上の画像はもともとの画像(PCデータとしての原画像)です。
でも、上の画像のようにそれを同じ明るさの部屋で同じ角度からスマホカメラで撮ったとき、画面の表面処理がグレア(=光沢)とノングレア(=非光沢)ではかなり違うことがわかります。
※グレアは英語のglareから来ています。glareとは「キラキラ光る」という意味。non~は否定形ですね。
※グレアのほうに人影が薄っすら映り込んでいるのは心霊写真なんかじゃなくて管理人の姿…。

グレア画面前のテディベア

ノングレア液晶前でスマホカメラを構える管理人
今回は、このグレアとノングレアについて違いや見分け方、そしてどちらを買うのがおすすめなのかをわかりやすく解説します。
これはパソコンのモニターやタブレットを買う際に意外と重要なことですよ。
※ハーフグレア(半光沢処理)というグレアとノングレアの中間パターンも少しあります。ハーフグレアはグレアのほうにやや近いです。
※HPというパソコンメーカーの場合、グレアをブライトビューと呼んでいます。
※AppleのノートパソコンであるMacBookシリーズ、MicrosoftのSurfaceシリーズはグレアばかりで有名。
※スマートフォンは基本的にどれもグレアであり、ノングレアにするにはフィルムを貼る必要があります。
※発色は明るさ設定や、IPSパネル、VAパネル、TNパネルなどパネルの種類によっても違って見えます。
タップできるもくじ
グレアとノングレアの比較【モニターの見分け方や違い】
まずはグレアとノングレアの見分け方について。
これは簡単で、モニターが黒く暗くなったとき(暗転したとき)あるいはモニターの電源を消したとき、モニターを見てモニターにあなたの顔が反射するように映っていればグレア、ほとんど反射していなければノングレアです。


あるいは表面が汚れていないときに指で触るとツルツルなのがグレア、すりガラスのようなちょっとしたサラサラ感があるのがノングレアという判別方法もあります。
まあこの方法だと画面に指紋がついてしまいますが。
ノングレアは表面をデコボコ(ザラザラ)にすることで映り込みを少なくしています。
それは光を乱反射させることにもなるため画面は白っぽく見えてしまいます(=光は拡散するためコントラストは下がる)。
ベゼルにもグレアとノングレアがある
次に上の画像のベゼルをご覧ください。
ベゼルとはモニターの額縁部分のこと。上の画像でいうと黒い部分です。
左側のベゼルには光沢がなくて、右側のベゼルには光沢があることがわかります。
つまり、ベゼルにもグレアとノングレアがあるということです。
グレアのベゼルに触ると指紋が残るため、ベゼルに手で触れつつフタを開け閉めするノートパソコンのベゼルはノングレアがほとんど。
一方、デスクトップ用モニターのベゼルについてはノングレアが多いものの、一部にグレア製品も出回っています。
グレアとノングレアの比較表
ベゼルのグレアとノングレアは指紋がつきやすいか否かしか違わないなど重要度は低いですが、画面のグレアとノングレアは見栄えや目の疲労感に影響するため結構重要です。
グレア | ノングレア | |
見栄え・発色 | ◎ | ▲(少し白っぽい) |
人や光の映り込み | よく映り込む | 映り込みにくい |
表面の指紋や傷 | 指紋や傷がつきやすいし目立つ | 指紋や傷は目立たない |
表面にホコリがつくか | 吸着しやすい | 普通 |
目の疲労度 | 疲れやすい | 疲れにくい |
販売数 | 少ない | 多い |
向いている人 | 動画やゲームをキレイな画面で見たい人 | 文字や数字の入力を長時間行う人 |
グレアは画像や動画は鮮明に見えるなど見栄えはいいのですが、目が疲れやすいのが難点。
またグレア画面は真っ暗になったり画面に暗い箇所があると、自分の顔がまざまざと映るためビックリします。
こういった目の疲労感と顔の映り込みを嫌う人は多いです。

グレアは照明や太陽光も反射しますから、太陽光のあたる部屋でパソコンを使うのであればモニターの角度調整がちょっと面倒だったりします。
太陽光の角度は時間帯によって変わりますからね。
グレアにノングレアのフィルムを貼ることでノングレア化することもできます。
ただし、この類のフィルムは気泡ができやすいうえに画質が低く見えるため、ノングレアをもとめるのなら最初からノングレアのモニターを買うべき。


ノングレアの見栄えは悪いが目は疲れにくい
一方、ノングレアはその逆で全体的に色の鮮やかさに欠けるため、画像や動画を見ていると物足りない感じがします。
しかし、ノングレアは映り込みが少なく目が疲れにくいため長時間の作業に向いています。
仕事や学業など文字入力中心で使うならノングレア、動画を大きな画面で少し離れたところからキレイに見たいのならグレアがおすすめ。
- 短時間の利用が多い、太陽光が入らない部屋での利用、少し離れたところからの利用、自分の顔が映っても気にならない、画像や動画を見ることが多い
グレアがおすすめ
- 長時間の利用が多い、太陽光が入る部屋での利用、至近距離での利用、自分の顔が映ると気になる、文字の入力や閲覧が多い
ノングレアがおすすめ
動画や画像の編集者は見栄えを優先するならグレアですが、疲労感の少なさを優先してノングレアを選ぶ人も結構います。
パソコンは何かしらの作業を長時間にわたって至近距離で凝視しながら行う場合が多いですから目が疲れやすいのです。
グレアであっても明るさ設定を大きく下げれば、目の疲労はそれなりに抑えることもできます。
逆にノングレアでも明るさ設定を上げすぎると目の疲労感は大きくなります。
ユーザー層によってどっちが優勢かは違う
グレアとノングレアのどちらがいいかはユーザー層によっても違います。
どっちが多い (推測も含む) |
←の理由 | |
企業や役所 | 圧倒的にノングレア | グレアは目が疲れるし、動画はあまり見ないから |
Mac | グレアだらけ | Appleは見栄えを優先するから |
大学生 | ノングレア | 文字入力ばかりに使うならノングレアだけど、 動画やゲームをキレイに見るのならグレア |
芸術系、ゲーマー 動画や画像の編集者 |
ノングレア | 短時間の操作なら見栄えのいいグレアがいいけど、 長時間の操作には目が疲れにくいノングレア |
ブロガー | ノングレア | 文字入力に集中するにはノングレアが適している |
高齢者 | ノングレア | グレアはまぶしいから |
家族共有のパソコン | ノングレア | 一人あたりの操作時間が短ければグレア、 長いのであればノングレア |
大画面で映画やアニメを見る人 | グレア | 離れたところから映画やアニメを見るのならグレア |
家電量販店で買うPC初心者 | グレア | 何も分からず実店舗でグレアを選んでしまう |
PC上級者 | ノングレア | グレアは目が疲れるし映り込みがイヤだから |
日本の企業や役所ではノングレアを使う率が高いといわれています。
しかし、家電量販店のような実店舗だと展示品は見栄え重視でグレアがやや多めに売っている一方で、ネット通販だとノングレアが多いです。
家電量販店で買う初心者は適当にグレアを選んでしまう点には要注意。
PC初心者はグレアの特徴を知ったうえでグレアを選んでいるなら問題ありませんが、PC上級者はノングレアを選ぶ傾向があります。
まとめ:両刀使いもあり
ここまでノングレアを推してきた感じですが、グレア派は少数派ながら一定数います。
メーカー別でいうとHPやAppleはグレア(ブライトビュー)のパソコンもそれなりにつくっています。
ちなみに管理人のデスクトップモニターは1台目がグレアで、2台目がノングレア。
文字入力系の作業はノングレアで行って、動画はグレアで見たりします。
モニター複数台を別々に使うのならグレア・ノングレアをわざと統一しないのもあり。
