PC選び

グラフィックスとは?グラボの選び方

デスクトップパソコンやノートパソコンの販売サイトを見ていると、その仕様欄には以下のような文言を見かけるものです。

グラフィックス インテル UHD グラフィックス
グラフィックス AMD Radeon グラフィックス
グラフィックス GeForce MX350

「グラフィック」という言葉は聞いたことがあるはずですが、パソコン選びにいう「グラフィックス」はよくわかりませんよね。

そこでこの記事ではグラフィックとグラフィックスの意味、そしてそれを理解するにあたって不可欠な内蔵GPUとグラフィックボードの選び方について解説します。

これを読むことでグラフィックスへの理解が深まり、最適なグラフィックスが選べるようになります。

グラフィックボードと内蔵GPU

グラフィックスの違いと要点

  • 内蔵GPU=内蔵グラフィックス=オンボードグラフィック矢印CPUに組み込まれたグラフィック処理機能であり安価。グラフィックの解像度や表示レベルは高くないが、大半のユーザーはこれで満足できる。
  • グラフィックボード(グラボ)=グラフィックカード=ビデオカード矢印独立的なパーツとしてのグラフィック処理装置であり高価(数千円~数十万円)。グラフィックの描画レベルは高い。ゲーマー、動画編集者、高度なイラストを描く人、CADを使う人、モニターを3台以上にする人におすすめ。
  • グラフィックス矢印内蔵GPUとグラフィックボードのどちらも含んだグラフィック処理パーツ全般を指す言葉。

グラフィックスとは?内蔵GPUを知ろう

そもそもグラフィックとは図形や画像、動画といった人間にとっての視覚的要素を意味します。

で、パソコンの仕様欄に書かれているインテルやAMDのグラフィックスとは、パソコン内部でグラフィックの処理と表示を専門的に行うパーツと考えてください。

インテル(Intel)とAMDはアメリカの企業名です。どちらも半導体大手であり有名ですよ。

まあ彼らが設計しているパーツの生産は台湾企業だったりしますが。

高画質の操作は高負荷がかかる

たとえば低スペックのパソコンでも静止画やYouTube動画ならそれなりに美しく表示できます。

しかし、高度なゲームや動画編集となると、プレイヤーの操作についてパソコンが高画質を維持したまますぐに反映してもらう必要があります。

それはパソコンに負荷がかかる動作であり、グラフィックスが高性能でないとスムーズにできないのです。

YouTubeは動画データを読み込んで視聴するだけなら大した性能は必要ありません。

動画を編集するというようなプレイヤーによる命令だと高負荷がかかるのです。

どのグラフィックスを選ぶかはゲーマーや動画編集者など高度なグラフィックを操作する人、そして本体1台でモニターを計3台以上接続する人にとっては重要。

それらをやらない人にとっては重要度が低いです。

※高度なグラフィックとは、4K画質の動画、切り替わりの激しいゲーム画面、3D(3次元映像)、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)などがあてはまります。

CPUとGPUの違いを理解しよう

グラフィックスを理解するにあたって避けられないのがCPUとGPUの違いです。

CPU

CPUの表と裏

CPUとはコンピュータ内で他の装置を制御したりデータを演算する装置を意味します。CPUはコンピュータの頭脳みたいなのもの。

具体的なCPU製品としてはインテルのCoreシリーズ、AMDのRyzenシリーズが有名です。

一方、GPUとはグラフィックばかりを専門的に処理する装置を意味します。

パソコンの内部ではCPUとGPUがそれぞれの得意分野を中心にデータを処理するなど分業体系に沿うことで効率化しています。

CPUはCentral Processing Unitの略(中央演算処理装置という意味)、GPUはGraphics Processing Unitの略(グラフィック処理装置という意味)。

大半の人は内蔵GPUで大丈夫

ここで重要なのはGPUには内蔵型とグラフィックボードがあるということです。

内蔵GPUとはマザーボードやCPUの内部に組み込まれたGPUのこと。

マザーボードについているGPUは「オンボード」、CPUに内蔵されたGPUは「オンチップ」と呼ばれています。

オンチップの内蔵GPUはCPUの機能の一部としてグラフィックを処理します。

内蔵GPUはCPUの付属的な位置づけにあるため性能と消費電力が低いという特徴があります。

したがって、内蔵型GPUも内蔵型GPUを搭載しているパソコンも安いのが基本です。

性能が低いとは言っても、それはYouTubeやNetflixのキレイな動画を見るくらいでは違和感はありません。

※内蔵GPUはCPUと一体的ですから、内蔵GPUのパソコンの場合、内蔵GPUとCPUのメーカーはインテルかAMDのどちらかに統一されています。

※冒頭の「インテル UHDグラフィックス」は内蔵GPUの一種。

※インテルのIris XeグラフィックスというGPUは内蔵GPUとしては高性能で有名。

GPUに基板や冷却ファンをつけるのが基本構造

次はグラフィックボードについて。

さきほどの内蔵GPUはCPUの付属機能みたいなもので価格も性能も低いですが、グラフィックボードは独立的で大きな部品であるため価格も性能も高いです。

グラフィックボード

グラフィックボード

グラフィックボードの中のGPU

グラフィックボードの中のGPU

グラフィックボードは、基板の上に中枢のGPU、ビデオメモリ、冷却ファン、ブラケット(支持具)、端子などをつけるのが基本的な構造。

※ビデオメモリとはGPU専用メモリのこと。GPUの性能が高いほどビデオメモリもまた高いのが基本。

※グラフィックボードのGPUはNVIDIAあるいはAMDという会社がつくったものばかり。

高性能なグラフィックボードほど表示できる色数は多くなるとともにグラフィックの鮮明度が高くなり、グラフィックを遅延なく滑らかに描画できます。

またグラフィックボードはCPUの負荷を軽くするという働きもあります。

ただし、高性能なGPUほど消費電力と発熱が大きいため冷却ファンとボードサイズも大きくなります。

リファレンスモデルとオリジナルモデル

たとえばAmazonで「GeForce RTX 3060」と検索すると、いくつものメーカーによる「GeForce RTX 3060搭載のグラフィックボード」が検索結果に表れます。

グラボのメーカーとしては、GIGABYTE、MSI、ASUS、ZOTAC、玄人志向(GALAKURO GAMING)など。

それらは中枢のGPUはどれもNVIDIA社の「GeForce RTX 3060」だけれども、そこに基板や冷却ファンをつけてグラフィックボードとして製品化したのは別メーカーだということ。

このようにNVIDIAやAMD以外のメーカーによるグラボをオリジナルモデルといいます。

オリジナルモデルは性能を高く引き出そうとする設計が基本。それゆえ発熱量が上がるため冷却ファンも大きい傾向があります。

NVIDIAやAMDのようなGPUをつくっているメーカーがつくった基本設計のグラフィックボードをリファレンスモデル(標準モデル)といいます。

リファレンスモデルは安定性および耐久性を重視した構造になっています。

同じGPUであればグラボメーカーによる性能の違いは大きくありません。

内蔵GPUとグラフィックボードの大まかな序列

グラフィックスの種類 具体例 性能指数
内蔵GPU インテル UHDグラフィックス
AMD Radeonグラフィックス
1~2
内蔵GPU インテル Iris Xe 3~4
グラフィックボード GeForce GTX 750~GeForce GTX 1660Ti 3~6
グラフィックボード GeForce RTX 3050~GeForce RTX 3090 6~10

※大したゲームやクリエイターソフトを動かさないのであれば性能指数1~2のGPUでOK。大半のパソコンは内蔵GPUです。

※Iris Xe搭載を搭載した機種は、性能指数1~2よりは高いレベルのソフトを動かしたい人におすすめ。有名なゲームやクリエイターソフトの中にはIris Xeで快適に動くものもあります。

※性能指数3~6のグラボはそれなりのゲームを快適にやりたい人におすすめ。とくにGeForce GTX 1650あたりはコスパが高いです(数字が大きいほど価格も性能も高い)。

※性能指数6~10のグラボは高度なゲームを上位設定で快適にやりたい人におすすめ。とくにGeForce RTX 3060Ti~RTX3070あたりはコスパが高いです。

グラフィックボードの選び方

グラフィックボードを選ぶ際は、あなたがやりたいゲームやソフトの推奨環境を確認してそれに合ったスペックのものを買うのが基本です。

これを満たさないと、映像はまるでスロー再生しているかのごとくカクカクになったり起動すらできないこともあります。

少しオーバースペックのほうが対応できる範囲は広いからおすすめ。

グラフィックボードの価格を左右する要素

グラフィックボード

グラフィックボードの価格は、まずGPUのグレードが左右します。その次に冷却ファンやブーストクロックの性能が価格を左右しますが、GPUのグレードが占める割合が大きいです。

ブーストクロックとはGPUの処理速度を加速させる装置のこと。ブーストクロックの単位はMHzであり、これが大きいほどブーストクロックの性能は高いです。

グラフィックボードの価格は安いものだと1万円くらいですが、ある程度の性能をもとめるなら3万円以上、すごく高いものだと30万円くらいします。

昨今では半導体は世界的に不足気味であるためグラフィックボードの価格は高値圏にあります。

グラボは大きいからサイズに気をつけよう

グラボはサイズの大きなパーツでありパソコンの内部につけるのが基本。

グラボはパソコンの中に納まるサイズを買うのが基本ですが、外付けにできるタイプやロープロファイルという小型タイプもあります。

そしてグラボはパソコン内部にPCI Expressというスロットに接続します。グラボをそこに接続するのは難しくありません。

グラボのサイズや接続を気にすべきは自作派や交換する人であって、完成品としてのグラボ搭載パソコンを買う人は気にする必要はないです。

NVIDIAのGeForce(ジーフォース)シリーズ

GeForceはゲームや音楽制作(DTM)向けのグラボであり、コスパや消費電力の低さにおいて大人気です。

基本的に音楽制作に高度なグラフィックボードは必要ありません。なぜならグラボは動画やゲーム、イラストといった画像・映像分野でこそ有効なのであって、純粋な音楽制作と画像・映像は関係性が薄いから。

ただし、グラボによる複数画面への出力機能やCPUを助ける機能は音楽制作でも有効ですから、音楽制作者は低めのグラフィックボードをつけるべきというわけ。

あなたがおもにやりたいソフトウェアの動作環境において「DirectX」「MMD」と書いてあればGeForceの中から選びましょう。

GeForceには高価なRTXシリーズ、普通クラスのGTXシリーズ、 モバイル向けのMXシリーズがあります。

おもなGeForce製品(価格は2022年8月調査)
価格の目安 ビデオメモリ(VRAM)
RTX3090 20万円台 24GB
RTX3080Ti 15万円 12GB
RTX3080 12万円 10GB
RTX3070Ti 9万円 8GB
RTX3070 8万円 8GB
RTX3060Ti 7万円 8GB
RTX3060 5万円 12GB
GTX1660 SUPER 4万円 6GB
GTX1660 3.5万円 6GB
GTX1650 2.5万円 4GB
GT1030 1.5万円 2GB
  • GTX 1030~GTX1660 SUPER矢印まあまあ安い、音楽制作向け、ゲームはそこそこできる
  • RTX 3060~RTX 3060Ti矢印グラボ界では中くらいの価格、コスパよし
  • RTX 3070~RTX 3070Ti矢印中の上レベルの性能と価格、多くのゲームにはほどよいオーバースペック感
  • RTX 3080~RTX 3080Ti矢印オーバースペック感がやや強いが、予算に余裕のある人ならあり
  • RTX 3090~RTX 3090Ti矢印性能も価格も高いが多くのゲームにはオーバースペックすぎる気もする

多くの人にはRTX 3060~RTX 3060Tiがおすすめ。4Kのゲームや動画編集なら最低でも3070以上はほしいところ。

GeForceの型番の末尾にある「Ti」とは「Titanium」の略で、たとえばRTX 3060TiならRTX 3060(無印)よりも高性能かつ高価だと考えてください。

SUPERは無印よりも少し高性能であることを意味します。要するにTi>SUPER>無印という序列です。

NVIDIAのRTX Aシリーズ、Tシリーズ、Quadroシリーズ

NVIDIAのRTX AシリーズやTシリーズ、Quadro(クアドロ)は3Dアニメーションや画像解析といったクリエイター分野、CADや3Dモデリングといった理系分野に適した高性能グラボ。

あなたがやりたいソフトウェアの動作環境において「OpenGL」と書いてあったら、グラボは以上のシリーズのどれかがおすすめ。

※NVIDIAのRTX AシリーズやQuadroは高額かつ高性能であるため、そこまでの高性能をもとめないのなら、ほかのシリーズを選びましょう。

AMDのRadeon(レイディオン)RXシリーズ

Radeon RXはゲーム性能に定評があります。

NVIDIAに比べると劣勢になりつつありますが、マイニングに関してはAMDのRadeon RXシリーズのほうが上だといわれています。

高性能のグラボを搭載するならCPUもハイスペックにするなど、グラボとCPUはスペックのバランスをとるのが基本です。

グラフィックボードの冷却装置

高性能なグラボやCPUは発熱量が大きいため、パソコンケース(筐体)のサイズも大きくすべき。

パソコン全体のサイズが大きいほうが部品同士の間隔は広くなって通気性がよくなりますし、サイズの大きい冷却装置も取り付けられるからです。

冷却装置としては、ファン(扇風機)タイプ、ファンレス(扇風機なし)タイプ、水冷式の3つがあります。

  • ファンタイプ(空冷式)矢印最も一般的で多少の騒音が聞こえる
  • ファンレスタイプ矢印冷却性能は低く騒音は小さい
  • 水冷式矢印冷却性能は高く騒音は小さい

パソコン本体側面が透明であれば動いているところが見えますから、冷却ファンのデザインや光り方を基準に選ぶのもありです。

自作派は電源の容量をチェック

それから高性能のグラフィックボードは消費電力も大きいですから、買うグラボに対して電源容量が足りているものを選びましょう。

とくに消費電力の大きいグラフィックボードは補助電源が必要となる場合もあります。

RTX3060なら600W、RTX3080なら850Wくらいが目安になります。

しかし、電源について細かく見るべきは自作派や今のグラボを高性能なもの交換する人です。

グラボが搭載されたメーカー製パソコンを買うのだったら、そのグラボやCPUに合った電源になっていますから心配する必要はありません。

保証もチェック

グラボは独立的で高価なパーツですから、新品として買うと購入後1年間の保証がついているのが一般的。

しかし、中には2年間の保証を行うメーカーもありますから保証内容も確認しましょう。

バンドルはお得?

高価なグラボの購入時はおまけでPCゲームのプレイ券をつけてくれる場合もあります。

これはキャンペーンによってしばしば変わりますからチェックしてみましょう。

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【標準スペック】Ryzen5,メモリ8GB,SSD256GB,IPS液晶│レノボ14インチノートが約6.5万円

【標準より少し上】Core i5,メモリ32GB,SSD1TB,GeForce GTX1650│マウスコンピューター15.6インチノートが約14万円

【ゲーミングノート,ハイスペック】Ryzen5,メモリ16GB,SSD512GB,GeForce RTX3050 Laptop,IPSパネル,リフレッシュレート165Hz│レノボ16インチノートが約12.7万円

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