一般にデスクトップパソコンの色はブラックかホワイト、そしてゲーミング仕様なら透明も選択肢にあるというくらいです(ゲーミングは内部の光り方が多様)。
しかし、ノートパソコン、スマホ、タブレットの色の選択肢はそれより多いです。
そしてノートパソコンやスマホの色(カラー)はユーザー本人の気分や中古価格を多少左右するため、特徴は覚えておいて損はありません。
ノートパソコンやスマホの色は他の家電にも通じるところがありますよ。わかりやすく解説しますので見ていきましょう。
ポイントはたとえば「緑色はダサい」と考えるのではなく「濃い緑もあれば薄い緑もあるし、表面の光沢具合によっても緑色の印象は変わる」ということです。
原色とは赤、青、黄色のこと。とくに光の三原色だと赤、緑 、青を指します。
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パソコン類の色【タブレットやスマホとも共通点あり】
まず私個人の好みは抜きにして世間で人気のあるカラーはブラック(黒)、シルバー系(グレー、灰色)、ホワイト(白)。
ちなみに自動車のボディカラー人気も日本では1位が白、2位が黒、3位がシルバーとなっています。
白い自動車は夜間の視認性やキズの目立たなさ、リセールバリューが優れているからです。これはパソコンの色選びとかなり似ています。
ノートパソコンの色別の売上順位
- ■ブラック系
- ■シルバー系
- □ホワイト系
- ■レッド系(オレンジやピンクも含む)
- ■ゴールド系(イエローやブラウンも含む)
- ■ブルー系(パソコンではあまり見かけないが、スマホでは割と多い)
- ■グリーン系(パソコンではほとんど見かけないが、スマホでは見かける)
- その他(表面の一部が木目や布地、透明になっているタイプもある)
※他に変わり種としてアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』や『ハローキティ』とタイアップしたオシャレな限定モデルもありました。
上のランキングは1~3位までの売上が突出しています。3位と4位の間には大きな隔たりがあるのです。
とくに学校のパソコンルームや職場のような法人向けパソコンだと白、黒、シルバーのどれかでしょう。
つまり、白、黒、シルバー以外の色を使いたがる率が相対的に高いのは個人です。
※日本市場では法人向けパソコンの売上台数は個人向けの約2倍です。
6位から12位の色はメーカーによる生産量が少ないですし、大した差がありませんから入れ替わります。
これは日本に限らず世界的に同じような傾向にあります。
なぜ以上のような傾向にあるのかは以降の特徴をご覧いただければわかります。
※スマホの人気色は業務用なら白、黒、シルバーのどれか。個人用スマホの人気色はiPhoneの発売色です。
まあiPhoneの色は世代によって変更もありますし、昔のiPhoneを使い続ける人も多いですから人気色を見極めにくいです。
iPhone15の新発売時はブルーの在庫が余っていた一方で、ほかの色は人気でしたが、各色の生産数がわからないため正確な人気色はわかりません(単にブルーの生産数が多かっただけかも)。
※一般に日本人が着るスーツの色といえば、1に黒~チャコールグレー、次にねずみ色か紺色系、という感じで地味で無難な色が多いでしょう。言い換えると、日本人は仕事のときに地味で無難な色のスーツを着たがるのです。
そしてパソコンはスマホよりも仕事感が強いですから、パソコンの人気色はスーツのような地味系が多いのです。一方、スマホはパソコンより娯楽感が強いですから原色系の人気が相対的に高まります。
ちなみにPCでもスマホでも本体色とケーブル色は統一するほうがキレイに見えやすいです。
ホワイトの特徴:膨張色と収縮色
白色パソコンの特徴
- 膨張色であるため大きく見える
- 各サイトの背景色は白が多いため、パソコン本体色が白であればコントラストは低い
- キズは目立ちにくい
- 黒毛の付着が目立つ
- 指紋は目立たない
- 年月とともに少し黄ばむ
- 白色の代表的なイメージは「清潔」「明るい」「軽い」「純粋」
- 自作PC部品で白は少ないため(ケース以外の部品は黒系が多い)、組もうとすると割高になりやすい
膨張色とは膨らんで大きく見える色のこと。明るい色、暖色、白系の色は膨張色です。
収縮色はその逆で縮んで見える色のこと。暗い色、寒色、黒系の色は収縮色です。
たとえば囲碁の石が白黒ともにまったく同じ大きさだとしたら白石のほうが大きく見えるため、現実には黒石のほうが少しだけ大きくできています。これによって黒石と白石は人間の目には同じ大きさに見えるのです。
白色は少し黄ばむ
ヤフオクで1990年代あたりに発売された白いパソコンを検索すると、ほとんどは黄ばんでいます。
白い樹脂が黄ばむのは化学変化や経年劣化、タバコのヤニなどが原因です。太陽光にあたるとそういった劣化は加速します。
しかし、私の知り合いが所有している富士通の白色ノートパソコンは購入してから約10年経っていますが、黄ばみの具合は「わずか」という感じです。
よく見ると黄ばんでいますが、それでもヤフオクに出ている90年代のパソコンよりはかなりマシな黄ばみ具合です。
まあ「わずかな黄ばみでもイヤ」という人は白色のパソコンを買うのはやめましょう。
白い樹脂は黄ばみやすいですが、白く塗装された製品ならまだ黄ばみにくいです。
ブラックの白化度合いは大したことない
黒色パソコンの特徴
- 収縮色であるため小さく見える
- 各サイトの背景色は白が多いため、パソコン本体色が黒であればコントラストは高い
- 熱を吸収しやすい
- キズやホコリ類(白系)の汚れはやや目立つ
- 年月とともに少し白化する
- 黒色の代表的なイメージは「重い」「高級感」「力強い」「暗い」
- iPhoneは黒に近い色が発売されているが、近年のMacに黒色はない
- スマホやタブレットで撮影する際は黒色のほうが目立ちにくい(後述)
黒色は経年変化によって少し白化します。
私の手元にある富士通製の黒いキーボードは購入してから10年近く経っていますが、これまた白化の度合いは「わずか」という感じです。
白化については太陽光があたり続けていない限り大した度合いではないので神経質になる必要はありません。
ちなみに私の主観だと(信頼できる統計はない)、理系男性は黒色系のパソコンを好む一方で、若い女性は白色系のパソコンを好む傾向があると考えています。
シルバーやグレーは無難な色
シルバーやグレーのパソコンの特徴
- 金属感のあるシルバー色はハゲやすい
- 無難なイメージが強い
- シルバー色の代表的なイメージは「上品」「穏やか」「ハッキリしない」「地味」
一般にノートパソコンの色で黒や白、そしてそのほかの原色は樹脂の上に塗料をぬって生産する場合が多いです。
カーボン製のパソコンは黒色系が多いです。
しかし、シルバーやグレーの場合、もともとの材質がアルミ合金やマグネシウム合金でそのうえに塗料をぬらず表面をキレイにするだけで、色は金属そのままのシルバーという場合があります。
塗料としての金属感あるシルバーはハゲやすいですが、金属そのままの色としてのシルバーならハゲません。
売るなら無難な色を選ぶべき
ホワイトとブラックとシルバーの共通した特徴
- ユーザー数がかなり多いため集団の中では目立たない
- 中古価格は安定(買い手の多くは奇抜な色を好まない)
これまで述べたように、ホワイト、ブラック、シルバーのパソコンやスマホはとても多いです。その3色は無難な色であるため、中古価格は安定しています。
あなたが中古パソコンを買う場合であっても奇抜な色のパソコンはよほど安くない限り買いたくないはず。
要するにパソコンを売るときのことを考えると、世間で人気のある無難な色を買ったほうが中古価格は安定しているのです。
大部屋では無難な色のほうが目立たない
また、たとえば大学の大講義室では無難な3色どれかのノートパソコンが全体の8割くらいを占めているでしょう。
そうではない色、たとえば派手な赤や緑のノートパソコンを大講義室で使っているとよくも悪くも目立ちます。
場合によっては教授から指名されるかもしれません。
つまり、集団の中で目立ちたくない人も無難な色のノートパソコンを買うべきだといえます。
「ダサい」が気になる人へ:淡い色はおしゃれ
パソコンの色の場合、白を「ダサい」と思う人はかなり少ないようですが、黒やシルバーみたいな無難な色を「ダサい」と思う人はいます。
あとは「あの人の雰囲気には黒いパソコンが似合うけど赤は似合わない」みたいな相性問題もあります。
色を気にしすぎるとキリがないため気にしすぎないほうがいいと思いますが、一つヒントを出すとすれば黒や赤でも濃さによって色の印象は変わるということ。
個人的には淡い色はおすすめです。
上の画像はエイスースのメタリック感のある赤いノートパソコン。
おそらく「赤の発色が濃すぎ」と思った人が多いでしょう。
さらにメタリック感のない濃い原色だと、子ども向けのおもちゃのような印象を受けます。
一方、こちらの画像はAppleのMacBook Airのローズピンクです。
このような淡いピンクだと赤系の色に対する抵抗感は一気に下がるでしょう。
とくにAppleのローズピンクからは柔らかくて穏やかな印象を受けます。
ローズピンクは、白、黒、グレーほどにはユーザー数が多くない割に女性からの人気はそれなりにあるため中古市場でも値段は下がりにくそうです。
このような淡い色のパソコンは、Apple、DELL、HP(ヒューレット・パッカード)といった欧米外資系メーカーが得意としており、最近では国産でも増えつつあります。
ハゲたときは素材の色が出る
上のiPhoneの色は青を基調としてますが、カメラレンズの縁部分は青色がハゲていることがわかります。
このレンズの縁部分は金属製であり、金属の上の塗料はハゲやすいのです。パソコンでも金属製になっている部分はあります。
ハゲると素材(下地)の色が出てきますが、この金属素材の色はシルバーですから、もし本体色が白やシルバーだったらハゲても大して目立ちません。
しかし、上記のように青色がハゲると目立つというわけ。ほかにも濃い原色はハゲたときに目立ちます。
まあスマホの場合はケースをつければごまかせますますけどね。
机の色との相性は同系色が基本
色は周囲との相性も重要です。
たとえば、上の画像のように薄い色の木製テーブルに合うパソコンの色は薄い系統です。
一般に黒や赤といえば濃い色を連想しがちですが、薄い黒や赤のパソコンは薄い色の机と合います。
逆にゲーミングPCによくある黒色の場合、机の色は濃いほうが相性がいいです。
要するにパソコンと机の色は反対色よりも同系色のほうがいい感じ(自然な感じ)に見えるということ。
以上はインスタグラムやRoomClipでもよく見られる配色パターンです。
色は仕上げによっても違う印象を受ける
機械表面の色は仕上げ(とくに光沢か非光沢か)によっても変わります。
上の画像はスマホではありますが、左側がマット仕上げといって光沢が出ないタイプ(プラモデル風にいうと「つや消し」)、右側が鏡面仕上げといって鏡のようにピカピカにしたタイプ。
その中間くらいのなんともいえない具合の仕上げもあります。
一見すると鏡面仕上げのほうがピカピカしていて見栄えはいいですが、鏡面仕上げは自分の姿が映り込みますしユーザーの指紋・手脂も残りやすいです。
最近の新発売パソコンで鏡面仕上げは少ないと思います。現代人はマット仕上げを好むということでしょう。
まあスマホとノートパソコンとでは色や光沢・非光沢の人気傾向もちょっと違いますけどね。
スマホケースの色が不透明だとスマホ本体の色はわかりにくくなります。
樹脂より金属製やガラス製のほうがカッコイイ
スマホでもパソコンでも筐体(外枠)の素材は、樹脂(プラスチック類)か合金類(アルミ、マグネシウム、カーボン)が基本。
ただし、最近のスマホの背面素材はガラスが混じっているタイプも増えています。
基本的には樹脂よりも合金やガラスのほうが「カッコイイ」と思う人は多いはず。とくにスマホで背面が樹脂製は安っぽく見えやすいです。
スマホでもパソコンでも筐体の素材がカーボン(炭素繊維)だと、表面は独特の編み込み模様になります。
カーボン素材のスマホやパソコンの色はちょっと薄い黒が基本ですが、白や赤などほかの色の製品も少しあります。
キーボードのコントラストにも注目
パソコンの色はキーボードの印字にとっても大事です。
コントラストとは対比という意味。すなわち白と黒という対極同士にある色を組み合わせたキーボードは表面の印字が読みやすいです。
逆にコントラストが近い関係にある色同士を使ったキーボードは印字が見にくいため、おすすめできません。
基本的に市販品はコントラストの強さが意識されたものが多いですが、たまに見にくいキーボードもありますからお気をつけください。
ロゴとのコントラスト
パソコンの天板やスマホの背面には何らかのロゴがついている場合が多いです。
このとき左側のようにロゴがくっきり見えるか、それともロゴがぼやけた感じで見えるかは好みが分かれやすいところ。
まあiPhoneの背面ロゴはスマホケースをつけると透明でない限り見えなくなるため、スマホの場合は強く気にする必要はないかもしれません。
ベゼルの色:モニター周りのコントラストも考えよう
モニター周り(ベゼル、額縁部分)についてもコントラストを見比べてみましょう。
そもそもインターネットの世界では白色を基調(背景)としたウェブサイトがとても多いです。当サイト・PC選びんもまさにそう。
そのためベゼルが白色だと画面とのコントラストが弱い一方で、ベゼルが黒色だと画面とのコントラストが強いです。
まあ最近では「真っ白」のノートパソコンは減っていて、グレーっぽい白とか薄い黒とか曖昧な色が増えていますけどね。
ベゼルの色:暗闇の中でモニターを見た場合の比較
ちなみに暗闇の中でモニターを見ると、黒いベゼルのモニターはベゼルが周りの闇と同化するため光る画面だけが強調されて見えます。
これは映画館みたいな感覚であり、暗い部屋でモニターを眺める人にとっては没入感が強いです。
一方、白やシルバー系のベゼルのモニターは暗闇の中でもベゼル部分が薄っすら見えます。
液晶自体が発する光りが上下左右に飛び散ってベゼルの白色に反射することでベゼルが薄っすら見えるのです。
ゲーミングノートはキーボード周りが白色でベゼルは黒色という機種があるのも、少し周りが暗いところでは没入感が重視されるからでしょう。
スマホやタブレットでカメラを重視するなら黒色
一般にSonyやキャノンなどが発売している本格的なカメラの外観色は非光沢の黒がやたら多いです。
そこには、たとえば野生動物を撮る際にカメラが白やシルバーだと野生動物に気づかれて逃げられやすいという理由があります。
さらに建物のガラスにカメラが映りこんだときは黒色が目立ちにくいという理由もあります。
この理論で言うと、スマホやタブレットのカメラで撮ることを重視する人はなるべく目立たない色を選ぶべきだといえます。
まあ、スマホやタブレットはケースをつければ本来の外観色があまりわからなくなりますが…。
パソコンのカメラはオンラインでの会議や授業のときに自分を撮るのにばかり使いますから、そういう発想とはほぼ無縁です。
豆知識:PC類の部品やケーブルは黒色系が多い
デスクトップPC向けの豆知識もあります。
そもそもデスクトップPCのケースはさまざまな色が選べます。
しかし、デスクトップPC内部の部品やケーブルは黒色系がやたら多いですし、大手組立メーカー製のゲーミングPCはケースも含めて黒色系が多いです。
白色系の部品は自作PC向けのハイスペック・高価格品が多いため、大手組立メーカーはコストがかかる白色系の部品を使いたがらないのです。
デスクトップ周りのガジェットは同系色でまとめるのが基本
たとえばデスクトップPC本体が黒色なら、モニターもキーボードもマウスも黒系の色でまとめると全体的にキレイに見えやすいです。
ただし、デスクトップモニターのベゼル(額縁部分)色は黒が圧倒的に多いため、モニターだけは黒色で、ほかは白色という場合もあります。
まとめ
自分のノートパソコンはユーザーにとってほぼ毎日のように目にするので基本的には「自分が好き、積極的に操作したい」と思える色を選ぶべき。
しかし、パソコンの傷や集団で目立つ度合い、そして中古市場の価格を考えると無難さを優先したほうがよい場合もあります。
- 中古市場での価格の安定感や集団での目立たなさを優先白、黒、シルバー
- 無難な色も濃い原色もイヤなら淡い色、パステルカラー
- とにかく目立ちたいのなら濃い原色
なお本体色とはちょっと違いますが、自分のノートパソコンを目立たせたい、個性を出したいというのならノートパソコンの天板にステッカーを貼るという手もあります。
これなら塗装なしで簡単に実現できます。
注意点はシールを剥がしたときにシール跡がついていると中古として買い取ってもらう際にマイナスポイントになってしまうことくらい。
中には落ち着いたデザインの地味なステッカーもあるためお試しあれ。