このページでは2022年に自作PCを組んだ管理人が自作PCに必要なモノ、全体的な注意点、おすすめ部品メーカー、部品ごとの選び方、どこで買うべきかを解説します。
自作PCの部品はこのページで紹介しているような大手メーカーがいい理由
- 部品メーカーは台湾系が多いが、大手メーカーなら英語版サイトや日本語版サイトがあってわかりやすい(日本の代理店も含む)
- 品質が安定している
- 世界的にユーザー数が多いから評判やトラブル対処を聞きやすい
- Amazonやツクモのような有名ショップで入手しやすい
- どんなメーカーでも低確率で初期不良がありうるが、保証期間内であれば大手メーカーのほうが対応がいい
※外資系メーカーは長期休暇に入る時期があり、そのときは対応が遅くなります。中国系の春節はその典型。日本法人ももっている外資系メーカーだと、それは薄れますけどね。
※PCメーカーによる組立完成品としてのデスクトップPCは外資系パーツの寄せ集めであるため中小完成品メーカーと大手完成品メーカーとの差は小さいです。
当サイトの記事の多くは完成品としてのPCを選ぶための記事ですが、この記事は自作レベルでの初心者向け解説になっています。

管理人の自作PC
- 自作PCのスペックは、Cooler Master TD300 Mesh、Core i5-12400、メモリ16GB(Corsair VENGANCE)、SSD500GB(KIOXIA)、GeForce RTX3060(玄人志向)
タップできるもくじ
自作PCに必要なモノとコツ・注意点【初心者でもわかる】
自作PCを組むにあたって100%必要なもの一覧
- CPU
- マザーボード
- メモリ
- PCケース(オープンフレームにするのもあり)
- SSDあるいはHDD(SSDのみという人もいる)
- 電源ユニット
- OS
※マザーボード、PCケース、電源ユニット、グラフィックボード、冷却装置はサイズに気をつけましょう。サイズの組み合わせによってはPCケース内に組み込めない事態が発生します。
※CPUやメモリはマザーボードの端子と規格が合っていないと組み込めません。
※周辺機器としてはモニター、キーボード、マウスが必要です。
自作PCに絶対に必要とはいえないが必要度が高いもの一覧
- CPUクーラー(※1)
- CPUグリス(※2)
- 冷却ファン(※3)
- グラフィックボード(※4)
- 光学ドライブ
※1:CPUクーラー自体は絶対に必要。しかし、CPUはCPUメーカーによる純正クーラー付属モデルもありますから、それとは別にCPUクーラーを買うかは自由です。なおCPU付属の純正クーラーのデザインや性能はイマイチ。
※2:CPUグリスは熱伝導率を高めるための粘着物質。CPUグリスはCPUクーラーに初回分は塗布されている場合がありますから、それで間に合うなら買う必要はありません。
※3:PCケースやグラボにも最初から冷却ファンがついている製品もありますから、それとは別に冷却ファンを買うかは任意です。PC完成後の追加的な設置は簡単。
冷却ファンはCPUやGPUの熱が大きいハイスペック部品を搭載したPCほど多く付けるのが基本ですが、性能の高い大型を搭載して設置数を抑えるのもあり。
※4:CPUが内蔵GPU搭載モデルならグラボがなくても画面は映ります。しかし、自作PCは高めのスペックで組むのが普通であり、グラボがないと高度なゲームやクリエイターソフトできないのでグラボはほぼ必要。
自作PCに必要な道具

磁石付きプラスドライバーと自転車ライトとウレタンフォーム
自作PCに必要な道具一覧
- 長めのプラスドライバー(絶対に必要なのはこのプラスドライバーのみ)
以下はあったら便利な道具
- 細長い磁石(ネジを奥に落としたときに回収するのに便利)(弱い磁石付きのプラスドライバーもある)(強力すぎる磁石は故障を誘発するからダメ)
- 懐中電灯やペンライトなど先端が光るモノ(ネジを奥に落としたときに照らしたり、奥の配線をするときに役立つ)
- ウレタンフォーム(←少し硬いスポンジみたいな素材であり、断熱材や梱包材によく使われている)(マザーボードの裏面は突起が多数あるから、マザボの下にウレタンフォームを敷いて作業すると衝撃が緩和される)
ちなみに静電気防止のために手袋をつける人がいるかもしれませんが、これは注意が必要。
- 何らかの繊維で編まれた手袋
繊維が部品に引っかかってピンを曲げてしまう
- 厚いゴム手袋
厚いため細かい作業がしにくくて部品を落としてしまう
もし手袋をつけるなら毛羽立っている製品や厚いゴム製は避けましょう。
スペック構成の参考例
- CPUはCore i3(Ryzen3)、ミニタワー、メモリ16GB、GeForce RTX3050~3060、空冷、電源500~600W
普通のゲーマーやクリエイター
- CPUはCore i5(Ryzen5)、ミニタワーかミドルタワー、メモリ16~32GB、GeForce RTX3060~3070Ti、空冷、電源600~750W
WQHD画質のゲーマーやクリエイター
- CPUはCore i7(Ryzen7)、ミドルタワー、メモリ16~64GB、GeForce RTX3070Ti~3090Ti、水冷、電源750~1000W
4K画質のゲーマーやクリエイター
- CPUはCore i9(Ryzen9)、ミドルタワーかフルタワー、メモリ32~64GB、GeForce RTX3090~4090、水冷、電源1000~1350W
機械学習、ロマン追求、業務用
※上記のCPU世代は最新~最新より1つ前を前提としています。たとえば古いCore i7の性能は最新のCore i3に劣ります。
※Core i3は第12世代以降ならゲームや動画編集にも結構使えます。
フルタワー | ミニタワー | |
価格 | 高い | ←より安い |
冷却性 | 高い | ←より低い |
拡張性 | 高い | ←より低い |
端子の数 | 多い | ←より少ない |
作業性、メンテナンス (部品の組込や配線のやりやすさ) |
高い | ←より低い |
場所をとるか | かなりとる | ←よりとらない |
「フルタワーにするとパーツを余計につけたくなって費用がかさむ」という意見もあります。
パーツ選びの順番はケースの透明or不透明から決めるのがおすすめ
- ケースの透明or不透明を決める(細かいところは少し後回しでOK)
- CPU
- メモリ、グラフィックボード
- ケース(1より細かいところまで見る)、マザーボード
- ストレージ
- 冷却装置
- 電源
自作PCのパーツ選びはケースの透明or不透明から決めるのがおすすめ。
そもそも最近のPCケースは側面が透明なモノが多いです。側面が透明なケースは内部が見えますから、マザーボードやメモリについて見た目もこだわります。
しかし、不透明ケースは内部が見えませんから、不透明ケースを選んだ人はマザーボードやメモリについて見た目にこだわる意味がなくなります。見た目にこだわらないほうがコストは安くなりやすいです。
たとえば光るメモリは16GBで約1.1万円しますが、光らないメモリならそれと同じ規格で6000円くらい。
つまり、PCケースが透明か不透明かでそこに搭載する部品の見た目や予算も変わりますから最初に選ぶべきポイントになるのです。


参考:透明なケースを選んだ場合の特徴
- 内部の部品を光らせるのに適している
カッコイイと思う人もいれば、目障りに思う人もいる(消費電力も少し上乗せされる)
- フタを開かなくても汚れやマザーボード、冷却装置などの状態がわかる
PCの異常に早く気づきやすい(光の状態からも察知できる)(部品の温度や使用率に応じて光り方を変えられる)
- フィギュアを飾って眺められる
フィギュアはエアフローの邪魔になったり熱で変形したりする可能性もある
- 配線が汚いと見栄えが悪いから裏配線として整理したくなる(不透明ケースなら配線を隠せる)
強化ガラスは割れる可能性もありますが、よほどの衝撃でないと割れません。

裏配線の例
次はCPUを決めるのがおすすめ。
というのもパソコンのスペックはバランスをとるのが大原則です。
たとえばCore i9は性能がとても高いCPUですから、Core i9に対してはメモリやグラフィックボードのスペックも高くしないとつり合いがとれません(バランスがとれていないと性能を発揮しにくい)。
スペックの高いグラフィックボードはサイズも大きいです。
スペックの高いCPUやグラボは発熱も大きいですから、PCケースは排熱性の高い大きなサイズが合っています。大きなケースなら冷却ファンやHDDの数も多く搭載しやすいです。
ケースが大きいのならマザーボードのサイズも大きいのを選ぶのが基本。大きなマザーボードはメモリスロットが4本はあります。
冷却ファンは設置の数や種類について自由度が高いですが、最初に透明ケースを選んだのなら水冷のほうが見栄えはいいです。
最後に電源ユニットは、これまで選んできた部品の消費電力(とくにCPUとグラフィックボード)を見て容量が大きめのモノを選びます。
参考:自作PCに中古パーツを使っても大丈夫?
自作PCが難しくなる構成
- 旧世代や中古のパーツを使う(互換性やら故障対応が面倒)
- 小型ケース(内部が窮屈だからキレイに配線するのが難しい)
- 本格水冷(設置もメンテナンスも空冷や簡易水冷のほうが楽)

中古でも大丈夫なパーツがあるとしたらCPU、メモリ、ケースです。
CPUとメモリはそう簡単に故障しませんが、古いCPUはCPUソケットの規格も古いですからマザーボードには気をつけてください。
中古のケースはネジやスペーサーが付属していない場合にご注意ください。ネジやスペーサーはホームセンターに売っているモノで大丈夫です。
スペーサーとはケースの中にマザーボードを取り付ける際に間に入るパーツのこと。
マザーボード裏の金属部がケースの金属部に触れるとショートしうるためスペーサーが必要です。最近ではケースとスペーサーが一体になったケースもあります。
中古で購入をおすすめしないパーツは、マザーボード、グラフィックボード、電源、ストレージ(SSD、HDD)です。
以上のはパーツは故障しやすいように寿命が短いですから新品での購入をおすすめします。

自作PC全体の注意事項・コツ

自作PC完成後に余った黒いケーブル(将来使うかも)
※自作PCの色は内部の部品やケーブルも含めて全体的に統一させたほうがキレイに仕上がります。しかし、白色系の部品で統一してつくるとなると、黒色系よりもお金がかかりやすいです。


※静かさを重視するなら各部の空冷ファンの回転数を下げたり(回転数を変えられる製品もある)水冷化するのが基本。回転数を下げると冷却性が下がりますし、水冷は設置もメンテナンスも面倒ですけどね。

※YouTubeやブログ、Twitterも参考にするとよりよい自作PCができやすいです。
※説明書は面倒くさがって読まない人がいますが、配線を間違えないためにもマザーボードとケースの説明書は読むべき。

左側はミリネジ、右側はインチネジ(ミリネジの穴にインチネジを使うと外れなくなる場合がある)
※必要なケーブル類やネジ類は各部品ごとに付属しているのが基本。普通に組むならわざわざ別に買う必要はほぼありません。派手なPCをつくるなら別のケーブルが必要になる場合がありますが、それは普通に組んで動作してから挑みましょう。
※管理人は海外製の冷却ファンを買ったら適当なネジが入っていなかった経験があります。そのネジは特殊な規格ではないためホームセンターでいくらでも手に入りますけどね。見た目にこだわらなければ冷却ファンは結束バンドで固定してもいいですよ。
※変換ケーブルを使うと接続してはいけない組み合わせも実現できてしまうため、変換ケーブルは詳しい人以外は使うべきではありません。

各種ケーブル、コネクタ、メモリはまっすぐに奥まで差し込もう

保護フィルム類は剥がそう:マザーボード、M.2 SSDのヒートシンク、グラボのファン付近などにある(ケースの保護フィルムは最後の最後に剥がそう)

CPUソケットの保護カバー
※部品の箱内あるいは箱表面には保証書がついていますから、保証期間が終わるまでは保管しておきましょう。CPUソケットのカバーも保証時に必要。
ついでにいうとSSDやメモリの表面に貼られているシールは型番やシリアルナンバーの特定に役立つとともに保証の際にも必要になります。

参考:部品と寿命
- CPU、メモリ(RAM)
10年以上もつから次のPCにも使いまわしやすい
- ストレージ(SSD、HDD)、電源、マザーボード、グラボ
正しく使っていたとしても3~7年くらいで壊れるから次のPCに使いまわしにくい
- ケース
電源スイッチやUSB端子が劣化してもなおせるなら10年もつ
メモリやグラボはオーバークロックすると寿命が縮まりやすいです。
オーバークロックとはメーカー公式の基準値を上回る水準で動作させること。
部品メーカーの注意点
※PC部品は外国製がとても多いです。その説明書は日本語訳がついている製品もあれば、日本語訳がない製品もあります。たとえばPCケースの解説は文字は最小限で、絵図で解説するものが多いです。
※たとえばSSDの製造はアメリカ企業が多いですが、アメリカ企業の製造拠点は中国や台湾の場合もよくあります。PC部品メーカー自体は中国は多くないですが、中国で製造する企業は多いのです。こういうパターンは他の部品でもよくあります。

※今回の記事では部品ごとにさまざまな部品メーカーを示しており、どれも有名なメーカーです。Amazonを見るともっとマイナーなメーカーもありますが、基本的には有名メーカーから選ぶほうが失敗は少ないです。
部品メーカーは統一すべき?
- マザボをASUSにするのならグラボもASUS?
ナンセンス。なぜならグラボのチップ(中核部品)をつくっているのはNVIDIAやAMDであり、他メーカーはそこに基板や冷却ファンをつけて製品化しているにすぎないから。
AMDのCPUとNVIDIAのグラボを組み合わせても問題なし。
もっというと、CPUがインテルだからといってGPUをインテルArcにする必然性もなし。
- 派手に光らせたいなら部品はなるべくコルセア製品に統一すべき?
まあまあ合理的。なぜならコルセア製品はどれもiCUEという公式の無料ソフト1つでもって光り方を細かく同期して調節できるから。コルセア製品は外観も優れていますからデザインの統一感も増します。
このように部品メーカーを統一すると外観や光り方・色味に統一感が出るパターンは多いです。
ただし、iCUEに限らず光り方の調節ソフト(RGBソフト)はほかのソフトと干渉しやすいです。管理人もこれで悩まされた経験があります。
このときは光り方の調節ソフトは一つに統一することで解決しました。光り方の調節ソフトをいくつもインストールするのはおすすめしません。

CorsairのiCUE画面
※部品の光り方はBIOSからも操作できます。BIOSからの設定だと光り方はONかOFFの2択であってiCUEのような細かい調整はできませんけど。
※メーカーによっては別売りのコントローラーから光り方を調節できる場合もあります。
ほかに光り方を調節できる無料ソフトとしてはASUSのArmoury Crateが有名です。
ASUSのマザーボードを使っていて、さらに上記のように光る部品パッケージのどこかにAura Syncと書いてあればArmoury CrateのAura Syncという項目から光り方を調節できます。
- パーツの相性問題が心配だからメーカーはなるべく統一すべき?
ほとんど気にする必要はありません。昔はメーカーが異なるとパーツ同士の相性に問題が発生する場合がありましたが、最近ではほとんど聞かなくなったからです(光り方ソフトの干渉可能性はあり)。
ただし、かなり古い規格の部品を使う場合は問題発生率が高まりますから、自作PCには新しい規格の新品部品を使うべきでしょう。
どうしても相性問題が気になるなら、YouTuberやブロガーの構成をマネすれば問題を回避できます。
もし自作PCで不具合が発生したら、まずは配線ミスや部品単独の初期不良を疑うべきであって相性問題を疑うのはそのあとでしょう。
自作PCのおすすめ部品メーカー
ここからは個別の部品メーカーとチェックポイントについて解説していきます。
CPUのメーカー:インテルとAMDの差は小さい
企業名 | 本社はどこの国? | 有名な製品 |
intel (インテル) |
アメリカ | Celeron Core Xeon |
AMD (エームディー) |
アメリカ | Ryzen Threadripper |
- おすすめメーカー
今のインテルとAMDは甲乙つけがたい
- チェックポイント
メーカー、世代および性能、内蔵GPU搭載モデルか

CPUの表と裏
CPUとはコンピュータの頭脳として機能する装置のこと。
CPUメーカーの選択肢はインテルかAMDの2択であり、価格帯が同じであれば性能差は小さいです。
それは自動車に例えるとトヨタとホンダの違いみたいなもの。インテル(トヨタ)のほうが世界的に売上・知名度が上ですが、AMD(ホンダ)も決して悪くないという感じです。
インテルは第11世代が最新のときはAMDにやや負けていましたが、第12世代以降ではほぼ同列。
Appleは独自規格のCPUをつくっていますが、Macの自作はライセンス的に無理があります。
なおインテル製CPUのFモデル(型番の末尾がF)AMDのRyzenの一部は内蔵GPUが非搭載であるため、グラフィックボードが必要です。
参考記事
メモリのメーカー:メーカー間の性能差は小さい
企業名 | 本社はどこの国? |
SAMSUNG (サムスン) |
韓国 |
SKハイニックス (エスケイハイニックス) |
韓国 |
Micron Technology (マイクロンテクノロジー) (メモリブランドはクルーシャル) |
アメリカ |
↑メモリチップメーカー、↓モジュール化メーカー | |
Kingston (キングストン) |
アメリカ |
Corsair (コルセア) |
アメリカ |
Silicon Power (シリコンパワー) |
台湾 |
Team (チーム) |
台湾 |
KLEVV (クレブ) |
韓国 |
CFD販売(シー・エフ・デー) (ブランドは玄人志向、GALAX) (玄人志向は俗にクロシコと呼ばれる) |
日本 |
CENTURY MICRO (センチュリーマイクロ) |
日本 |
- おすすめメーカー
見た目や光重視ならコルセア、定番のコスパならマイクロンのクルーシャル、国産高級品ならセンチュリーマイクロ
- チェックポイント
容量、デスクトップ向けか(ノート用は通常のデスクトップに差し込めない)、メモリは何枚で構成するか(2枚以上が基本)、DDR4かDDR5か、光るか、光るなら光り方をコントロールできるか、光っていないときの色
メモリは多くの自作派にとっては16~32GBが適当です。
メモリの規格はDDR5はコスパがまだ悪いため現状ではDDR4がおすすめ。
Ryzen 7000シリーズCPUはDDR4メモリがサポート外です。

メモリスロット(メモリの差し込み口)
マザーボードのメモリスロットは2つしかない製品もありますからご注意を。多くの人はメモリ8GB×2の16GBで間に合いますけどね。
たとえばメモリ16GBを設置する場合、16GBを1枚だけ差し込むよりも8GB×2枚を差し込むほうが転送量は上ですからメモリは2枚以上で構成しましょう。

コルセアの光るメモリ
グラフィックボードのメーカー:高額で大きな重要部品
企業名 | 本社はどこの国? | 有名な製品 |
NVIDIA (エヌビディア) |
アメリカ | GeForce RTX A |
AMD (エームディー) |
アメリカ | Radeon |
intel (インテル) |
アメリカ | Intel Arc |
↑グラフィックチップのメーカー、↓それをもとに製品化しているメーカー | ||
ASUS (エイスース) |
台湾 | |
GIGABYTE (ギガバイト) |
台湾 | |
MSI (Micro-Star International ) (エムエスアイ) |
台湾 | |
CFD販売 (ブランドは玄人志向、GALAX) (玄人志向は俗にクロシコと呼ばれる) |
日本 |
- おすすめ製品
NVIDIAのGeForceシリーズ
- チェックポイント
処理性能、冷却ファンの数、ケースに入るか、色、側面が光るか(GeForceシリーズの場合、GTXは光らずRTXは光る傾向あり)

デュアル(2連)ファンのグラボ:サイズは285x124x50mm
グラフィックボードはモニターに画像・動画を高水準で映し出すための部品。トリプル(3連)ファンだとさらに大きいです。
人気のグラボはミドルスペックだとデュアルファン、ハイスペックだとトリプルファンが多いです。トリプルファンのグラボの横幅は335mm前後が目安。
- フルタワー
どんなグラボでも入る
- ミドルタワー
トリプルファンのグラボでも入るはずだが、一応ご確認を
- ミニタワー
トリプルファンは入らないが、デュアルファンなら入るはず
デュアルファンが入らない場合、シングルファン、ロープロファイル(小型版)、外付けモデルを検討しましょう。
グラボは水平(横向き)に組み込むのが基本ですが、たまに違う向きでないと組み込めない場合もあります。
たとえばグラフィックボードのブランドとして日本の玄人志向があります。これはNVIDIAがつくった中核的なチップに他社が基板や冷却ファンなどをつけて製品化したものになります。
このような構造はメモリでも同じで、中核の部品は韓国やアメリカの企業がつくって他社が基板をつけるなどして製品化しています。
参考記事
PCケースのメーカー:見た目だけでなく機能性も大事
企業名 | 本社はどこの国? |
Corsair (コルセア) |
アメリカ |
NZXT (エヌズィーエックスティー) |
アメリカ |
Antec (アンテック) |
アメリカ |
Thermaltake (サーマルテイク) |
台湾 |
Cooler Master (クーラーマスター) |
台湾 |
ASUS (エイスース) |
台湾 |
SilverStone (シルバーストーン) |
台湾 |
Fractal Design (フラクタルデザイン) |
スウェーデン |
- おすすめメーカー
NZXT、コルセア、サーマルテイク、クーラーマスター、フラクタルデザイン
- チェックポイント
サイズ、色、形状、剛性、ケース搭載の冷却ファンの数と光り方、電源ユニットの位置は上か下か(ほとんどは下)、電源ユニットはむき出しか覆い隠されるか、天板は外れるか、正面側の端子の数と位置、裏配線ができるか、サイドパネルの色と材質(透明ならアクリルか強化ガラス)(木材は含まれているか)、エアフロー、メッシュ部分がどれだけあるか(通気性や騒音を左右する)、光学ドライブは搭載可能か
PCケースはすべての部品を包み込むとともに部屋の中で独自の存在感を放ちます。PCケースは自作PCとしてはBTOのパソコンと最も差別化しやすいところ。
そして一度PCを完成させたら内部の部品はあまり触りませんが、ケースの外側はかなり触ります。
そのため「正面側のUSBは適正本数があって抜き差ししやすい(背面端子はマザーボードの領域)」というような機能性も大事です。

左側はスリムタワー、右側はミニ~ミドルタワー級のサイズ(電源は下側設置)
ちなみに日本の長尾製作所はオープンフレームを発売しています。
オープンフレームとはケース自体がないデスクトップPC構造。要するに部品がむき出しの構造です。
ケース自体がない構造だと工場から各家庭に出荷する過程で部品が外れやすい以上、自作PCでしか存在しません。


オープンフレームのPC
最もよくチェックすべきはケースのサイズ。サイズが大きいほど拡張性とメンテナンス性と冷却性が上がりますが、邪魔にもなります。
とくに日本の住宅事情だとフルタワーは大きいため、多くの自作PCにはミニタワー~ミドルタワーがおすすめ。
まあケースおよびマザボが大きいと、ほかの部品はサイズを心配することなくどんどん設置して行けますし、配線が楽になりますけど。
PCケースについて万全を期すならネット通販と実店舗の両方で確認しましょう。
マザーボードのメーカー:CPUソケット以外も大事
企業名 | 本社はどこの国? |
ASUS (エイスース) |
台湾 |
ASRock (アスロック) |
台湾 |
MSI (Micro-Star International) (エムエスアイ) |
台湾 |
GIGABYTE (ギガバイト) |
台湾 |
- おすすめメーカー
ASUSが人気だが価格帯が同じであれば他メーカーと大差ない
- チェックポイント
基板サイズ(ATX>Micro-ATX>Mini-ITX)、CPUソケットの規格、メモリスロット数、メモリはDDR4かDDR5か、オーバークロック対応か、フェーズ数(VRM、回路の数)、ヒートシンクの大きさ、背面側端子の数と規格、外観色、光るか

マザーボード3種類
- ATX(大サイズのマザボ)
フルタワーとミドルタワー向け
- Micro-ATX(中サイズのマザボ)
おもにミニタワー向け
- Mini-ITX(小サイズのマザボ)
ミニタワーとスリムタワー向け
マザーボードは全体の基板であり、ここにさまざまな電子部品や冷却ファンのコネクタを差し込んでいきます。
とくにCPUのメーカーや世代によってCPUソケットの形状(CPUを差し込むところ)は違いますので注意しましょう。



インテル対応のCPUソケット
当然、サイズが大きいマザーボードはサイズが小さなケースに取り付けることはできません。
たとえばATXというサイズのマザーボードは、ケースの規格がATXに対応しているか確認しましょう。

マザボの右上で光が点灯したままだと異常(起動時の一瞬の点灯なら問題なし)
一般にマザーボードは高価であるほどサイズが大きい、ヒートシンク(放熱部)が多くて大きい、放熱性能が高い、CPUの性能を引き出しやすい、端子が充実している(通信速度も速い規格)、一部が光るという特徴があります。
マザーボードの光り方は上記のような異常を知らせるランプはよくあるとしても、全体的に光るタイプは少ないです。

この自作PCのマザボはASUS
ちなみに、たとえばNECがつくった完成品としてのPCを買うと電源を入れたときに出現するロゴはNECですが、自作PCだとマザーボードのブランドロゴが出現するのが普通です。

デスクトップPC背面のLANポート:マザボの価格が高い場合は2.5Gが多い
ストレージのメーカー:SSDはM.2、NVMe、TLCがおすすめな件
以下はSSDのメーカー。
企業名 | 本社はどこの国? |
KIOXIA (キオクシア) |
日本 |
SAMSUNG (サムスン) |
韓国 |
Patriot (パトリオット) |
アメリカ |
Micron Technology (マイクロンテクノロジー) (SSDブランドはクルーシャル) |
アメリカ |
Western Digital (ウエスタンデジタル) |
アメリカ |
Kingston (キングストン) |
アメリカ |
Sandisk (サンディスク) |
アメリカ |
Silicon Power (シリコンパワー) |
台湾 |
- おすすめメーカー
キオクシア、サムスン、マイクロン(クルーシャル)
- チェックポイント
容量、2.5インチ版かM.2か、セル(SLC、MLC、TLC、QLC)

KIOXIAのM.2SSD
ストレージとはデータを長期的に保存する装置のこと。
ストレージはまずSSDとHDDに大別でき、SSDのほうが保存速度・読み込み速度・価格いずれも高いです。
したがって、現代ではSSDを主力ストレージにしてHDDを補助的に使う人が多いです。HDDを搭載しない人もまあまあいます。
SSDの目安は500GB~1TBが基本。ゲームやクリエイターソフトをやらない人なら256GBでもいいんですけどね。

2.5インチSSDは裏配線側につけるので増設しやすい
SSDの規格は2.5インチ版と、それよりコンパクトで速度の速いM.2(エムドットツー)があります。

M.2の中でもSATAとNVMeという2タイプがあり、後者はSATA接続の数倍の速さ。
M.2SSDは新しめのマザーボードにしか差し込めませんが、これから新しいマザーボードを買って自作する人なら問題ないでしょう。
それからSSDの構造はSLC、MLC、TLC、QLCという4つがあって、QLCは安いものの質があまりよくないためおすすめしません。TLCを選ぶのが無難です。
要するにSSDはM.2、NVMe、TLCという規格がおすすめで容量は500GB~1TBが適当だということ。


ストレージ:HDDのメーカー(HDDは搭載しない手もあり)
企業名 | 本社はどこの国? |
Western Digital (ウエスタンデジタル) |
アメリカ |
Seagate (シーゲート) |
アメリカ |
TOSHIBA (トウシバ) |
日本 |
- おすすめメーカー
上記表の中では甲乙つけがたい
- チェックポイント
容量、2.5インチタイプか3.5インチタイプか、rpm(回転数)、PC内に搭載するか外付けか
HDDはSSDより安くて動作速度が遅いです。rpmやメーカーが変わっても大きな差はありません。
上記表で挙げた有名メーカーの中から自分好みの容量を選びましょう。
自作PCの冷却装置(CPUクーラー、空冷、水冷)は自由度が高い
企業名 | 本社はどこの国? |
Noctua (ノクチュア) |
オーストリア |
Cooler Master (クーラーマスター) |
台湾 |
Thermaltake (サーマルテイク) |
台湾 |
Scythe (サイズ) (虎徹で有名) |
日本 |
DeepCool (ディープクール) |
中国 |
KEYNICE (キーナイス) |
中国 |
Corsair (コルセア) |
アメリカ |
NZXT (エヌズィーエックスティー) |
アメリカ |
- おすすめメーカー(空冷)
静かさならノクチュア、光らせたいならコルセア、コスパなら虎徹
- おすすめメーカー(水冷)
コスパ重視ならディープクール、その他定番ならNZXTかコルセアかサーマルテイク(どんなメーカーでも激安品は避けよう)
- チェックポイント
サイズ(縦横と厚さ)、メモリと干渉しないか、使うCPUに合う規格か、rpm(1分間の回転数)、設置の向き(トップフローかサイドフロー)、空冷ならツインタワーか、光り方や回転数を制御できるか、水冷ならソフトチューブかハードチューブか、水冷ヘッドは液晶付きか

赤い枠内はPCケース付属のクーラー、CPUクーラー(緑枠内)はCPUメーカーの純正か別売り、背面(黄枠内)は基本的にケースとは別売り
CPUやグラボはオーバーヒートを防ぐために冷やさなければならない部品です。
しかし、CPUを買うと純正クーラー(空冷、トップフロー)が付いている場合がありますし、グラボは冷却ファンが一体化しているものが多いです。
クーラーなしのCPUやグラボもあります。
PCケースにも最初から冷却ファンがいくつか付いているタイプが多いです。

右側がインテル純正クーラー

左側のCPUクーラーはサイドフロー、右側はトップフロー

CPUクーラー(空冷、サイドフロー)
さらに水冷(冷却水で冷やす装置)を使うのなら空冷ファンは少なくても大丈夫(水冷にも冷却ファンがついている)。
したがって、冷却装置をいくつ導入すべきかは人によって違います。
冷却装置は自由度が高いため、外観面で他人と差別化しやすいともいえます。

水冷のソフトチューブと水冷ヘッド
冷却ファンはサイズが大きくて回転数が多いほどよく冷えますが、騒音も上がります。
Core i9やGeForce RTX3070~みたいな熱い部品を冷やす場合ほど冷却性能を高めましょう。

電源ユニット(PSU)は安物を避けよう
企業名 | 本社はどこの国? |
SUPER FLOWER (スーパーフラワー) |
台湾 |
Seasonic (シーソニック) |
台湾 |
Thermaltake (サーマルテイク) |
台湾 |
MSI (Micro-Star International) (エムエスアイ) |
台湾 |
Cooler Master (クーラーマスター) |
台湾 |
SilverStone (シルバーストーン) |
台湾 |
NZXT (エヌズィーエックスティー) |
アメリカ |
Antec (アンテック) |
アメリカ |
Corsair (コルセア) |
アメリカ |
CFD販売 (ブランドは玄人志向、GALAX) (玄人志向は俗にクロシコと呼ばれる) |
日本 |
- おすすめメーカー
ハイスペックならスーパーフラワーやシーソニック、ミドルならアンテック
- チェックポイント
容量(ワット数)、電力変換効率、サイズ、端子数、保証期間
電源ユニットはコンセントから得られた電気をPC全体に供給する装置として機能します。
もし消費電力の割に電源が足りないとPCの動作がおかしくなったり強制終了する場合があります。
電源は寿命的には消費電力ギリギリの容量ではなく、最大電力消費量の1.5~2倍多めである必要があります。
基本的に電源ユニットは安物を避けるべきというのが定説。安物のほうが早く壊れやすいからです。
たとえ電源容量は少ないとしても8000円以上はするものを選んだほうがいいです。
※価格が高い電源は保証期間もそれなりに充実しています。電源は正しく使っていたとしても3~6年くらいで壊れる以上、保証期間は長いほうがおすすめ。
電源の目安
- CPUはCore i5(Ryzen5)、ミニタワーかミドルタワー、メモリ16GB、GeForce3050~3060Ti、空冷、電源600~750W
普通のゲーマーやクリエイター
- CPUはCore i7(Ryzen7)、ミドルタワー、メモリ16~32GB、GeForce RTX3070~3080Ti、水冷、電源750~1000W
4K画質のゲーマーやクリエイター
- CPUはCore i9(Ryzen9)、ミドルタワーかフルタワー、メモリ32~64GB、GeForce RTX3090~4090、水冷、電源1000~1350W
機械学習、ロマン追求、業務用
電源のサイズはケースがミドルタワー~フルタワーならATXを選びますが、ミニタワーでもATX電源が入る場合があります。
ミニタワーやスリムタワー向けにはSFXを選びましょう。
80PLUS認証とは電力変換効率のこと。電力変換効率とはコンセントの交流電気をPCで使える直流電気に変えるときの効率を意味します。
基本的に電力変換効率は高いほうが浪費が少ないため望ましいです。
手短にいうと80PLUS認証はPLATINUMかGOLDかSILVERを選ぶのがおすすめ。
OSはほぼWindows一択
- Windows
- macOS(macOSをMac以外のPCにインストールするのはライセンス違反)
- Chrome OS(自作PCは高めのスペックで組み、おもに高度なゲームやクリエイターソフトを動かすのに使うから、対応ソフトが少ないChrome OSは向いていない)
- Linux(エンジニア向け)
Windowsの価格は約1.7万円とちょっと高いですが、自作PCにはWindows11 Home(Proは法人向け)をインストールするのが現実的。
ちなみに購入当初からパソコンに入っている場合のWindowsライセンス(メーカーによる完成品PCのWindows)は移行できませんが、自作PCのWindowsライセンスは別のPCに移行できます。
自作PCの部品はどこで買うべき?【ネットと実店舗の併用がおすすめ】
今のあなたは「この部品なら選び方はわかった」「この部品は不安な部分がある」というように部品によって選び方の自信度が違うでしょう。
選び方に自信がある部品についてはネットで注文するのがおすすめ。具体的にはパソコン工房やツクモを使うのです。
自信がない部品についてはパソコン工房、ドスパラ、ツクモの実店舗で店員にたずねてみましょう。以上の店舗は家電量販店と違ってパソコンに専門特化していますから店員の知識は頼りになります。

PC部品はケース以外なら公共交通機関でお持ち帰りできます。管理人はケース以外の自作PC部品を電車で持ち帰った経験もありますが、それなりに重いです(女性には厳しい重さかも)。
PCケースは梱包するとサイズが一層大きくなるため、実店舗で配送を頼むか、ネット通販を選ぶのがいいでしょう。
初期不良の返品期間にはご注意を:一気に買って早期に組もう
メーカーや販売店、そして部品の種類によっては「初期不良の返品期間は○○日まで」という規定があります。
そのためパーツを買ったら早く組んで動作を確認するほうが賢明です。
とくにパソコンの部品はすべてが連関しながら動く以上、自作PCのパーツは一気に買って早く組むべきだといえます。

