パソコンとスマホのおもな違い
- 画面サイズPCのほうが大きい
- おもな入力方法PCはキーボードとマウスで、スマホはタッチパネル
- おもな使い方PCは作業重視、スマホは消費重視
- 性能ハイスペック同士の比較ならPCのほうが性能は高い(大型部品を多く搭載できる)
- 端末価格性能比で考えるとPCのほうがやや安い(とくにiPhoneはストレージが高い)
- カスタマイズPCのほうがカスタマイズしやすい
- ネット接続PCはWi-Fi主体、スマホはWi-Fiとモバイルデータ通信
- 共有のしやすさスマホが共有しにくいのは個々の電話番号とLINEと支払い情報と自分で撮った写真が詰まっているから
- カメラPCはインカメラ重視、スマホはアウトカメラ重視
パソコンとスマホ、どっちがいい?【違いは何なの?】
パソコンとスマートフォン(スマホ)、どちらも現代人にとってなくてはならない文明の利器ですね。
このパソコンとスマホについて「どっちがいい?」「違いは何なの?」と疑問に思う人も多いでしょう。
スマホ派(とくに若者)の中には「スマホがあればパソコンはいらない、スマホだけで十分」と考える人さえもいます。
ホリエモンこと堀江貴文さんもそんなことを言っていました。
そこでこのページではパソコンとスマホの違い、そしてどっちがいいのか、スマホとパソコンとタブレットの使い分けを示します。
スマホとPCは同じところも結構あるんですけどね。
ちなみにインターネットとスマホの違いは、インターネットはYahoo!や2ch掲示板といった情報網を指し、スマホはそういう情報網を見るための機械(=端末)です。
日本人の中には「PCはオタクっぽいし難しそう」と思い込んでいる人がいますが、操作の難易度はスマホと大して変わりません。
「Phone=電話」ですからiPhoneを電話と見なす人もいますが、iPhoneもAndroidスマホも実質的には小さなパソコンです。
スティーブ・ジョブズがAppleのスマホをiPhoneと名付けて電話と見せかけて小さなパソコンを世界中に普及させたのは偉大だったといえます。
参考:パソコンとスマホの共通点
- 基本構造が似ているOS(基本ソフト)とマザーボード(基板)とCPU(頭脳)とメモリ(短期記憶装置)とストレージ(長期記憶装置)と電源からできている
- インターネットに接続できる
- OSはアップデートが必要
ちなみにパソコンやスマホの総称は「デバイス」あるいは「情報端末」。
パソコンとスマホの違いを表にしてみた
パソコン | スマホ | |
基本的な理念 | 物事を生産するのに適した機器 | 小さなパソコン 物事を消費するのに適した機器 |
端末と通信の関係 | 担当業者は分離的 | 担当業者は融合的 |
端末を他人と共有できるか | 共有しやすい | 共有しにくい事情がある(後述) |
新品の本体価格 | 標準スペックは7~9万円 ハイスペックは18~30万円 |
標準スペックの中華スマホは2~7万円 最新のiPhoneは10~27万円 |
学割適用 | ある | 通信料に学割はあるが端末代にはほぼない |
買うときに必要なもの | お金のみ | 本体だけならお金 通信契約なら本人確認書類と クレカか預金口座 (個人情報と端末を紐づける) |
寿命 | 3~5年 (デスクトップは延命しやすい) |
3~5年 |
バッテリー | ほぼ内蔵型だが一部に着脱式ノートPCあり | すべて内蔵型 |
本体の生産方法 | 見込み生産 受注生産 自作(自分で部品収集して組立) |
見込み生産 |
主流のOS | Windows macOS Chrome OS |
Android iOS |
OSのサポート期間 | 新発売から10年くらい | Androidで2~4年、iOSで5~8年 |
主流のCPU | Intel Core AMD Ryzen |
Apple Aシリーズ Snapdragon |
主流のメモリ(RAM) | 4~32GB (PCのほうが同時起動ソフトを多くしやすい) |
3~8GB |
主流のストレージ(ROM) | 256GB~1TB | 64~256GB |
インターネット接続 | Wi-Fiが基本だがモバイルデータ通信の対応機あり 参考:LTE内蔵機とテザリング |
Wi-Fiとモバイルデータ通信 |
同じサイトを見る場合の通信量 | 相対的に多い | 相対的に少ない |
電話番号 | 基本的にはないがSkypeなどで取得可能 | SIMカードがあれば電話番号がつく |
フォルダの概念 | 強く存在 | 希薄 |
ネットの使い方 | ブラウザ重視 | アプリ重視 |
人気色 | 黒、白、シルバーが多い (デスクトップなら透明色がある) |
さまざまな色に分散している |
横長か縦長か(変更可) | 横長で使うのが基本 | 縦長で使うのが基本だが自動回転あり |
画面の面積 | 23インチの場合は約1450平方センチメートル | 約70平方センチメートル |
センサー類 | 少ない | 充実している |
内蔵の冷却ファン | 搭載している製品が多い | 搭載していない製品が多い |
ベゼル | やや狭い | かなり狭い |
グレアorノングレア | ノングレアが主流 | グレアが主流 |
重さ | ノートなら1~2kgが主流 | 180g前後 |
入力方法 | キーボードとマウスorタッチパッド | タッチパネル |
文字の入力速度 | キーボードだと速い | 相対的に遅い |
カメラの数 | 1つ(インカメラ) | 2つ(インカメラとアウトカメラ) |
カメラのおもな役割 | 顔認証やオンライン授業など自分を撮るもの | 外部を撮るのに適す(アウトカメラ重視) |
電車内での操作 | 普通の通勤電車内でPCを使うとうざがられる | キーボードがない分だけ使いやすい |
歩きながらの操作 | 歩きノートPCは無理がある | 歩きスマホは一応可能だが迷惑かも… |
使用時の姿勢 | 自由度が低い | 自由度が高い(落としやすくもある) |
机に置かず空中で片手で使用 | × | ◎ |
保護ケース | 持ち運び時にのみつける人が多い | 常につける人が多い (外国人は割とつけない) |
GPSの有無 | ついていないのが普通 | 標準搭載 |
バイブレーションや着信音 | 振動機能はほぼないし着信音は使わない | よく使う |
職場の状況 | 職場ではパソコンが基本で、スマホは連絡系統に使いやすい | |
分解の難易度 | 分解のしやすさは、デスクトップ>>ノートパソコン>スマホ (改造したスマホで電波を使うと電波法違反になりうる) |
|
修理、廃棄、売却時の形 | デスクトップPCならバラバラにできる (生き残った部品だけを使いまわせる) |
一体的 |
拡張性 | 拡張性の高さは、デスクトップ>>ノートパソコン>スマホ | |
端子の数 | 端子の数は、デスクトップ>>ノートパソコン>スマホ | |
目の疲れやすさ | スマホ>パソコン(スマホのほうが目と距離を近づけやすいため疲れやすい) |
スマホがパソコンを上回っている点
パソコンはスマホよりも大きいですから、大型で高出力の部品や冷却装置を搭載しやすいです。
そのため、性能を比べると基本的にはパソコンのほうが上回っていますが、スマホのほうが上回っている点も少しあります。
- 持ち運びやすい
- スマホはマイク内蔵だから音声検索するのに外付けマイクはいらない
- SIMカードを搭載してモバイルデータ通信ができる
- スマホはGPSや加速度センサ、歩数計といったセンサー類が充実している
- スマホはアウトカメラの性能が高い(ノートPCはインカメラだけでアウトカメラはないし画質も新型iPhoneほどよくない)
- スマホでしかできないアプリやサービスがある
- おサイフケータイ
- スマホには懐中電灯機能がある
- 防水性能
とくにデスクトップPCは屋外で持ち運びながら使いませんから、センサー類やアウトカメラを充実させるのはナンセンス。
スマホは雨天の日に外で傘をさしながら使うことがありますが、ノートパソコンでそれはないでしょう。
したがって、防水性能はスマホのほうが高め。スマホメーカーは端子を多くつけたがらないのも、端子から水が入ってくるのを防ぐためでもあります。
↑について、たとえばタブホという雑誌読み放題サービスはスマホ版だと24時間無料お試しがあって、PC版だと無料お試しがないのです。
こういうパターンはほかにもあります。
パソコンにできてスマホにできないこと
- 大きな画面とキーボードを駆使しての高速作業
- ハイスペックのCPUやグラフィックボードがないとできない高度なゲームや3D制作、シミュレーション
- モニターを2~8台つなげてのソフト同時起動
- スマホの機種に光学ドライブ内蔵はない
※日本人の労働生産性が先進国の中では最低レベルにあるのは、スマホは使えるけれどパソコンは効率よく使えない人が多いことが一因。パソコンとインターネットを効率よく使えないと生産性は上がりません。
※もしパソコンを始めるのならゲームや投資など自分が好きな分野から始めるのもいいですよ。文書作成ソフトが面白いと思う人は少ないでしょうから。
パソコンとスマホの設計思想の違い
まずは設計思想の違いについて。
そもそもスマホは「自動車の車載電話⇒ガラケー⇒スマホ」という進化をたどってきましたが、現代のスマホは電話機の延長というよりパソコンに近い構造をしています。
たとえばAndroidやiOSというスマホ向けOS(基本ソフト)はパソコンと似たようなシステムですから、スマホは「小さなパソコン」ともいえます。
現代のスマホは電話機能は二の次でかなり多機能になっているのです。
入力速度の違い
入力手段の基本は、スマホではフリック入力、パソコンではマウスとキーボードによる入力です。
フリック入力の達人とキーボード入力の達人とでは約1.5倍も日本語の入力速度が違います。
とくに日本語の文章はひらがなから漢字への文字変換があり、これはキーボードのスペースキーやタブキーを使うほうが速いのです。
他にもF1~F12までのファンクションキー、シフトキー、タブキー、コントロールキーは便利です。
キーボード入力は慣れればキーボード(手元)は見ずに画面だけ見て両手を使えます。これはタッチタイピングと呼ばれます。
フリック入力でも両手入力はできますが、キーボードと両手を使ったタッチタイピングには根本的にかないません。
タッチパネルと誤タップの問題
基本的にパソコンで何らかの記事を読んでいるときにリンク先に行くにはマウスを左クリックします(左側のクリックボタンを押す)。
パソコンのUI(ユーザーインタフェース)ではリンクのうえにカーソルをあてるだけではリンク先に移らないのです。
しかし、スマホやタブレットのようなタッチパネル式端末は画面を軽くコツンと(タップ)するだけでリンク先に行けます。
タッチパネルは便利なように見えますが、リンクが密集しているような文章を読んでいるときだと誤タップしやすくて少しのストレスを感じます。
使用時の環境と姿勢の違い
スマホはトイレや風呂、電車内、寝床でも使いやすいです。
迷惑や不健康という批判はありますが、寝転んだままや歩きながらでもスマホは使えます。
しかし、パソコン(とくにデスクトップ)は使用時の環境と姿勢が限定されやすいです。
これもキーボードの有無が大きく作用しています。キーボードがあると寝転んだまま操作しにくいですし、普通の通勤電車内では邪魔になるんですよね。
スマホは片手でも操作しやすいがゆえに、街中で落として故障させることがぼちぼちあります。この類の修理代は結構かかります。
しかし、パソコンは机や膝の上で操作するだけに落下させることはほとんどないですね。
画面サイズの違い
平均的なスマホの液晶サイズは縦11cm、横6cmくらいで面積は約70平方センチメートル。
スマホは小さいですから画面一つにつき一つのアプリかサイトを眺めるだけです。
いちいち画面を切り替えるのもパソコンに慣れた人からすると面倒。
一方、PCデスクトップモニターのサイズは縦51cm、横28.4cmくらいで面積は約1450平方センチメートル。
パソコンの液晶サイズはスマホの約20倍もあるのです。2画面にするのも簡単。
ノートパソコンだともう少し小さいですが、それでも動画やゲームの迫力はスマホに比べると段違い。
しかもパソコンは高性能のCPUとメモリとグラフィックボードと冷却装置を搭載できるなど処理速度もスマホよりも上です。
これによって複雑なオンラインゲームも快適に動作できます。
ゲーマーではなくても、たとえばパソコンの左画面はMicrosoftエクセル、右画面はGoogle検索と株価ボードの計3つを同時に起動・閲覧できます。
たとえば大学生がレポートを書くにしても、オンライン授業とMicrosoft WordとGoogle検索を同時表示しながらキーボードで入力するほうが速いです。
あるいはゲーマーがゲームをやる場合、プレイしているゲーム、攻略サイト、動画サイトの3つを同時表示できます。
こういう多画面の同時表示はパソコンでないとほぼ不可能。
つまり、遊ぶにしても仕事にしてもパソコンのほうが効率的なのです。
情報の網羅性が段違い
上の画像のようにパソコンとスマホでは情報の網羅性が段違い。パソコンのほうが情報の全体像を把握しやすいのです。
たとえば株式投資を行う場合、スマホだと数銘柄しか表示できませんが、パソコンなら1画面につき数十銘柄を表示できます。
ほかにも、たとえば確定申告のやり方を調べる場合、パソコンなら少ないスクロールで多くの情報を表示できますが、スマホはスクロールしまくらないと確定申告に必要な情報を表示できません。
何かを調べながら入力する場合、パソコンを使うほうが時間を節約できるのです。
スマホよりパソコンのほうが作業は早く終わるで
- メールの作成
- 会計、確定申告
- 資料作成
- オンラインショッピング
- ブログ運営
- 画像や動画の編集
- プログラミング
- 投資情報の閲覧、IPO(新規公開株)の申込
SPIの試験結果はスマホとパソコンで違う
統計にもパソコンの優位性は表れています。
たとえば、大学入試センター試験の現代文をスマホ画面で解くのとパソコン画面で解く光景を想像してみてください。
どちらが速いかといえば、どう考えてもパソコンのほうが速いでしょう。
最近の就職試験の中にはスマホからでも受験できるタイプもありますが、同じ問題ではパソコンで解いたほうが統計上の正解率は上がることがわかっています。
原因としては、選択肢ボタンの押しやすさ、問題文全体の読みやすさ、スクロールのしやすさなどが影響しています。
そのため就職試験の中には公平を期すためにパソコンでしか受験できないタイプもあるくらい。
これは就活大手のリクルートも公式に出している見解です。
遅いパソコンを経験したからって嫌いにならないで
この記事を読んでいる中高生の中には「オレ・私が通っている学校のパソコンは動作が遅くて使いにくかった」という感想をもっている人もいるでしょう。
それは学校のパソコンが「古いCeleron、メモリ4GB、HDD」みたいな低スペックだったからかもしれません。
将来有望な若者に低スペックPCを押し付けるのは、日本の役人や国産パソコンメーカーに問題があります。
そういう低スペックしか知らない人が現代の標準スペックである「Core i3(Ryzen3)~、メモリ8GB~、SSD」を使うとパソコンへの感想は変わるはずですよ。
ぜひお試しあれ。
本体価格の違い
次は本体価格の違いについて。
パソコン本体の価格は中古で2~5万円、新品で6~12万円くらいが目安となります(もっと高い機種もある)。
一方、スマホ本体の価格は新品で2~18万円くらいが目安となります。
最新のiPhoneやハイスペックのAndroidスマホはインフレおよび円安の波を受けてかなり高くなりました。
スマホ本体の価格は月額料金として分割請求される場合があるため把握しづらい面もあります。
ストレージはPCのほうが多め傾向
ストレージ(画像や動画といったデータの長期保存装置)はパソコンのほうが多めにする傾向があります。
スマホで撮った写真や動画をパソコンに移して編集したりバックアップするというユーザーも結構います。
iPhoneの価格はストレージの量によって結構違いますが、Windowsパソコンならそこまで価格差は大きくありません。
iPhoneは内蔵ストレージの価格が異様に高いんです。
PC向けストレージならストレージは数千円と安いです。
ただし、パソコンについて内部から自主的に拡張しやすいのはWindowsのデスクトップPCであって、Macは購入時以外の場面で自主的に増やすのが困難な構造をしています。
通信料金と決済体系の違い
一般に日本人のスマホ料金は1ヶ月あたり1000~1万円くらいでしょう(端末代の分割払いやキャリア決済は含まない)。
スマホは個人単位で通信契約しますから内部にはSIMカード(加入者識別カード)が入っています。
スマホで買い物を決済すると、その料金はスマホの名義人に請求されるのです。
それにスマホは片手で持ち歩きつつ液晶画面を下(読み取り部分)に向けてタッチしやすいです。
スマホは「おサイフケータイ」をはじめとして決済系の機能・アプリが優れているのはこのため。
一方、パソコンに多い通信体系である光回線の料金は世帯ごとに契約します。
たとえば光回線の料金は1ヶ月あたり3000~6000円くらいですし、速度も安定して速いです。光回線の通信量は無制限ですし。
つまり、光回線は大人数で利用する家庭や法人だと1人あたりの料金に割安感が出てくるわけ。
そう考えると、大人数の家庭にとっては光回線の料金よりもスマホ料金のほうが高いといえるでしょう。
スマホそのものを共有しにくい理由
ちなみに家族であってもスマホを共有しにくい理由はスマホには個人に紐づけられたSIMカード・電話番号・支払い口座があるから。
家族に自分のLINEや自分が撮った写真を見られるのも恥ずかしいでしょう。
しかし、パソコンは基本的にはSIMカードがありませんから共有しやすいのです。
端末と通信とその他サービスの分離具合
ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天は基地局を自社系列で所有し、自社のウェブサイトや実店舗でスマホ機種を売り、dポイントのようなポイント還元制度や楽天市場のようなネット通販運営によって自社の経済圏ユーザーを増やすことに熱心です。
ドコモや楽天は端末メーカーと組んで開発するなどオリジナルのスマホ機種も発売しました。
一方、パソコンメーカーはパソコンの設計・開発・組立・メーカー直販に熱心であって、インターネット回線やソフトウェア開発、経済圏ポイントのほうには深く関わってきません。
NECや富士通はグループとしてソフトウェア開発にも関わっていますけどね。
要するにスマホ業界は構造が大手通信企業を中心に包括的で、パソコン業界は構造が分離的だといえます。
寿命の違い:スマホは電源ONの時間が長い
基本的に起床~就寝までのスマホは電源ONの待機モード(スリープ)になっているはずです。
電話着信やLINEへの対応、時刻確認などを素早く行うのなら電源ONにするしかないですから。
つまり、1日の大半においてスマホはあなたが直接手にしていないときでも電力や各部品は微妙に消耗しています。ノートパソコンのスリープも似たようなもの。
しかし、デスクトップは旅行や出張などで自宅に長く帰らない場合、電源をOFFにしておけば消耗を避けられます。
デスクトップパソコンは経済的
またパソコン、とくにデスクトップは簡単に分解でき、自分好みのパーツに入れ替えたりグレードアップできます。
古いパソコンで使っていたパーツを、次に買ったパソコン内部のパーツへと使いまわしたりもします。
つまり、デスクトップは電源オフの時間がかなりあってパーツ交換がしやすいため寿命を延ばしやすいのです(=デスクトップは経済的)。
スマホユーザーばかりの家庭であっても、私が家庭内の共有端末としてデスクトップをおすすめするのはデスクトップは大きくて見やすいうえに経済的だから。
スマホでも外部機器の接続はできますが、パソコンに比べると数は少ないです。
改造したスマホで電波を使うと日本では電波法違反になります。
パソコンとスマホとタブレットの使い分け【生産者と消費者の視点】
パソコンとスマホの違いを知るうえで大切な視点は、スマホユーザーは消費者にしかなりにくい一方で、PCユーザーは消費者と生産者の両方になれるということ。
たとえばスマホでも動画を見ることはできますが(=消費者の視点)、スマホに高度な動画編集ソフトを入れて素早く編集するのは難しいです(=生産者の視点)。
この点、パソコンなら高度な編集を素早く実行できます。
他にも長い文章(小説や論文)、ブログ、イラスト・漫画、音楽、アニメ、動画の制作、そしてデザイン、会計処理、データ分析、プログラミングなどはパソコンのほうが速度が明らかに速いです。
みんなが好きなスマホ向けゲームもパソコンを通じて開発されています。
単にコンテンツを消費するだけならスマホでも間に合いますが、生産者としての仕事をしたいのならパソコンが必要なのです。
パソコンスキルは経済格差にもつながる
社会人として仕事でパソコンを使うのなら学生時代からパソコンに慣れておくべきですから、中高や大学ではパソコン関連の授業があるわけ。
KDDIみたいな携帯キャリアの従業員や、Sonyみたいなスマホメーカーの担当社員でもオフィスでの仕事はパソコンを使うのが普通です。
大学生がパソコンを買うときは学割適用がありますが、スマホ端末には学割がほとんどありません(通信料への学割適用はある)。
端末メーカーは、学生にとってパソコンは学用品ですが、スマホ端末は娯楽用品と見なしているのでしょう。
次世代の産業・商品でもITスキルが重要
- 自動車やドローンの自動運転ソフト
- 農作物の再現性を高める生産管理
- 倉庫の自動管理
PCと直接的には関係ないように見える業界でもPCやITスキルは高確率で役立つはずです。
スマホにあってPCで使いにくい機能
スマホは外出先での簡易的な連絡や確認、娯楽に向いています。
具体的には、道端で電話する、カーナビにする、内蔵カメラで自分以外を撮る、電車内で時刻を確認する、簡単なゲームをする、おサイフケータイなど。
たとえば最近のスマホにはGPSが標準的に搭載されているため、スマホから消防や警察に通報すると場所も自動的に伝わる場合が多いです。
パソコンでも環境を整えれば電話できますが、パソコンを使って道端から電話している人は見たことがありません。Skypeを使っての通話はありふれていますけどね。
さらにパソコンの内蔵カメラはオンライン会議やオンライン授業に使うものであって、自分以外に向けて上手く撮るのは難しいです。
スマホとタブレットとパソコンの使い分け
- パソコン文書や表計算の作成、動画や画像の制作・編集、プログラミング、音楽制作、高度なゲームに向いている
- タブレット動画や電子書籍を見ること、イラスト制作のようにキーボードをあまり使わなくて、なおかつスマホより大画面で見たい場合に向いている
- スマホ自宅外での情報閲覧やコミュニケーション、決済、外部撮影、簡単なゲームなどに向いている
たとえばパソコンとスマホを所有していて動画編集をやる人の場合、動画編集はパソコンで行って、簡単な情報閲覧やLINEはスマホで行うというように使い分けます。
この場合、パソコンは標準より少し高いスペックにして、スマホは標準スペックにおさえます。
スマホでもパソコンでも動画編集は少し高いスペックを必要としますが、パソコンの大画面のほうが動画編集はやりやすいです。
またスマホやパソコンはスペックをおさえたほうが安上がりですから、この場合はスマホのスペックをおさえるわけ。
まあ無駄だとわかっていても全部ハイスペックにしたがる人もいますけどね。
スマホは何でもできる端末。
しかし、処理性能はハイスペックPCのほうが上、ゲーム性能ならゲーミングPCのほうが上、カメラ性能は高級一眼カメラのほうが上、時計としてのカッコよさは高級腕時計のほうが上、というようにスマホは中途半端な端末ともいえます。
インターネットの接続方法を考慮した使い分け
スマホとノートパソコンとタブレットはインターネットの接続方法からいっても使い分けができます。
モバイルデータ通信 | Wi-Fi | |
スマホ(SIMカードあり) | ○ | ○ |
スマホ(SIMカードなし) | × | ○ |
一般的なノートPC | × | ○ |
LTE内蔵ノートPC (SIMカードあり) |
○ | ○ |
Wi-Fiのみのタブレット | × | ○ |
セルラーモデルのタブレット (SIMカードあり) |
○ | ○ |
いずれもWi-Fi経由ではインターネットに接続できますが、モバイルデータ通信だと可否が分かれるのです。
※モバイルデータ通信とは携帯電話の基地局経由の通信のこと。モバイルデータ通信を多く行うほど「ギガ」を消費します。
たとえば自宅にネット回線も端末も何もない人が自宅でインターネットをやりたい場合、自宅が基地局のエリア内で、スマホを契約すればすぐにインターネットを始められます。
しかし、パソコンの多くはモバイルデータ通信には対応していませんから、パソコンのほかに光回線やモバイルルーターなども必要です。
つまり、スマホのほうが手軽にインターネットを始めやすいというわけ。
まとめ:日本人はiPhoneを買えなくなるだと…?
パソコンは大量の情報とともに複雑な作業をすすめることに向いています。
会社や役所の実務、そして大学ではパソコンばかりが使われる理由が見えてきたでしょう。
しかし、先進国の中でもとくに日本の若者はパソコンの所有率・使用率は低いです。
これでは外国の若者や企業に負けてしまいますから、とくにパソコンができる中年男性は若者および日本の将来を心配しているんですよ。
これに関して一般にスマホのシェアは先進国ではiPhoneとAndroidが同じくらいですが(日本はiPhoneのほうが上)、途上国ではAndroidが上回ります。
なぜならiPhoneの価格は高いため、先進国以外の国民は経済力がなくて買えないからです。
しかし、今の日本の若者がスマホばかり使ってパソコンがますます使えなくなると日本全体の経済力が下がって日本の一般人はiPhoneを買えなくなるかもしれません。
iPhoneを買いたいのならスマホで消費ばかりしておらず、iPhoneをもてるだけの経済力(とくにパソコン能力)がないといけないのです。
スマホとパソコンではコストに大差がない以上、日本の若者にもまともなスペックのパソコンが必要です。