。
部品や周辺機器、修理代の相場も紹介しますよ。
いくつかの条件に沿って示しますから、まずは条件をご確認ください。
ちなみにパソコン価格に関して最悪のシナリオは中国が台湾を攻撃すること。
今の台湾はパソコン部品をはじめとして半導体の大生産国ですから、台湾経済が滞るとパソコン部品は供給不足となり、価格は大きく上がるでしょう。
タップできるもくじ
パソコン価格の相場条件
- 大まかな税込み価格
- パソコン本体の価格は最低限の構成であって有料オプション類はつけていない
- 中古と書いていない限りどれも新品価格
- 2024年後半時点
- 価格参考サイトはAmazon、メーカー直販、価格コムといった大手サイト(家電量販店のパソコンは余計な機能盛りだくさんで明らかに高いため論外)
パソコンには半導体が多く使われています。半導体は実にさまざまな機械に含まれており、半導体価格は「シリコンサイクル」と呼ばれるように好況(価格上昇)と不況(価格下落)が世界規模で循環します。
このシリコンサイクルは3~4年くらいで一巡しますが、スマホやPC向けと自動車や産業機械とでは生産ラインが違うため、シリコンサイクルもズレます。
2024年10月ではメモリやSSD、グラボの価格は頂点から下落基調ですが、マザーボードの価格は高止まりしています。PC部品は輸入品がやたら多く、まだ円安基調ですからね。
ノートパソコンの相場
※スペックの高低を判断するにはほかにストレージやグラフィックスのスペックも見るべきですが、このページでは省略します。
平均価格 | 向いているユーザー層 | |
低スペックノート Chromebook |
2万~6万円 | デスクトップがメインの人のサブ機 |
標準スペックノート (安いメーカーの場合) |
5.5万~9万円 | ブロガー ビジネスマン 高齢者 文系大学生 ゲームをやらない中高生 |
標準スペックノート (高いメーカーの場合) |
10万~20万円 | |
MIL規格という耐久性の高いノート (CPUやメモリは標準スペック) |
10万~20万円 | 一部のビジネスマン、業務用 |
標準より少し上スペックのノート (安いメーカーの場合) |
10万~12万円 | 理系や芸術系の大学生 一部のイラスト制作者 ライトゲーマー プログラマー |
ゲーミングノートの売れ筋 | 16万円前後 | ゲーマー |
クリエイターノートの売れ筋 | 14万円前後 | 音楽制作者 動画編集者 イラスト制作者 |
最新のMacBook Air | 16.5万円~ | プログラマー 音楽制作者 動画編集者 イラスト制作者 |
ノートパソコンの上位モデル | 20~40万円 | 本格派ゲーマー 4K動画編集者 3Dを扱う人 |
ノートパソコンで最も高い | 100万円 |
標準スペックを満たしていれば、テレワーク(オンライン会議)、電子メール、Microsoft Office、YouTube視聴などは快適にできます。
ちなみに昔(90年代)のノートパソコン価格は30万円台が普通でした。もちろん、それは現在2万円の低スペックノートよりもかなり性能は低かったです。


※ノートパソコンの価格が安いメーカーはDELL、レノボ、HPといった外資系。国産はそれらよりも高いですが、外資系はサポートが有料の場合もある一方で、国産はサポート料金が無料~低料金である場合が多いです。つまり、国産PCは手厚いサポートが本体価格に織り込まれているのです。
※理系の大学生は文系の大学生と同じくらいのスペックで問題ない場合もあります。
※パソコン本体価格に加えてMicrosoft Officeをつけるのであれば+2万円くらいは見込む必要があります。
※小学生~大学院生は手続きを踏めば学割が適用される場合が多いです。
※ノートパソコンのモニターはIPSパネルが主流ですが、価格はTNパネルのほうが数千円は安いです。TNパネルは安いものの、下記のように視野角が狭いという欠点があります(正面以外から眺めると画面が乱れて見える)。

価格とスペックの関係
- 標準スペックノート
安いメーカーの場合は6.5万~9万円、高いメーカーの場合は10万~20万円
たとえば8万円のノートパソコンがあるとしたら、安いメーカーなら標準スペックの範囲ですが、高いメーカーなら低スペック(動作が遅いパソコン)になるのです。
つまり、パソコンを見る際は価格の高低というより「スペックの割に高いか安いか」を見る必要があります。
Amazonでは原価割れ級に安いMicrosoft Office付きのパソコンが売っていることがあります(中古に多い)。
原価割れ級に安いパソコンのソフトはライセンス違反である場合が多く、いずれ使えなくなる可能性もありますのでご注意を。

ゲーミングノート
DELL、レノボ、HP、マウスコンピューターなら13万円台でもグラフィックボード(ゲーマーやクリエイター向け高額部品)がつきますがが、NEC、富士通、VAIO、Panasonicでグラボがつくのは20万円以上が目安。

PC価格をおもに左右するスペック要素
為替(円安、円高)とパソコン価格の関係
国産パソコンであっても主要部品は海外からの輸入に頼っているため、円高だと日本での価格は安くなりやすいです。
大手外資系メーカーのパソコンは生産数が多いため安いというのもありますけどね。
※大手メーカーの中ではDELLとLenovoはパソコン価格を短期間で小刻みに変える傾向があります。基本的に数百円~数千円の変動ですから強く気にする必要はありません。
※2022年の世界的なインフレと日本の円安ではAppleが販売価格を2割くらい上げました。しかし、DELLやLenovoはAppleほど大きな値上げは実行していません。
分離型デスクトップ本体の相場
平均価格 | 向いているユーザー層 | |
低スペック分離型デスクトップ本体 | 2万~5万円 | |
標準スペック分離型デスクトップ本体 (安いメーカーの場合) |
6万~9万円 | ブロガー ビジネスマン 高齢者 ゲームをやらない中高生 |
標準スペック分離型デスクトップ本体 (高いメーカーの場合) |
10万~15万円 | |
標準より少し上のデスクトップ本体 (安いメーカーの場合) |
10万~15万円 | イラスト制作者 短期投資家 ライトゲーマー 音楽制作者 |
ゲーミングデスクトップの売れ筋 | 15万~30万円 | ゲーマー 動画編集者 |
クリエイターデスクトップの売れ筋 | 15万~30万円 | 動画編集者 |
デスクトップの上位モデル | 30万~70万円 | スペックにこだわるゲーマー 理系研究者 3Dを扱うクリエイター |
デスクトップ市販品で最も高い | 110万円~ | 理系研究者 目立ちたがりのYouTuber プロ棋士 |
分離型デスクトップの場合、ほかにモニターやキーボード、マウスも買う必要があります。
キーボードやマウスはこだわるゲーマーやクリエイター以外は安くても大した問題はありません。
デスクトップの場合、モニターが別に必要ですから「デスクトップのほうが高い」と思いますよね。
でも、デスクトップのほうが使用時間の割に寿命が長いですから長期的なコストパフォーマンスはデスクトップのほうが上。
デスクトップのほうが部品や周辺機器を使いまわしやすいですよ。
ちなみにあの有名なYouTuberであるHIKAKINさんが所有しているMac Proは、何から何まで限界までカスタマイズしており価格は800万円とのこと。
個人が所有するレベルのパソコンとしてはこれくらいが最高値だと考えられます。


ベアボーンは安いけど要注意
Amazonをはじめとした一部のネット通販ではベアボーンという半完成品型PCも売っています。
ベアボーンではマザーボード、CPU、電源ユニットなどは最初からデスクトップケースの中に入っている一方で、メモリやストレージ、OSなどは自分で用意して組み込みます。
ベアボーンは安く見えるものの、規格に注意しながら自分で部品とOSを選んで組み込まなければならない以上、完成させるのはちょっと面倒です。

ベアボーンはミニPCサイズが多い(小さめの辞書サイズ)
※ベアボーンの部品構成はメーカーによって違います。
※ベアボーンは最安で2万円くらいから買えますが、自分で別に部品を用意することや組み立てる手間を考えると微妙な価格です。
主要部品の相場
次はパソコン内蔵の主要部品の価格について。CPUは最新~最新マイナス1世代の価格です。
- Celeron
7000円
- Core i3、Ryzen3
1万円台後半
- Core i5、Ryzen5
2万円~3.5万円
- Core i7、Ryzen7
5万円台
- Core i9、Ryzen9
7万~10万円
- メモリ8GB(DDR5)1枚
4000円
- メモリ8GB(DDR4)1枚
2500円
- SSD256GB(PCIe Gen 3.0)
3000円
- ノートパソコン向け液晶パネル
1万円
- 電源(300W)
3000円
- 電源(850W)
2万円
- マザーボード
7000~6万円
- 光学ドライブ
2000~3万円
- グラフィックボード
1万~100万円(売れ筋は3万~7万円くらい)(RTX4060という人気グラボは2024年では4万円が目安)

グラフィックボード
メモリ8GB(DDR4)が2500円というのはコスパが大きいです。
メモリ4GBのパソコンの動作速度にいら立っている人はメモリを増設すべき。
『こち亀』で「インドーズ95億」というネタが生まれた1995年ではメモリは4MBで1500円くらいでした。
そして今では8GBで約2500円ですから、性能の割にメモリ価格は劇的に改善されたことになります。CPUやストレージなんかもそれと同じです。
PCの価格が高い理由
パソコンの価格が高いのはCPUだけで1.5万円以上は当たり前など、各部品をパソコンとして組み立てる以前の段階で高いからです。
しかし、これでも性能あたりの価格は1990年代に比べると大幅に下がったんですよ。
90年代のパソコンは今の激安スマホにも大きく劣るスペックで30万円とかしていましたから。
周辺機器(外部機器)の相場
最安級 | バランスよし | 高級な部類 | |
マウス | 100円 | 2000円前後 | 1万円台 |
キーボード | 900円 | 3000円前後 | 1万~3万円 |
デスクトップモニター | 8000円 | 2万円台 | 7万~20万円 |
モバイルモニター | 1万円 | 1.5万円 | 3万円~ |
モニターアーム | 3000円 | 1万円前後 | 3万~6万円 |
パソコンデスク | 5000円 | 4万円台 | 10万~30万円 |
パソコンチェア | 4000円 | 1万~3万円 | 5万~30万円 |
パソコンスタンド | 100円 | 4000円前後 | |
無線LAN子機 | 700円 | 2000円前後 | |
サウンドカード | 2000円 | 5000円 | 2万円台 |
マウスパッド | 100円 | 2000円前後 | 1万円台 |
液タブ | 1万円台 | 7万円前後 | 15万~50万円 |
板タブ | 4000円 | 1万円台 | 3万~6万円 |
傾き検知ペン | 2000円 | 3000円 | 1万円台 |
高級な部類というのは、操作性にこだわるゲーマーやクリエイター向けで多機能、派手に光るといった特徴があります。
私のおすすめは「バランスよし」の価格帯ですね。これは価格と性能と耐久性についてバランスがいいです。
上記表の中ではたとえばマウスは壊れたとしても身体やパソコンにダメージはありません。
しかし、モニターアーム、パソコンデスク、パソコンチェア、パソコンスタンドは人間やパソコンが乗っかりますから崩れると大きなダメージがあります。
そのため乗っかる系の商品で安くて不安定なものは避けるべき。位置も含めて災害対策をしておいたほうがいいですよ。
有名ソフトの価格
- Windows11(OSのみ)
約6000円
- Chrome OS
無料
- Microsoft Office Home & Business(最新・永続版)
34000円
- Microsoft 365
月額約1000円~
- Adobe Photoshop
月額約1000円~
- Adobe Illustrator
月額2728円
- Adobe Premiere Pro
月額2728円
- ウイルスバスター クラウド
1年あたり5720円
任天堂Switchのゲームソフトとかだと買い切り型の価格設定ですが、PCソフトは買い切り型が減って月額課金が増えていると感じます。
まあPCソフトは無料版でも充実したものが結構あるため、ソフトの価格に関して大きな不満はありませんけどね。
修理代の相場
以下の修理代はユーザー自らが行うのではなく、修理業者に頼んだ場合の技術料の目安です。部品代はそれとは別にかかります。
修理の技術料目安 | |
簡易的な診断のみ | 0円~1000円 |
簡易的な分解 | 2500円 |
分解 | 6000円 |
本格分解 | 1万円 |
内蔵バッテリー交換 | 1万~2万円 |
クリーニング | 2000円~3000円 |
水濡れ診断 | 6000円~ |
水濡れからの洗浄・修理 | 2万円~ |
液晶修理 | 6000円 |
電源修理 | 9000円~ |
OSリカバリ | 4000円 |
ウィルス除去 | 9000円~ |
マザーボード交換 | 1万~2万 |
データ復旧 | 3万~30万 |
ノートパソコンはバッテリー単体だけで5000~1万円、交換技術料に1万~2万円くらいかかります。
着脱式なら素人でも簡単に交換できるんですけどね。というかデスクトップの分解は素人でも割と簡単ですが、ノートはどれも難しいです(保証対象外)。
なお修理代および部品代はMacのほうが高いのほうが傾向があります。
Windows系のパソコン部品は生産数が多いですし共通部品も結構ありますが、Macは独自性とブランド感が高くて部品生産数は少ないため価格も高め。
修理に高い料金がかかるくらいなら新品に買い替えるのも一つの手です。